「2秒ごとに秒針が飛ぶのです!」
電池切れ予告なのです。
いきなり時計が止まってあわてないようなシステム。
電池交換の失敗!
タグ・ホイヤーに対するクレーム。
①クオーツ時計の秒針の運針にクレーム。
文字盤の60個のポインターの上にきちんと止まらない。
秒針の動きが気に入らない。
②時計をつけるとき買った当時は、カチッと音がした。
今は鳴らない。気に入らない。
③電池交換の修理をした際に上下のマークが微妙にズレて戻ってきた。
ホイヤーの3大クレーム。
タグホイヤーはアメリカと日本で生産数の60%を占める。
2カ国だけでほとんど売れている!
ライバル各社のねたみもあって大変なメーカーです!
クレームの多い日本、アメリカで売れているのです。
特に問題は無いと思うのです。
スポーツ用時計のアイテムだけをがんばって造ってきました。
さて、電池交換とメンテナンスのお話。
今日はリンクス。
①ベルトをはずすためにピンを抜く。一発で抜く。素人は一気に抜けない。
結果ピンを曲げたりします。
②裏蓋の錆を確認。錆取り。丁寧に時間をかけてサビ取り。
③オープナーを選ぶ。
サビ付きが多い場合は強力オープナー。普通のサビはセイコーの保持機で充分だ。
今日はセイコーの保持機に乗せて、オープナーで裏蓋を開ける。
④裏蓋に傷がついていないことを確認。
防水パッキンを移動。シリコンケースに入れる。
⑤電池を取り出す。電池押さえを持ち上げて古い電池を取り出す。
新しい電池に交換。古い電池の電圧を計測。
本体の抵抗値を確認。
⑥正常な数値であることを確認した。裏蓋を閉める作業を開始。
防水パッキンをチェック。ケース本体に挿入する。
裏蓋をケースに乗せて仮に止める。
⑦裏蓋に日付けを記入。2010年12月パスティーシュ工房。
⑧裏蓋を閉める。閉めるときに一番傷をつけやすいので細心の注意。終わりだ。
電池交換1000円の手数料。
⑨秒針の確認。
4秒に一人、世界の乳幼児が死んでいる。
つっーと進んで止まる。その間にどこかの国の幼児が命をなくしている。
850万人の小さなチビ子が毎年命をなくしている現実がある。
⑩厳しい現実があることを知らされる。勇気が必要な仕事。
目を閉じてはいけない。この社会を何とかしようとこの業界に進む人が多いのです。
平和産業なのです。紛争が起きると時計業界は潰れます。
ヨーロッパ時計師の当たり前の常識でした。
給料の3%程度の天引きがある。
自分ひとりでも始められる間違った時間の修理。
間違った時間は正しい時計で直します。
時計師は常に正しい時間を把握することにプライドを感じる。
尊敬される職業でした。
基礎編。これが日本では難しいね!明日はお休みだよ!
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