親子の面会交流を実現する全国ネットワーク(OB)

親子が自由に交流出来るよう、面会交流権の拡大や共同親権・共同監護社会の実現を目指して活動しています。

●月2回の面会交流審判(pdf) 東京家裁

2010年10月29日 15時42分07秒 | Weblog
東京家裁で月2回の面会交流審判が出ました。
以下、pdfのリンクです。
http://kyodosinken.com/wp-content/uploads/2010/10/5708eca34f0735c220a211799189aa70.pdf

「どの団体でも転載可」

「ぜひ裁判所の調停にもプリントアウトして持ち込んでください」

との事です。

ちなみにまだ離婚前の審判です。

離婚前の紛争中であっても、 月2回の面会は可能だという大きな前進を示した審判だと思います。

●超党派議員が新法準備 離婚した父親にも子供会わせて(産経新聞/)

2010年10月29日 13時59分56秒 | Weblog
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/101029/stt1010290130000-n1.htm

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101029-00000120-san-pol

http://news.goo.ne.jp/article/sankei/politics/snk20101029120.html

超党派議員が新法準備 離婚した父親にも子供会わせて
2010.10.29 01:30

 民主、自民両党などの国会議員が超党派で、離婚後に親権のない親が子供と面会することを保障する法案を作成し、来年の通常国会提出を目指していることが28日、分かった。近年、離婚後に母親がつきまとい行為を禁じた「配偶者暴力(DV)防止法」などを利用して、父親の接触を拒むケースが社会問題化しており、是正を図る目的がある。

 法案作成には与野党議員約20人が参加。片方の親による子供の連れ去りや、片方の親による子供の引き離しなどの問題解決に向けて議論している。今後は具体的な罰則なども検討し、議員立法での成立を目指す。

 厚生労働省の調査では、親が離婚した子供の数は平成21年が約24万9千人と、40年前の約8万9千人の3倍近くに達している。

 日本は欧米諸国では主流の「共同親権」ではなく、一方の親だけに親権を与える「単独親権」を民法で規定している。夫婦が離婚した場合、親権の約8割は母親にわたるが、最近は育児参加に積極的な父親を中心に、離婚後も子供との交流を望む声が高まっている。

離婚した妻のもとから実子を連れ戻そうと試みた父親が、未成年者略取容疑で逮捕されたケースもある。親権争いを経験したある男性は「子供との面会を求めても親権者の権限で拒否される父親は多い」と指摘する。

 ただ、母親が子供を連れ去ったり、父親の子供への接触を拒む理由には、父親による暴力・虐待などへの懸念もあるため、新法案にはこれらの対策も盛り込む予定だ。

-----------------------------------------------------------


●親子断絶防止法案の詳細が明らかに

自民党の馳浩衆院議員は29日の衆院法務委員会で、自民、民主両党などの国会議員が超党派で来年の通常国会への提出、成立を目指す「親子の交流断絶の防止に関する法律」(仮称)の詳細を明らかにした。親権のない親と子供の面会を保障するもので、一方の親による子供の連れ去り禁止▽親子の引き離し禁止▽養育計画作成の義務化の3項目を盛り込んでいる。

【産経新聞 2010.10.29 19:01】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101029-00000615-san-pol

http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/101029/stt1010291904005-n1.htm

●棚瀬法案検討会&親子ネット定例会のお知らせ

2010年10月29日 13時00分32秒 | Weblog
親子ネット運営委員会よりお知らせです。

下記のように棚瀬孝雄先生をお呼びした
法案検討会を予定しております。
すでに提出されている離婚後の共同養育に関する『棚瀬法案』の
修正バージョンについて
皆さんで協議したいと思います。

=============================
会場 :中央大学市ヶ谷キャンパス2311教室
http://www.chuo-u.ac.jp/chuo-u/access/access_ichigaya_j.html

日にち:11月6日(土曜日)
時間 :法案検討会13:00~15:00
参加費:500円
=============================
※上記時間に引き続き 15:30 より定例会も行います。

なお、セキュリティ上の問題で
法案検討会、定例会へ参加される方は、11月3日(水曜日)までに
名前と所属(肩書)をお伝え下さい。
氏名や所属(肩書)はキャンパス受付が防犯対策として、
当日の入館者の確認に使用するもので、
個人情報として保存されるものではありませんのでご安心下さい。

ご連絡は以下まで
info.oyako@gmail.comもしくは親子ネット事務局 047-342-8287 まで。

なお、法案検討会については
親子ネットの会員非会員を問わず参加できます。

社会的にも認知が高まり、
政府もさまざまな方面で検討に入りはじめたこの時期に、
私たちもより一層の団結をして世の中に訴える
大切な法案です。
私たちの子どもたちを救えるかどうかがかかっている
重要な法案になるので、ふるってご参加ください。



