都立高専交流委員会ブログ

都立高専と城南地域の中小企業(特に製造業)との交流・連係を図り、相互の利益と地域社会・地域経済の発展を目指します。

10月10日 「中小企業家経営塾」 特別講義 by 西村尚 元校長

2008年10月05日 | Weblog
 
   ☆★☆☆ 都立高専交流委員会よりのお知らせ  2008.10. 6 ☆☆★☆ 
 
 
          10月10日(金)10時25分より 都立高専にて
 
    「中小企業家経営塾」 特別講義 by 西村尚氏(都立高専元校長)
 
        こ れ か ら の 産 業 社 会 と 人 材 育 成 の 課 題
          ~ ~ 社 会 人 基 礎 力 の 観 点 か ら ~ ~
 
本年度の講義を始めるにあたって ~~ 企業は高専卒業生に何を期待しているか
 
 
■ 日時 10月10日(金) 10時25分~12時05分(3~4時限)
■ 場所 都立産技高専 品川キャンパス 4階 合同講義室  (変更になりました)
       
http://www.metro-cit.ac.jp/general/map_sina.html
■ 講師 西村 尚 氏 (都立高専元校長)
 
■ 参加申込み 下記へご連絡の上、直接、会場へお出かけ下さい。
      
uchida@keihin-kogyo.co.jp  (京浜工業所 内田由美子)
 
 講師の 西村尚 氏は、「中小企業家経営塾」の立ち上げに尽力していただいた
 当時の都立高専の校長先生(前々校長)。
 
 各地域や企業との産学連携にも、多く、関与されています。      
  
http://seeds.tmit.ac.jp/kyoin/0017.html
 
 本年の春頃、大田区産業プラザで偶然お会いした際
 「中小企業家経営塾」の冒頭で、問題提起をしたいという西村氏のリクエストがあり
 今回の講義が実現したものです。
 
 講義の課題は、産業社会を支える「社会人基礎力」。
 
 これからの産業社会、企業経営と人材育成のあり方を結びつける
 普遍的な内容となっていますので、
 多くの方にご参加いただきたく、ご案内させていただきます。
 
 社会人基礎力とは、
 
  (指示待ち人間ではなく)「前に一歩踏みだす力」
  (マニュアル人間ではなく)「考え抜く力」
  (一匹おおかみではなく)「チ-ムで働く力」
 
 本来、産学連携による教育改革の課題として進められてきたものです。
 
 けれども、
 社会人である私たち自身が、
 まず、手にしなければならない能力であるようです。
 
 企業の人材育成だけではなく、経営者のマネ-ジメントに欠かせない基盤能力です。
 
 支部改革が一時の挫折をした私たちの組織運営を
 本来のあり方に戻すためにも、欠かせない観点だと思います。
 
 西村先生には、
 
 「学生用の資料」と「企業経営者用の資料」の二つを用意し、
 多面的な講義をしていただくことになりましたので、
 多くの皆様にご参加いただきたく、ご案内申し上げます。
 
 午後よりは、専攻科のインタ-ンシップ報告会となりますので、
 合わせて、ご参加いただけば幸いです。
 
 
 【社会人基礎力について】  
   
   
http://www.bk1.jp/product/02733343
   http://www.bk1.jp/product/02709340
   http://www.bk1.jp/product/02694780
   http://www.bk1.jp/product/02969152
   http://www.meti.go.jp/policy/kisoryoku/index.htm
 
 
 都立高専が主催する
 「専攻科 インタ-ンシップ 報告会」を合わせてご案内させていただきます。
 
 
 
       都立高専 専攻科 インタ-ンシップ 報告会
 
■ 日時 10月10日(金) 13時00分~15時30分  
■ 場所 都立産技高専 品川キャンパス 西棟3F 情報センタ-講義室  
      
http://www.metro-cit.ac.jp/general/map_sina.html
 
 専攻科(大学3~4年相当)の 夏季インタ-ンシップ 実施報告会です。
 専攻科のインタ-ンシップの本来の目的は、卒業研究の課題発見となっています。
 昨年の「報告会」では、
 企業と高専教授の共同研究と学生のインタ-ンシップをリンクさせる試みも報告されておりました。
  
   

中小企業家経営塾 第1回 学生海外派遣 の ご報告

2008年10月05日 | Weblog
 
    中小企業家経営塾 第1回 学生海外派遣 の ご報告
 
 
 多くの皆様のご支援の下に実現した 中小企業家経営塾 第1回 学生海外派遣
 
 「学生海外派遣基金」にご支援いだきました皆様
 事前学習のプログラムを作成していただいた 遠山先生
 お忙しい中、現地への引率、同行をしていただいた 遠山先生、中西先生
 快く、2名の学生を受け入れ
 万全の受け入れ態勢を整えていただいたパンチ工業㈱と大連工場の皆様
 その他、多くの皆様のご協力により、
 大変、充実したものになりました。
 
