
短歌を読んでいると、
人生において、名誉や地位をわがものにしながら、
実は、
大変な苦労や不運に見舞われる人が多いのがわかる。
そういう意味で、
普遍的な幸福とは何か、
という思いを馳せることは多いのである。
人生の幸福とは何か、という思いに誘われるのだ。
そういう意味で、
歌人やその作品を紹介している。
波乱の人生は、
われわれにも身近なものと
感じられるのである。
古今の短歌のうち、
人生においては
不運であった
2人の歌人を確認したい。
ひとりは、
「古今集」の選者であり、
そのなかで
紀貫之に次いで
多くの作品をとられた
凡河内躬恒がいる。
歌壇的には高名であったが、
この世における地位は低く、
殿上人にもなれなかった。
代表歌は以下のとおりである。
今日のみと春を思はぬ時だにも立つことやすき花のかげかは
一方、
明治時代に、
短歌を革新し、
古今集以来の
華美な歌を批判した
正岡子規。
肺結核とカリエスのため、
闘病生活ののち、
34歳にして逝った。
代表歌のひとつを挙げる。
いちはつの花咲きいでて我目には今年ばかりの春ゆかんとす
平凡な生活を続けるわたしたちと変わらない、
ときにはもっと悲惨な人生を送る人が
多いことを思う。
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