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朝鮮人参卵

2005年03月25日 | 食べ物
 一見おでんにあるような普通のゆで卵。割ると黄身まで変色している。朝鮮人参に漬けたものか。

 小さな中華料理屋で食べた。小さな中華料理屋にそんな珍奇な食べ物があるとは、どうせラーメンと餃子とチャーハンくらいだろうと高をくくっていたので、しかも百円という珍味を食するには思いがけない安さであるので、私は喜び勇んで注文して食べた。定食を食べ終わる頃にその珍なる一品の存在に気づいたので、わざわざご飯を一口分だけ残して、追加注文して食べた。
 まあそうこうして朝鮮人参卵とやらを食べたわけだが、一口噛むと、ああ、腐っている、と直観した。しかし我慢して二口三口噛むうちに、私は自分の直観を打ち消した。これは腐っているのではない。そのような風味がしただけなのである。
 世の中には不思議な食べ物がゴマンとあるもので、かびたチーズも正にそうだが、かびの臭いがしても美味しかったりする。この朝鮮人参卵も然り、腐った味が最初に口を襲ったが、よくよく噛むと美味であった。なにかだんだんとても美味しい気がしてきた。癖になりそうな予感がした。私の味覚がおかしいのか、その小さな中華料理屋がおかしいのか、あるいは何もおかしなことはないのか、いずれかであろう。

 この記事は、以前、「にんにく卵」と間違えて表記して掲載した。どうして朝鮮人参とにんにくを間違えたかわからない。第一、臭いが全然違うではないか。私の思うに(思っている前に早く謝罪すべきである。ごめんなさい)、どうしてこのような勘違いが起こったかと言うと、その大きな原因はやはり、昨今巷を賑わす「にんにく卵黄」の存在にあるであろう。
 しかし何よりも原因は、無論、私の粗忽に尽きるのであり、重ねてごめんなさい。
コメント
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