※法案検討会は無事終了しました。
当日は約30名の参加があり、活発な意見交換が行われました。

●橋下大阪府知事による『共同親権』発言 (大阪府議会 健康福祉常任委員会)

2010年10月29日 12時00分34秒 | Weblog
橋下大阪府知事による『共同親権』発言
http://mainichi.jp/area/osaka/news/20101021ddlk27010377000c.html (毎日新聞記事)

橋下大阪府知事から『共同親権』に対する発言がありました。

(於:大阪府議会 健康福祉常任委員会 質疑時間 11分)
以下、知事発言の概要です。

質問者:浦野議員(大阪維新の会)
 ・児童虐待防止の観点から我が国も共同親権制度に法改正すべきではないか。
 ・知事の“発信力”で国に対し法改正を強くアピールして頂きたい。

橋下知事の答弁
 ・この問題は弁護士の時から大問題になっていた。
 ・これこそ国会議員が真剣に取組むべき問題である。
  役所に任せていてはだめ。 
 ・役所は“子育で離婚した元夫婦が意見対立する”などと“出来ない理由”
  を何時も持ち出し、法改正に否定的。円満な夫婦でも意見が対立する
  ことはある訳で、単に“やらない理由”を探しているだけ。
 ・原則は『共同親権』で子育てをすべき。
 ・女性団体は共同親権となった場合の弊害を訴えているようだが、そのような
  ケースがあるなら、それこそ裁判所がその様に対応すればよいだけの事。
 ・国に対する(法改正の)働きかけだが、知事の立場上、国会に乗り込んで
  行く事は出来ない。ただ、大阪府としては『共同親権意見書』も採択され
  府の立場としては、『共同親権』を前提とした各働きかけをしたい。
 ・千葉法務大臣のこの問題に対する国会答弁はヒドイものだ。
  『面接交渉・・必要であればやるが、今は・・』これは役人が作った書面を
  そのまま読み上げたもの。(法改正を)やりたくない役人の思惑どおりだ。
 ・海外では『共同親権』は当たり前。
 ・『行動親権』は政治がやらなければならない。

以下から橋下知事答弁の動画が見れます。
http://www.gikai-web.jp/dvl-osakahu/

http://bit.ly/9kJdT0

http://www.gikai-web.jp/dvl-osakahu/movie/W_H22/201010202321001001001.asx

●江戸川区 BBQ&いも煮会 (11月6日)

2010年10月21日 00時15分15秒 | Weblog
江戸川区議会議員・滝沢泰子さんと、矢野さんから「先日のNHKクローズアップ現代を見て、大変驚いた。地域社会が崩壊しつつある昨今、離婚家庭も増えていて、子どもたちのために地域でできることはないかと思っている」との言葉いただき、地域の子どもたちも加えて、バーベーキューといも煮会を行うことになりました。

自分の子ども以外にも、親戚の子、ご友人のお子さんなど、誰でも参加できますので、多くの方に声をおかけください。
当日は楽しいゲームなども予定しています。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

日時:11月6日(土曜日)10時~16時

●開催場所:大島小松川公園
http:// www.tok yo-park .or.jp/ park/fo rmat/in dex014. html    
● 所在地 : 江東区大島九丁目、江戸川区小松川一丁目
● 交通 : 地下鉄新宿線「東大島駅」(S16)徒歩3分
● 問い合わせ先 :大島小松川公園サービスセンター
〒136-0072 江東区大島9-9 TEL 03-3636-9365

* 参加費用
大人:2000円
子ども:無料

アルコール類は各自持ち込み
お茶・ジュース類、BBQ食材は主催者側で用意します。

主催:江戸川区民
参加申込先:
共同親権の会事務局 
mail:ichita555@gmail.com
連絡先:080-7015-2925

*転載歓迎
お手伝いさん大募集中です

●後藤富士子弁護士・青木聡先生 討論集会&銀座デモのご案内

2010年10月20日 23時29分06秒 | Weblog
単独親権法改正をライフワークとしている後藤富士子弁護士と「共同養育」を心理面から研究されている青木聡臨床心理士の講演会・討論会が開催されます。
子どもを奪われた親達に「勇気と行動」の必要性を訴え、「法改正と共同子育てに必要なものとは」を分りやすく解説していただきます。
ぜひ、ご参加願います。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
         討論集会のご案内

