2008年8月26日
高松市議会議長
菰渕将鷹 様
離婚後共同親権・共同監護の法制化を求める陳情
単独親権制度に反対する親の会
代表 早井真人
私たちは離婚によって実の子どもと暮らせなくなった親の会です。
1 現在日本では毎年,親権を行わなければならない子どもがいる夫婦が約17万組(2003年人口動態統計)も離婚していますが,わが国では,離婚後はどちらか一方の親だけが親権者となり,もう一方の親は法的には親ではなくなってしまう単独親権制度を採用しています。
しかし,この制度が離婚時に子どもの奪い合いを激化させ,子どもの連れ去り,親子の生き別れという悲劇を生んでいます。アメリカ,イギリス,ドイツ,フランス,イタリア,中国,これらの先進諸国は全て離婚後の共同親権制度を導入しており,離婚後も両方の親と積極的で頻繁な関わりを維持することが,子どもの最善の利益に適い,これを阻害することは子どもへの心理的虐待であり,基本的人権の侵害(ドイツでは特段の事情なく単独親権とすることは憲法違反との連邦最高裁判例がある。)である,という考え方を採用しています。
又,「親権」という親の権利的側面を強調した概念は廃止され,イギリスでは「親責任」,ドイツでは「親の配慮」という概念が採用され,前記のような考え方に沿った法整備がなされ,支援政策,プログラムも充実しています。
2 これらの先進諸外国でも,離婚後単独親権制度から共同親権制度に転換する際には,離婚後共同親権者間での協議が整わず,実質的な監護や教育方針等をめぐってより紛争が激化することが懸念されました。しかし,実際はそうならず,ドイツでは共同親権(配慮)が当然となったため親は自分たちの争いとは別個のものとして,子のことを真剣に考え,協議するようになり,離婚後の親と子ども,元夫婦間の関係の良化というプラスの変化をもたらしたことが報告されています。
3 わが国において,離婚後の単独親権を規定している民法819条は,1947年の制定以来60年を経た今日まで抜本的改正が一度もなされておらず,近年の社会状況に全く整合しないばかりか,国際的情勢からも非常に立ち遅れたものとなっています。このことはカナダ,アメリカから日本人母親による連れ去りを批判され,「国際的な子の奪取の民事面に関するハーグ条約」の批准を促されていることからも明らかです。
4 現在の調停・審判等の裁判実務において,離婚後,非監護親(主として父親)と子どもとの面接交渉は,ほぼ定着していると言えますが,残念ながら監護親(主として母親)が反対した場合,多くとも月1回程度と極めて限定的にしか認められず,子の福祉に資するには全く貧弱なものであると云わざるを得ません。更に審判での決定,調停での合意に実質的な強制力がないため,全く無視され,長期に渡って子どもに会えないという事例が多発し,明文化されていないため,弱い権利として簡単に裁判で否定されてしまうケースもあります。
5 多様な親子や家族のあり方が模索される中で,これ以上子どもが親同士の紛争の犠牲者となることは避けねばなりません。離婚は夫婦関係の清算であって,親子関係の断絶ではありません。私たちは離婚後も親子が安心して継続的関係を持てるよう,面接交渉の法制化を含め,民法819条及び関係各法を抜本的に改正し,共同親権(親責任)ないし共同監護が採用されることを求めます。
現在,多くの子どもと引き離されている親たちのグループが,各地で民法819条及び関係各法の改正を求めています。高松市でもこの問題を議論し,国に対して意見書を提出して下さい。
陳情事項
離婚後の子どもの福祉に資するため,面接交渉の法制化を含め,民法819条及び関係各法を抜本的に改正して共同親権ないし共同監護制度を採用すること,及び「国際的な子の奪取の民事面に関するハーグ条約」を早期に批准するよう国及び関係各機関に意見書を提出していただくよう陳情いたします。
高松市議会議長
菰渕将鷹 様
離婚後共同親権・共同監護の法制化を求める陳情
単独親権制度に反対する親の会
代表 早井真人
私たちは離婚によって実の子どもと暮らせなくなった親の会です。
1 現在日本では毎年,親権を行わなければならない子どもがいる夫婦が約17万組(2003年人口動態統計)も離婚していますが,わが国では,離婚後はどちらか一方の親だけが親権者となり,もう一方の親は法的には親ではなくなってしまう単独親権制度を採用しています。
しかし,この制度が離婚時に子どもの奪い合いを激化させ,子どもの連れ去り,親子の生き別れという悲劇を生んでいます。アメリカ,イギリス,ドイツ,フランス,イタリア,中国,これらの先進諸国は全て離婚後の共同親権制度を導入しており,離婚後も両方の親と積極的で頻繁な関わりを維持することが,子どもの最善の利益に適い,これを阻害することは子どもへの心理的虐待であり,基本的人権の侵害(ドイツでは特段の事情なく単独親権とすることは憲法違反との連邦最高裁判例がある。)である,という考え方を採用しています。
又,「親権」という親の権利的側面を強調した概念は廃止され,イギリスでは「親責任」,ドイツでは「親の配慮」という概念が採用され,前記のような考え方に沿った法整備がなされ,支援政策,プログラムも充実しています。
2 これらの先進諸外国でも,離婚後単独親権制度から共同親権制度に転換する際には,離婚後共同親権者間での協議が整わず,実質的な監護や教育方針等をめぐってより紛争が激化することが懸念されました。しかし,実際はそうならず,ドイツでは共同親権(配慮)が当然となったため親は自分たちの争いとは別個のものとして,子のことを真剣に考え,協議するようになり,離婚後の親と子ども,元夫婦間の関係の良化というプラスの変化をもたらしたことが報告されています。
3 わが国において,離婚後の単独親権を規定している民法819条は,1947年の制定以来60年を経た今日まで抜本的改正が一度もなされておらず,近年の社会状況に全く整合しないばかりか,国際的情勢からも非常に立ち遅れたものとなっています。このことはカナダ,アメリカから日本人母親による連れ去りを批判され,「国際的な子の奪取の民事面に関するハーグ条約」の批准を促されていることからも明らかです。
4 現在の調停・審判等の裁判実務において,離婚後,非監護親(主として父親)と子どもとの面接交渉は,ほぼ定着していると言えますが,残念ながら監護親(主として母親)が反対した場合,多くとも月1回程度と極めて限定的にしか認められず,子の福祉に資するには全く貧弱なものであると云わざるを得ません。更に審判での決定,調停での合意に実質的な強制力がないため,全く無視され,長期に渡って子どもに会えないという事例が多発し,明文化されていないため,弱い権利として簡単に裁判で否定されてしまうケースもあります。
5 多様な親子や家族のあり方が模索される中で,これ以上子どもが親同士の紛争の犠牲者となることは避けねばなりません。離婚は夫婦関係の清算であって,親子関係の断絶ではありません。私たちは離婚後も親子が安心して継続的関係を持てるよう,面接交渉の法制化を含め,民法819条及び関係各法を抜本的に改正し,共同親権(親責任)ないし共同監護が採用されることを求めます。
現在,多くの子どもと引き離されている親たちのグループが,各地で民法819条及び関係各法の改正を求めています。高松市でもこの問題を議論し,国に対して意見書を提出して下さい。
陳情事項
離婚後の子どもの福祉に資するため,面接交渉の法制化を含め,民法819条及び関係各法を抜本的に改正して共同親権ないし共同監護制度を採用すること,及び「国際的な子の奪取の民事面に関するハーグ条約」を早期に批准するよう国及び関係各機関に意見書を提出していただくよう陳情いたします。