ものの長さや広さを測る尺貫法とメートル法は便利な反面、やっかいでもある。
数値が同じでもその意味する大きさが違うことがあるからだ。
たとえば1センチと1インチは長さが異なる。(当たり前のことだが)
1キロメートルと1キログラムでは、数値が同じで似ていても比べられない。
ちょうどカミさんがいつもいう、“一日ビール二本まで”と一緒だ。
カミさんは小さな缶ビール(350)を指しているようなのだが、
こちらの常識ではビール一本といえば大瓶だ。(飲兵衛なら誰でも同じだと思う)
だがこのことを根掘り葉掘り攻撃すると、小さな缶一つにさえありつけなくなる。
冷蔵庫に入れてくれないのである、我慢して生ぬるい缶ビールを飲むことになる。
冷えてないビールは不味いの一言である。おとなしくしているのが一番いいのだ。
話が大きくそれたが、私は尺貫法もメートル法も得意である。
元々は職人だ、三尺や1間など、一坪などメートル法より得意だ。
むしろその方がピンとくる。長さや広さなど身体で覚えたようなものだ。
基本寸法はここから始まる、一坪=1間×1間 ・ 一間=6尺=1,818mmだ。
これが厄介のもとだ、1尺は303mmと半端数字が発生する。
1尺5寸というと、454,5mm・4尺5寸は1,363,5mmとどこまでも半端数字が付く。
そこで私は設計上、1間=6尺=1,820mmで作図している。
まだ一般住宅では、昔からの尺貫法で打合せする場合が多い。
鉄筋コンクリート造や鉄骨造では、メートル法だけしか使用しない。
私はどちらでもいいのだが、若い人達は大変だと思う。
笑い話みたいなことがある。建材の基本寸法は3尺×6尺である。
現場で職人さんと喧嘩したことがある、私の設計は建材が無駄になるというのだ。
その職人は建材の寸法が、3尺×7尺・4尺×8尺があることを知らなかった。
また現在は、1m×2mの建材が市販されている、日本人の身長が伸びてきた証拠だ。
和室の内法も昔は5尺8寸(1,760mm)だった。私は1,800mmである。
洋室入り口は1,800~2,000mmで設計している。私のこだわりだ。
今年は車庫と事務所を新築したいと思っている。
友人「高橋さん、酒一升もって遊びに行っていいか?」
橋「自分の飲む分も持って来い!」
友人「えっ、どう言う事?」
橋「その一升は私の飲み分だ! だから二升持って来い」
友人「負けた!!」
この話は、カミさんの亡くなった親父が言っていた言葉だ。
国際規格というより、宇宙企画です。
単位が大きすぎて分かりにくい。
日本の建築は尺貫法が基本になっています。