 以下に、概要をご報告させていただきます。
 
 
【 目 的 】
 
 ・ グロ-バル課化する日本と企業のものづくりを理解させる。  
 ・ 日本企業の海外経営の現場を知り、現地従業員とともに就業体験する。
 ・ 現地大手企業、現地資本企業、工学系教育機関を見学して実情を知る。
 ・ 中国の文化・歴史を学習し、日本文化についても深く学ぶ。
 ・ ビジネスマナ-や簡単な中国語を学習し、国際感覚・コミュニケ-ション能力を伸ばす。
 
 
【 派 遣 学 生 】
  
  平成19年度の「中小企業家経営塾」で、成績優秀の2名 
  S君(機械工学科4年)、I君(電子情報工学科4年)
 
 
【 期 間  ・  受 入 先 】
 
  平成20年8月31日 ~ 平成20年9月7日
  盤起工業(大連)有限公司 (パンチ工業㈱大連工場) 
 
 
【 事 前 学 習 】
 
  ミニゼミ(岩波新書などによる 歴史 経済 社会 産業 文化 満州 大連など)
  入門学習書による中国語語学学習
  同友会会員企業による事前レクチャ-(2回実施)
 
 
【 現 地 ス ケ ジ ュ - ル 】 
  
  8月31日(日) 現地到着
  9月 2日(月) インタ-ンシップ 盤起工業(大連)有限公司  従業員宿舎に宿泊
  9月 3日(火) インタ-ンシップ 盤起工業(大連)有限公司 と 関連企業  従業員宿舎に宿泊
  9月 4日(水) インタ-ンシップ 盤起工業(瓦房店)有限公司  従業員宿舎に宿泊
  9月 5日(木) 大連開発区企業見学 日系、現地系金型企業など4社 
  9月 6日(金) 歴史・文化・商業施設の見学 
  9月 7日(土) 自由行動日
  9月 8日(日) 現地発
 
 
【 報 告 会 】
 
 ■ 日時 11月2日(日) 11時00分~
 ■ 場所 都立産技高専 西棟2F 地域交流室・展示コ-ナ-
         
http://www.pio-ota.jp/plaza/map.html
 
  海外学習の機会を与えられた2名の学生と遠山研究室による報告会です。
  11月1日(土)~2日(日)は、高専祭(文化祭)になります。
  合わせて、ご見学いただけば幸いです。
 
 
 (以上は、遠山恭司准教授のレジメなどによるものです。)
 
 
 現地での実施状況については、 
 大田支部のメ-リングリストに配信した報告を転送させていただきます。
  
 
 
       
中小企業家経営塾 学生海外派遣 のご報告 No.4
 
 
 都立高専 中小企業家経営塾 の 学生海外派遣
 (パンチ工業 中国 大連工場他)

 8月31日から9月7日までの日程が、大過なく終了し、
 昨日、学生2名と「引率」の遠山先生、中西先生が帰国されました。
 
 4名の方々を成田まで出向かいに伺いました。
 
 現地では、
 盤起(パンチ)工業 大連 有限公司 の皆様の、
 考え抜かれた研修プログラムやサポ-ト体制により
 学生の皆さんばかりではなく、
 引率の先生方も、大変、充実した時間を過ごされたようです。
 
 空港や帰りの電車の中でお聞きたお話しを、
 「ご報告 No.4」 として、ご紹介させていただきます。
 
 
    
パンチ工業の戦略工場 盤起(大連)有限公司
 
 
 盤起(パンチ)工業 大連 有限公司 は、従業員約1千名
 金型部品を製造するパンチ工業にあって
 現地の日系企業の需要に応えるだけではなく、
 
 日本本社や
 中国の無錫、東莞(広東省)工場に、 
 中間品、標準部品を供給する戦略工場です。
 
 
    
ものづくりの一連の工程を就業体験
 
 
 3つの工場でのインタ-ンシップ(3日間)と
 大連開発区での金型メ-カ-4社の見学
 大連市内見学が一連のスケジュ-ルとなりましたが。
 
 パンチ工業の工場で生産された金型部品が、
 どのように、金型メ-カ-で製造工程に組み込まれていくのか?
 学生が、就業体験を通して理解していくプログラムが作られていたようです。
 
 生産拠点の地方や海外への移転が続いてきた首都圏の高専にとっては、
 このような体験学習の機会自体が貴重なものであった …… と、
 引率の中西先生が話されていました。
 
 
    
瓦房店工場 …… 中国最大のベアリング産業の集積地にて
 
  
 大連開発区の二工場で就業体験をした2日間に続いて
 3日目に訪れた大連市郊外の瓦房店(がぼうでん)は、
 中国におけるベアリング産業発祥の地。
 中国トップのベアリングメ-カ-・瓦房店軸承集団有限責任公司 他
 多くの関連企業が立地し、
 これを支える技術学校、技術(技能)者教育が整備されてきたところです。
 
