
北原白秋は、
ある時期、
日本における
もっとも高名な歌人、詩人、童謡作歌であった。
ところが、人気を得ている最中に
人妻との恋に落ち、
姦通罪で(戦前であったゆえ)訴えられ、拘留された。
その間の
哀感を歌った連作がある。
「哀傷編」である。
4首挙げておく。
‥‥‥
鳴きほれて逃ぐるすべさえ知らぬ鳥その鳥のごと捕らえられにけり
かなしきは人間のみち牢獄みち馬車の軋みてゆく礫道
ふたつなき阿古屋の玉をかき抱きわれ泣きほれて監獄に居たり
罪びとは罪びとゆゑになほいとしかなしいぢらしあきらめられず
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