オムイ外伝 第六部(驚天動地篇) 第4話 |
抜け忍オムイは、この日、恐ろしい術を用意していた。 | |
唇に、毒を塗ったのである……。 | |
そして、何気なく敵に近付き、油断させ、接吻する。 すると一瞬にして、敵の体に毒が回る! というわけなのだ……。 |
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ところが偶然にも、追忍も全く同じ術を用意していたのである……! | |
すたすた | |
すたすた | |
「……」 「……」 |
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ちゅっ | |
「ぐはッ!?」 | |
「ぐはあ~ッ!?」 | |
ガクッ | |
ガクッ | |
し~ん |
前日に引き続き、おかか先生の目の具合はあまり良くない。
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だが、このところ、比較的容易に(首筋を掴まなくても)投薬ができるようになった。 | |
投薬の前に、指や布を使って、なるべく綺麗にしてやる。 以前は、先生がイヤがるので、不可能だったことである。 |
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拭ってもらう気持良さを、覚えてくれたのかもしれない。 07月06日現在、だいぶ良くなっている。 |
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つーちゃんである。ひさしぶり。 (個体同定にいまひとつ自信がなかったので、ボラさんに写真の確認をお願いしたところ、やはりつーちゃんであるとのお返事を頂戴した。) |
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相変わらず、愛嬌のある丸顔だが…… | |
ヨダレを垂らしている。 どうも体調がすぐれないようだ……。 |
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「おむさん、目の具合はどう?」 | |
「もう大丈夫だよ」 | |
「ほら、綺麗でしょ」 | |
「まだちょっと、涙がにじんだりするけど……」
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「う~ん、あと一息だね!」 | |
「じゃあ、おむさんのために、四つ葉のクローバーを探してあげる」 | |
「見付けた! 目が完治しますように!」 | |
「えっ、これ、僕にくれるの?」 | |
「ありがとう。ゆうちゃんは優しい子だね~」 | |
「……」 ← うらやましい |
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「お、おい、ゆうちゃん! 私だって目がアレなんだぞ」
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「え?」 | |
「私にも四つ葉のクローバーを探してくれよ!」 | |
「先生には、もっといいものあげる」 | |
「えっ!? もっといいもの?」 | |
「はいこれ! 眼軟膏!」 | |
がくっ | |
「早く良くなるといいね~」 | |
「薬は苦手なんだけどなぁ……」 |
名探偵ホおむズ 事件簿026 |
ホおむズの宿敵、怪盗ルパン。 ルパンは、形のないものを盗む天才である。 |
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ルパンはこの日、なんと、ホおむズの「心」を盗んだのだった。 「ふっふっふ……」 |
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「ああ……苦しい……」 | |
「おい、どうした!?」 | |
「ルパンに心を奪われてしまった……」 | |
「心を奪われた!? つ、つまり、恋をしてしまったと?」 | |
「そういうことだ……」 | |
「寝ても覚めても……ルパンのことばかり考えてしまう……」 | |
「なんてこった……」 | |
「ふっふっふ。名探偵も形無しだな!」 | |
「まるで腑抜けじゃないか! ふふふふふ!」 | |
「あっ、あなたは愛しのルパン様!」 | |
「ルパン様! あなたを抱き締めたいっ!」 「えっ、あっ? ちょ、ちょっと待て!」 |
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「好きだああ!」 がばっ 「うわあああ!」 |
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「ルパン様! 愛しています!」 「や、やめんか、おい」 |
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「あっ、いかないでルパン様~」 「わわ~っ」 |
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「ほほう? なんとなく、ルパンに勝ったようだな……」 | |
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