 大連に続いて、この地に第二工場を設けたパンチ工業の
 適切な進出戦略が覗えるとのことでした。
 
 
    
日本人スタッフはゼロ …… 現地化する日系金型工場
 
 
 3日間のインタ-ンシップを踏まえた
 翌日の企業訪問で最初に訪れたのが、
 大連開発区の従業員70名余りの日系金型メ-カ-
 
 ところが、平成8年に設立されたこの現地法人には
 すでに、日本スタッフがおりません。
 
 日本企業の教育を受けた 中国人 総経理が、
 中国人だけで「日本のものづくり」や
 経営情報を従業員に開示する「硝子張り経営」を実践しています。
 
 この会社には
 中国の全国重点大学の一つであり、   
 地域のトップ技術者養成校である 大連理工大学 の 博士号取得者 が入社し
 技術のレベルアップにも余念がありません。
 
 最近は、
 不況で仕事量が減っている本社に、現地から仕事を廻しているとのこと。
 
 前日には、
 東大の 藤本隆宏 教授も訪問していたとのことで
  
http://www.bk1.jp/product/02766896
  http://www.bk1.jp/product/02455812
 海外に、日本のものづくり経営が定着していくモデルケ-スを見るようです。
 
 
    学生は、中国人ワ-カ-の宿舎に宿泊
 
 
 最初のインタ-シップの3日間、
 従業員宿舎に宿泊した2名の学生は
 
 味付けの濃い従業員食堂のメニュ-にビックリしたり
 ク-ラ-のない宿舎で蚊に刺されたり、
 即席の語学学習の成果を試して、中国人スタッフとの会話を試みたり
 
 就業終了と共に、工場から町に繰りだしてくる
 中国青年のエネルギ-に驚いたり(高度成長期の日本を想像したり)と
 
 他では得られない経験をすることができたようです。 
 
 
    都立高専の卒業生が自販機メ-カ-の販売部門を立ち上げ
 
 
 大連に進出している自動販売機の製造メ-カ-では
 この地を製造拠点とするだけではなく
 中国現地での自動販売機のマ-ケッティングを始めており
 
 この販売会社のトップを、
 まだ、30代の都立高専卒業生が務めています。
 
 先生方は、この卒業生の訪問などにも、時間を使われていたようです。
 
     
    中国経済で独自の地位を占める大連
 
 
 広東省や上海の経済が、大きな曲がり角を迎える中
 大連では、不動産価格も維持され
 インテルの前工程工場の進出が決定
 2012年ごろには完全稼働し、1万人が働く予定だとのことです。
 
 中国では、最も早い段階から対外開放を進めた大連
 上海や広東省のような爆発的な経済拡大が無かった分
 高付加価値部門の産業集積が進められているようです。
 市街も落ち着いた雰囲気が維持されており、
 今後のこの地域のあり方に期待が寄せられます。
 
 
    次の世代に社会に出ていく上で糧となる「何ものか」を
   
 
 今回が初めての試みとなった「中小企業家経営塾・学生海外派遣」
 パンチ工業本社と大連現地スタッフの皆様の絶大なるご支援により
 大変、有意義なプログラムとなりました。
 
 来年度には、就職を迎える学生のS君とI君、
 「勉強になった!」と言っていただきましたが
 社会に出ていく上で、
 糧となる「何ものか」をつかんでいただけたのではないでしょうか?
  
 
    学習と研究の舞台装置のグロ-バル化を!
 
 
 ものづくりの工程分業 や サプライチェ-ン が
 国境を超えて展開される21世紀、
 
 学生の皆さんには、
 このことを実感していただくとともに、
 アジアのキャッチアップや技術集積を背景に
 我が国が果すべき役割について考える機会としていただけばと思います。
 
 遠山先生よりは、
 今回は、大連経済開発区の全容が理解できなかったことが残念
 これが結び
つけば、大変よい研究課題となる …… と
 ご感想をいただきました。
 
 
    昨年以来のご支援、大変、有難うございました。
 
 
 昨年来のご協力、ご支援をいただいた支部の皆様、内外の経営者の皆様
 学生受け入れを快諾していただき、
 素晴らしいプログラムをご用意いただいた本社と大連パンチ工業の皆様
 多忙の中、一週間以上にわたる学生引率をお引き受けいただいた中西先生、遠山先生
 海外派遣実現のプロセスで、サポ-トいただきました全ての皆様、
 
 大変、有難うございます。
 漸く、最初の試みを結実させることができました。
 
 今回の学生海外派遣の報告会は
 11月初の「高専祭」において開催させていただく予定です。
 改めて、ご案内を差し上げますので、
 その際は、ご参加いただけば幸いです。
  
 学生に海外学習の機会を与える試みにつきましては
 学校改革の進捗と共に、
 新しい位置づけを与えられて行くことにもなろうかとも思います。
 
 今後とも、ご高配を賜りますようお願い申し上げます。