                          弁護士 後藤富士子

私が「離婚と子ども」をめぐる紛争で初めて父親から事件を受任したのが2007年7月でした。2人目の依頼者が自殺(10月30日は命日です)。そして、「配偶者による子の拉致事件」に変貌した離婚紛争の依頼が次々に殺到するのです。
このような事態は、当事者の個別性に起因するのではなく、「家庭破壊離婚」とでもいうマニュアルがあって、それに基づく画策を司法が擁護している結果なのだと思うようになりました。つまり、日本の司法は、「親権」を「親の固有の権利」と認めないのです。その淵源は、「親権者指定」「監護者指定」という絶対的権力を裁判官が握っている 単独親権制 にあるのでしょう。
そこで、現在闘われている多様な「親権裁判」を素材にして、「親権=親の固有の権利」を確立しながら、離婚後も共同親権にする民法改正を展望したいと思います。



~「子育て権」を親の手に! 民法(単独親権)の改正に向けて~

日時: 平成22年10月30日(土) 午後1時(受付)~5時

場所: 新橋福祉会館
     (都営三田線御成門駅徒歩5分JR新橋駅徒歩10分)
     http://www.city.minato.tokyo.jp/sisetu/hukusi/kaikan/sinbasi/index.html

第1部  「親権」をめぐる裁判の現状と課題
   基調報告    弁護士 後藤富士子

第2部  「共同子育て」と法制度
基調講演    大正大学准教授・臨床心理士 青木聡

連絡先:みどり共同法律事務所 (TEL03-5925-2831/FAX03-5330-8886)

*簡単な問い合わせは、下記へお願いします。
共同親権の会事務局:080-7015-2925
begin_of_the_skype_highlighting
end_of_the_skype_highlighting

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

当日、銀座・数寄屋橋から日比谷公園までデモ行進もあるとの事です。
数寄屋橋から日比谷公園までのデモ行進は初との事です。

10月30日
「拉致された子どもたちを返せ!共同親権法制化とハーグ加盟を訴えるデモ行進」の案内

集合時刻:AM10時
出発時刻:AM11時 
終了時刻:PM12時(予定)

出発地:水谷橋公園 http://lawrence.tokyobookmark.jp/e24619.html
到着地:日比谷公園 http://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index037.html

*小雨決行
中止かどうかの判断はmixi共同親権の会コミュニティ(http://mixi.jp/view_community.pl?id=4252522)に掲載される予定です。

または下記までご連絡ください。
連絡先:080-7015-2925(共同親権の会事務局)

*転載歓迎

●親子ネット定例会(10月度)

2010年10月20日 23時05分04秒 | Weblog
10月度の親子ネット定例会を下記の通り開催します。
是非お越しください。

日時:10月23日(土)13:00~18:00
場所:中央大学後楽園キャンパス 6409教室
http://www.chuo-u.ac.jp/chuo-u/access/access_korakuen_j.html 内容:
(1)集会のビデオ上映(どのパートか未定)
(2)今年度重点戦略について(戦略的ロビー活動など)
(3)その他(次回のミニ集会企画など)


●親子ネット全国集会レポート①

2010年10月05日 23時44分47秒 | Weblog
親子ネット全国集会は、当日の天候にも恵まれ、無事幕を閉じました。

河邑代表の挨拶で始まった全国集会の最初のプログラム「引き離された子どもたちの現在」では、親の離婚を経験した女性の体験談が司会者とのインタビュー形式で語られ、親の離婚が子に如何にショックを与えるかが様々なエピソードと共にリアルに語られました。

モデル・MAIKO元夫妻の「共同養育って素晴らしい!」インタビューでは、日本で共同養育を実践されているモデル・MAIKO元夫妻のインタビューが映像で紹介されました。
MAIKO元夫妻は、夫婦が離婚しても子どもにとって両親は大事という事を強調されていて、子どもの目線を第一に考えられている姿が印象的でした。
今でも普通に一緒に外出などをされてるそうで、とても離婚されている夫婦には見えないという印象でした。

昼休みを挟んで午後の部は、棚瀬孝雄先生、円より子先生、池内ひろ美先生、青木聡先生、小田切紀子先生による共同養育をテーマとしたパネルディスカッションが行われました。
棚瀬先生による家族法の欠如の問題、円先生による共同養育実践の大切さ、池内先生の離婚する親の成熟度の問題、青木先生のPAS事例の問題、小田切先生による離婚家庭の子を集めた合宿での出来事など、それぞれの先生の取り組む専門分野に基づいた具体的な事例が紹介され、討論が行われました。

