親子の面会交流を実現する全国ネットワーク(OB)

親子が自由に交流出来るよう、面会交流権の拡大や共同親権・共同監護社会の実現を目指して活動しています。

親子の絆ガーディアン四国 第一回講演会 報告

2009年06月21日 01時21分55秒 | Weblog
去る6月13日,当会(親子の絆ガーディアン四国)主催の第一回講演会が開催されました。

当日は予想を上回る盛況であり,当事者・福祉関係者・調停委員などの方々の他,昨年それぞれの議会に提出した共同親権陳情に御理解を戴いた香川県議の渡辺さとこ議員,高松市議の植田真紀議員も参加され,衆議院議員の小川淳也議員からはご祝辞を戴きました。
御講演戴いた棚瀬先生によれば,参加者の熱意が伝わってきて,とても気持ちよく話すことができたということであり,改めてこの問題に対する関心の高さを感じることができました。
又,遠方から親子ネット,親子ネットNAGANOの方々に応援にきていただき。初めてのことながら大成功であったとお伝えできます。

第一部の「テーマ1 離婚と子ども」では,離婚が子どもに及ぼす影響を心理臨床の視点を中心として解説され,その適応性に関する実証研究の成果や,再適応への課題,親の離婚を経験した子どもの反応の発達段階ごとの特徴が示され,多くの場合,親の離婚は子どもの生涯に渉って影響を及ぼす可能性が高いことを話されました。

締めくくりには米国でも高葛藤の元夫婦は存在するが,その割合は日本とは比較にならないほど低く,法制度の改善による問題へのアプローチが有効であるから,我が国でも早急に共同親権・共同監護の導入整備が必要だという見解をお話しになられました。

第二部の「テーマ2 離婚と日米法制度の違い」では主に米国カリフォルニア州での法制度変革の歩みや共同親権・共同監護制度に至った背景が解説され,アメリカでは面会交流だけの時代が100年続いたが,その時代であっても法的に面会交流は保護され,隔週ごとの面会交流で金曜日から日曜日への宿泊が一般的であったこなどをお話戴き,改めて我が国の法制度や裁判所の法律運用に100年以上の遅れがあることを痛感させられました。

米国でも1970年代には,法的制裁を加えてまで履行しようとする面会交流の在り方はおかしいという論争があったそうですが,これに対し米国裁判官の「両親が離婚別居して,監護権が一方の親に委ねられているときには,面会交流権は注意深く保護されなくてはならない。なぜなら監護権を持つ親は自分の地位を利用して,他方の親(別居親)に対する子どもの愛情を遠ざける危険性があるからだ」という有名な反論が紹介され,別居親が子どもの養育に関わることは,子どもの利益・権利であると共に親としての重要な権利・義務でもあるから,親の権利としての視点も欠かしてはならない,とお話しになられました。
「我が子と生きる権利」は最高の人格権であるということを改めて確認することができました。
(文責 ミラクルヤン)


以下に参加者アンケートに寄せられたコメントの幾つかを紹介いたします。

1 主にカリフォルニアの共同親権がとても理解できた。日本もやがてこの方向に進んでいくといいと思うが,なかなか社会的背景を考えると難しい。裁判所も面接交渉については勉強会等で努力しています。(調停委員)

2 結婚五年以内の離婚が多くなっているのと,胎児期から子どもは葛藤にさらされている可能性が高い,というお話などなるほど,と思いつつ聞かせていただきました。離婚後の監護親と子どもの関係のむつかしさも考えさせられました。(不明)

3 離婚後の子どもへの影響と年齢の関係性等,興味深く聴けた面会交流の重要性と困難性,片親から子どもに対する他親への悪口の刷り込み,親のしあわせと子どものしあわせを同一視しない。(男性)

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勉強会当日に参加した頂いた高松市の市議会議員 植田真紀(まっきー)さんのブログ、「日刊まっきー」(http://blog.livedoor.jp/makkie_u/archives/51571886.html)の中でも、「日本は共同親権にできるか? ~離婚後同居できない親子の関係~」とのタイトル(2009年06月13日付)で、詳しいレポートが報告されていますので是非ごらんになって下さい。


皆様、ありがとうございました。