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日本語教師の見た中国とか…

日本語教師が見た中国をつらつらと綴ろうとはじめました。帰国後、大学院生を経て今はとうとう専任日本語教師だ~。

デモデモ

2005-04-17 10:26:36 | Weblog
 日本では、中国の反日デモが毎日取り上げられているようです。マスコミというのはなんとなく盛り上げ好きなもんで、やたら誇張して伝えます。中国にいたら何にもないのに、やたら日本から心配メールをいただき、日中の温度差を感じたりしてしまいます。デモがあるのは事実ですが、岸和田のだんじり祭りみたいなもんで、そりゃ暴走したらけが人もでます。
 
 こちらは全く何もないと言うわけじゃなく、熱くなった現地の方に、「日本人は一体どういう考えなんだ!」ってお叱りを受けることはたまにあります。そんなトラブルを恐れて、大学側では日本人を隔離しようという動きが出ているのも確かです。毎日お昼は、日本人が集まってごはんを食べます。これはこれで楽しいもんで、古きよき共産主義って感じです。
 
 そもそも人間は自分中心なもので、領土問題だとか、教科書問題ぐらいで大事な日曜日に大騒ぎする人はあまりいません。問題は、失業中であるとか、仕事がうまくいかないなど、自分の生活に関わってくる問題を抱えている人が、デモに参加して、それを日本のせいにむすびつけてしまうことです。自分のストレスをデモで発散しようっていう輩が、暴走してしまいます。もちろんそんな輩は一部です。デモを行っているリーダーはしっかりしており、暴走もしないし、平和的な主張を望んでいるのです。言い古されていることですが、

 「どこの国にも、良いやつがいれば悪いやつもいます。」

あまり悪いやつばかりピックアップしないでね~。             

炭坑節

2005-04-15 19:18:33 | Weblog
 「学生主催のパーティーがあるので出し物をしてくれ。」
突然こんな話が来ました。この大学では、日本人日本語教師一同と中国人スタッフが共同で炭鉱節をおどるというのが慣わしになっているようです。そもそも日本でも盆踊りなんてお菓子もらうために嫌々行ってた私が、200人の学生の前で一丁前に踊れるのか!? 
 
 心配はよそに、リハが始まりました。行ってみると、なんと中国人スタッフのGさん(通称マダム)、がめちゃくちゃ慣れた手つきで炭坑節を踊っているのです。恐るべしですね~。日本人なんかよりよっぽどうまい。
 
 日が変わってパーティー当日、渡されたコスチュームをみてびっくり。なんと某相撲部屋の浴衣なんです。しかも数が足りなくて、私のはどう見ても病人が着るよれよれの浴衣、友人はどう見てもモンゴル族の衣装を着ており、我々はなんだか多国籍ちんどん屋って感じ。

 付け焼刃で一生懸命踊っていたら、「先生~はずかしいですか~?」って学生に声かけられ、「先生が一番うまい!」などというわけわからんフォローまで出る始末。それにしてもマダムはうまいなあ~!!
 
 日本語教師ってこんな技術も必要なんですね~。でも、みんなに言いたい。

「これは決して炭坑節の衣装ではないんだからね。」

♪ つきが~でたでた           

エリート教育

2005-04-10 09:50:16 | Weblog
 中国東北地方で日本語を教えています。担当クラスは博士号をもっている学生対象の超エリートクラスです。これがすごい!既習の単語はすべて覚えてくるんです。さすが中国13億人を引っぱっていく人たちです。今までこんないいクラスを持ったことはありません。

 中国の伝統的な教育では、テキストをどんどん暗記していくことが薦められます。まさにうちのクラスでも、テキストがどんどん暗記されています。この教育法自体は今までたくさんの成功を収めており、私ごときがガタガタ言うものではありません。ただ、時々えっと思います。例えば、本文で「~しましょう。」「そうしましょう。」という会話が載っていると、みんなしっかり覚えています。私が、
「じゃあ、授業を終わりましょう。」っていうと、
「そうしましょう。」って返ってきます。むむむ、これは変だぞ~。
 
 既習単語は丸暗記しているのですが、ヒアリングで未習単語が出てくるとまるっきりだめなんです。きっと頭の中で覚えた単語を検索しているのでしょうが、覚えていない単語を文脈から想像するっていうのが苦手になるみたいです。これは習ったものは頭の中にあるんだっていう自信からくる弊害かもしれません。こんな会話も起こりかねません。

   私  「みなさん、もう少し文脈から意味を想像しましょう。」
学生さんたち「そうしましょう。」