●親子ネット全国集会レポート②

2010年10月05日 23時43分12秒 | Weblog
パネリストの間では実際に共同養育を行う上での具体的な注意点も話し合われ、離婚で傷ついた子どもが更に傷つかないようにする為の面会交流方法、DV事例のケースへの対処など、多岐にわたる多角的な議論が行われました。パネルディスカッションの後には棚瀬先生から、現在作成中のモデル法案の紹介が行われ、こちらも近々発表できるとの事です。

集会の最後には、「離婚後の共同養育」声明の賛同者が一斉に壇上に上がり、河邑代表が代表して「離婚後の共同養育を求める共同声明」が読み上げられました。
声明文はその場で自民党・下村博文衆議院議員に渡され、下村議員からは、今回の大会の成果を国会に反映していただく事を約束して頂きました。
最後に親子ネット副代表の藤田さんから閉会の挨拶が行われ、全国集会は幕を閉じました。

●親子ネット全国集会レポート③

2010年10月05日 23時42分50秒 | Weblog
集会終了後には隣接する礫川(れきせん)公園に会場を移し、文京区シビックセンターの前を通って白山通りを後楽園から神田神保町の錦華公園まで抜けるコースのデモ行進を行いました。
私(又吉)は先導車の運転手でしたが、後席サンルーフから女性2人が交互にハンドメガホンで後方に向かって親子引き離しの現状や共同養育の大切さを訴えるシュプレヒコールを呼びかけ、後列がそれに応えるといった感じで激しくも楽しいデモ行進は終わりました。

デモ終了後に皆で記念撮影をした後は、徒歩で懇親会会場の居酒屋に移動し、各団体の面々や当事者、関係者たちが遅くまで、討論や団体交流、意見交換などを行いました。
魚が苦手で困っていた外国人の方や、子に会えない悲しさからかなりヘベレケになっていた方もいたようです。
居酒屋に入るあたりからパラパラと降りはじめた雨は、店を出る頃にはかなり本降りになっており、デモの天候もぎりぎりセーフといった状況でした。

●親子ネット全国集会レポート④

2010年10月05日 23時41分07秒 | Weblog
今回の総会・集会を通じて、関東地方はもちろん、北海道や新潟、静岡、名古屋、大阪、神戸、岡山、鹿児島など全国から会えない親の立場の方や母子家庭の方、この問題に関心を持つ方など様々な立場の方が参加してくれ、またこの問題をドキュメンタリー映画で追ってくれている映画監督や朝日新聞AERAの記者、政党関係者、調査官の卵の学生や外国人当事者の方など、日曜日にも関らず多くの人たちが参加してくれました。

また、下村議員の他にも民主党・枝野幸男議員、牧山ひろえ議員、中野譲議員、渡辺浩一郎議員、自民党・馳浩議員、公明党・池坊保子議員、社民党・服部良一議員らからも暖かい応援のメッセージを頂きました。
本当に感謝です。

●親子ネット全国集会レポート⑤

2010年10月05日 23時40分06秒 | Weblog
参加されたパネリストさん達の控え室での会話から意外な横の繋がりがわかったり、皆さん次回も是非協力したいという旨の力強いメッセージを頂き、スタッフ一同,万感の思いです。
親子ネットでは今後もこの問題の社会的認知と理解を進めるよう努力していきたいと思ってます。

最後に、離婚後の共同養育を推進すべきとの発言をされているアグネス・チャンさんからこの集会に寄せられたメッセージを紹介させて頂きます。


「親の愛情は、子ども達の心の糧。 

 想う事、忘れない事、希望を持つ事で、子ども達の未来に光は届くはずです。

 頑張ってください。

 All for love

Love for all 」  アグネス・チャン 

●平成22年度 高等裁判所長官,地方裁判所長及び家庭裁判所長会同における最高裁判所長官あいさつ

2010年10月05日 22時43分09秒 | Weblog
http://www.courts.go.jp/about/topics/2206.html

平成22年度高等裁判所長官,地方裁判所長及び家庭裁判所長会同における最高裁判所長官あいさつ 平成22年6月9日

最高裁判所長官あいさつ
 社会経済情勢の大きな変動の中で,人々の行動様式や価値観も多様化し,様々な問題についての意見の対立が深刻化しています。このような状況の下で,普遍的な法原理に則り,透明で公正な手続により紛争を解決する司法の意義は,ますます重要になっています。私たちは,時代の変化を的確に把握し,司法の機能を高め,社会の要請にこたえていかなければなりません。

