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「ねえ、おかか先生」 |
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「何だい?」 |
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「水玉って、きれいだね」 |
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「ほら、これ見てよ」 |
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「僕、葉っぱの上の水玉が、大好きなんだ」 |
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「うむ。確かに美しいな」 |
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「だが、ゆうちゃんのお目々は、もっと綺麗だぞ」 |
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「え? 僕の目? そんなにきれい?」 |
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二人のそんな会話を、おむさんはじっと聞いていた。 |
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おかか先生はこのところ、目の具合が良くない。 |
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だから、薬入りのフードを食べたりしている。 |
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そんなおかか先生だから、 |
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ゆうちゃんの美しい瞳が、うらやましいのだろう。 |
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おむさんは、先生の気持がわかるような気がした。 |
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けれど、口に出しては言わなかった ―― 。 |
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