
偕行社・クリスマス・ジャズ・フェスティバル会場で、あることに気づく大月るい(深津絵里)=NHK提供
岡山の偕行社で行われた「クリスマス・ジャズ・フェスティバル」は、大盛り上がりの中で終演を迎え、ひなた(川栄季奈)とるい(深津絵里)は聖夜の奇跡を喜びます。

偕行社・会場にて。演奏をする大月錠一郎(オダギリジョー)。(C)NHK


偕行社・会場にて。トミーと錠一郎の演奏を聴く野田一子(市川実日子)。(C)NHK
ドラマは最終週「2003-2025」(108~112話)が放送中で、フェス当日、出番を待つ間、るいたちが控室で準備をしていると、ラジオからアニーのインタビューが流れてきた。インタビューに通訳を介して英語で答えていたアニーだったが、1939(昭和14)年に公開された時代劇「棗黍之丞 仁義劍」のタイトルを聞いたところから突然押し黙り、そして突然、日本語で話し始めた。
その映画を後に夫となる男性と大阪の映画館で観たこと。彼が結婚から間もなく娘の顔も見ずに出征し、そのまま帰ってこなかったこと。それから娘を連れて夫の実家を出て、貧しいながらも幸せに暮らしていたこと…。
しかし、配達中の事故で娘の額に傷を作ってしまった時から歯車が狂い始めたというアニー。その後、娘と夫の実家に戻ったが、歯車は狂ったままで、家業だったお菓子屋を再建したい、義父の財力に頼らずに娘の傷を治してやりたいという自分の気持ちを優先するあまり、幼い娘の胸の内を分かっていなかったと振り返った。アニーは「るい…」と娘の名を呼びながら、岡山弁まじりの日本語で語りかけた。
「お母さん、あれから、なんべんも考えたんよ。何で、こねえなことになってしもうたじゃろうって。私ゃあただるいと2人で当りめえの暮らしがしたかっただけじゃったのに…。じゃけど私ゃあもう向き合うことができなんだ。ただ消えてしまいてえと思うた。るいの前から消えることが、るいにしてやれるたった一つのわび方で、そして祈り方じゃあそねえ思うた」
アニーの告白を聞いたるいは激しく動揺。ひなたも「アニーさんがおばあちゃん!?」と驚きを隠さなかった。ひなたは、その日の関西国際空港発13時40分の便でアニーが帰国すると聞き、急いで大阪へと向かった。
第110話(6日放送)で、アニーを追って関空へやってきたひなただったが、やはり、彼女を捕まえることはできなかった。居場所が分かり、会いに行くこともできるというひなただったが、るいは「もうええんや」と断り、今回の件を受けて、アニーが再び姿を消すはずだとつぶやいた。
錠一郎とトミーのセッションが始まった頃、会場に戻ってきたひなたは、入り口の前でアニーの姿を発見した。「おばあちゃん!」と叫び、ひなたが駆け寄ろうとすると、それに気づいたアニーは逃げ出した。ひなたは彼女を必死に追いかけた。
その頃、控室で1人出番を待っているるいのもとに、親友の野田一子(市川実日子)が現れた。安子がもうるいには会わないと決めているのなら、安子のために今日歌う意味はあるのかと悩むるい。一子は、るいのためにお茶をたてながら、意味があるのかどうかわからずとも、誰かのためを思ってやる、それだけでいいのではないかと背中を押した。
第111話で、ジャズ・フェスは、大盛り上がりの中で終演を迎え、ひなたとるいは聖夜の奇跡を喜ぶ。年が明けて映画「サムライ・ベースボール」が公開されると、再び来日したアニー(森山良子)は…。
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