 裁判員制度が施行されて1年が経過しました。既に600件を超す事件について審理が行われましたが,これまでのところ,候補者の出席率は極めて高く,裁判員を経験した人々のほとんどが,審理や評議に参加できたことは有意義な体験であったとの感想を述べています。さらに,意見の中には,刑事裁判だけでなく,広く個人を取り巻く社会や制度にも関心を持つようになったといった深い認識を示すものもあります。裁判員制度は,国民の理解と協力を得るという点で順調な第一歩を踏み出したと言うことができると思います。今後,重大事件や複雑な否認事件等の審理が本格化する中で,多くの課題に直面することになりますが,法曹三者が協力して,これらを一つ一つ解決し,制度の安定的な運用を確立していく必要があります。まずは,公判廷での証言を中心とした審理を確保し,また,被告人に迅速な裁判を保障するため,公判前整理手続の機能を高め,速やかな審理を実現することが望まれます。

 どのような制度の下であれ,正しい事実の認定は刑事裁判の要です。最近,長期間服役した人に対し,科学的証拠を検討し,再審で無罪の言渡しがされました。私たちは,改めて刑事裁判における事実認定の重要性を確認し,中でも科学的証拠の意義,機能について,速やかな検討を行い,その結果を広く刑事司法全般の運用に生かしていけるよう努めなければなりません。

 経済情勢や法曹人口の増加等の構造的要因に基づく民事事件の動向に十分な注意を払う必要があることは,これまでも述べてきたところです。民事訴訟事件は,内容的にも数量的にも大きく変わってきており,今後,訴訟外の紛争解決手段との役割分担や連携の在り方について更に検討を深めるとともに,弁護士の果たすべき役割を視野に置いた合理的な訴訟実務の形成に向けて,取組を進めることが求められます。また,先端的分野における訴訟や社会に広範な影響を及ぼし紛争の実体について幅広い考察を必要とする訴訟なども増加しています。これらの事件については,法律的な知識に止まらず,対象となる事柄の内容や紛争の社会的実態などについての知識,理解が不可欠であり,的確な判断を行うために必要な情報を利用できるような態勢についても検討していかなければなりません。

 家庭の姿を反映し,家事事件の態様にも著しい変化がうかがえます。家族間の事件であっても,関係者の利害の対立が激しく解決の困難な事件が増える一方で,これまで以上に家庭裁判所の専門的,後見的な機能の発揮が期待される事件も増加しています。家庭裁判所は,ともすれば,長年の実績を重視した運用を続けがちでしたが,このような事件の実態に照らし,それぞれの特質に対応できるよう機能の見直しを図ることが求められています。当事者の手続保障の強化等を柱とする家事審判法の改正作業はその一つの表れにほかなりません。法改正等に適切に対応するとともに,運用面でも,より合理的で柔軟な実務を目指して各職種の意識を改革し,改善,工夫に取り組んでいく必要があります。

 司法制度改革によって導入された新しい法曹養成課程のもとで,既に多くの判事補が任官しました。裁判所を取り巻く環境や対象とする事件に様々な変化がありますが,裁判の担い手である裁判官に求められる資質や職務に必要とされる基本的な姿勢に,これまでと異なるものはありません。一つ一つの事件に誠実に向き合い,適切な手続の進行を通じて,早期に事件の核心をとらえ,明快な論理に支えられた妥当な判断を示すことは,裁判官の最も基本的な職責です。判事補として,まずこうした職責を着実に果たせるだけの力を身につけることがすべての基礎であると言えるでしょう。その上で,司法の直面している諸問題に対処していくためには,従来の運用を漫然と踏襲するだけでなく,自らが新たに実務を創り上げていくという気概をもって,日々の事件に取り組む姿勢が強く求められます。変動の著しい今日,すべての裁判官が,様々な課題について,自由な雰囲気の中で,闊達に意見を交換し,議論を深めていくことが必要です。

 様々な課題を抱える中,日々の裁判事務については,適正迅速な裁判の実現のため着実な取組がされています。裁判所職員の真摯な執務姿勢は,裁判員裁判における接遇等の面でも国民から高い評価を受けているところです。職員各位には,こうした平素の執務姿勢こそが,司法に対する国民の信頼の基盤であることを改めて認識し,誠実に職務に取り組んでいただきたいと思います。

 以上をもって,私のあいさつといたします。


---------------------------------------------------------

今後、ADRとの連携を深めていく事や、過去の運用に必ずしも頼らない事、法改正への適切な対応、よる柔軟な運用を行っていく事などが最高裁長官の口から語られています。
社会の変容に伴い、裁判所自体が大きな変革を迫られている事を感じているようです。