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た・たむ!

言の葉探しに野に出かけたら
         空のあお葉を牛が食む食む

地平線

2005年08月20日 | Weblog
その地平線は光でできていた。

目もくらむほどの。

大地も 空も 透明の冷たく青い闇であった。

ただ地平線だけが。

遥かに、くっきりと、次なる時代のように眩しく。

───何事モ一見ヲ以ッテ信ジテハナラナイ。

私は目を凝らした。

光と思ったものは豚であった。

豚であった。

光る豚が長い隊列を成して行進していた。地平線は無数の豚であった。

「あの涯に」

先生は渋茶を啜った。「解決されない明治がある」

哄笑! 哄笑! 私は哄笑し、ちぎれるほどに下唇を噛んだ。

誤解していたのだ。ずっと。私は。

箸の持ち方さえ覚えれば
何でも食べられるのだと
誤解していたあの頃のように。

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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (とおりすがりのダイアログ)
2005-08-21 12:28:56






そうか豚、光る豚だったんだ・・・。脱力した。哄笑するほかないわな。



われわれは無力だね。真実を見誤らなければならないほど狭量で卑屈、そしてそれを証左にして決定的に無力なんだ。糞みたいにね(まったくもって糞に失礼だけど)。



---

とても面白い試みだと思ったよ。

ただ、

> ───何事モ一見ヲ以ッテ信ジテハナラナイ。

> 「解決されない明治がある」

> ちぎれるほどに下唇を噛んだ。

が、カタルシスへの最後の一押しを阻んでしまっているような気がする。単に好みの問題かな。貴兄はそれを狙ってないのかな。

返信する
とおりすがりのダイアログさんへ (overthejigen)
2005-08-22 20:12:11
光る豚五匹ありがとうございます。



「カタルシスへの最後の一押しを阻む」表現とのご指摘、なるほどそうかも知れません。私が何を狙っていたか、そこが問題です。容易に解決しそうにありません。



私は光る豚の中の一匹なのでしょうか。



ほんとうに、私は何を狙っていたのでしょうか。
返信する

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