1日1話・話題の燃料

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著書『芸術家たちの生涯』
『ほんとうのこと』
『ねむりの町』ほか

3月2日・ルー・リードの淡々

2014-03-02 | 音楽
3月2日は、『ガープの世界』を書いたジョン・アーヴィングが生まれた日(1942年)だが、ロックミュージシャン、ルー・リードの誕生日でもある。
自分は高校生のころからデヴィッド・ボウイ・ファンだったので、その友人であるルー・リードの音楽も若いころからよく聴いていた。もちろん彼のレコードもたくさんもっていて、時の流れとともに、しだいにCDに買い換えた。しぶいロック・ミュージシャンだったと思う。

ルー・リードこと、本名ルイス・アレン・リードは、米国ニューヨーク市のブルックリンで生まれた。彼の家族はユダヤ系で、ルイスは同じニューヨーク州内のロングアイランドに越してそこで育った。
「自分の神さまはロックンロールであり、自分の信仰はギターを弾くことにある」
と言う彼は、高校時代からバンドを組んでいた。
彼は同じニューヨーク州のシラキュース大学に入学し、ジャーナリズム、映画撮影、作曲、詩作を学んだ。
22歳のとき、ニューヨーク市へ引っ越したリードは、作曲家として活動し、ミュージシャン仲間とロックバンド「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド」を結成。リードはギターとヴォーカルを担当し、ポップアーティストのアンディ・ウォーホルが手がけたバナナのジャケットのアルバム「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ」でデビュー。リード25歳のときで、このアルバムは世界のロックシーンに強い衝撃を与えた歴史的作品となった。
28歳のとき、バンドを離れ、ソロとなった。
その後、デヴィッド・ボウイのプロデュースによるアルバム「トランスフォーマー」のほか、「ベルリン」「コニー・アイランド・ベイビー」などの名作を発表。ヒット曲がなく一般大衆への知名度はいまいちながら、ロック・ミュージシャンの多くが影響を受け、尊敬する、玄人好みのロックミュージシャンとして君臨しつづけた。
2013年10月、肝臓疾患のため、ニューヨーク州サウサンプトンの自宅で没した。71歳だった。

ルー・リードの音楽は、かれこれ30年以上聴いているけれど、どうして彼が好きなのかは、いまいちわからない。学生時代、ルー・リードのファンだった友人が「コニー・アイランド・ベイビー」のレコードをかけながら、こう言ったのをよく覚えている。
「ずっとこんな感じ。盛り上がらない。最初から最後まで淡々としている」
まったくその通りだと思う。どうしてこんな地味なロック・ミュージシャンがいるのだろうと不思議なくらい抑えた感じで、クイーンやレッド・ツェッペリンなどと対極にある人だという感じがする。でも、そういうところがいいのである。

キャリアは長かったが、いつがピークだったという時期もなく、キャリア的にも盛り上がりを持たないアーティストだったと思う。でも、それがルー・リードらしさだという気もする。自分は「ベルリン」や「コニー・アイランド・ベイビー」をときどき聴きたくてしかたがなくなる。この魅力は、ルー・リードが亡くなったいまでも、はっきりしない。このモヤモヤした感じがたまらない。つくづく特殊なミュージシャンだと思う。
(2014年3月2日)



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