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おむさんの匂いが染みついているリュック。
ミーコさんはしばらく前から、これに対して、ひとかたならぬ興味を抱いていた。 |
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そしてこの日 ―― ミーコさんはなんと、 |
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このリュックに、おしっこをかけた。 |
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数時間後 ―― いつものようにこれに乗ろうとしたおむさんは一驚を喫し、 |
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急遽、乗るのを中止して、念入りに匂いを嗅ぐ。 |
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ものすごく気になるらしい。 |
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この表情 ―― いわゆるフレーメン反応であろうが、 |
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お気に入りのリュックに「イヤな臭い」を付けられて、怒っているのだろうか? それとも、「えもいわれぬ芳香」に感動しているのだろうか? |
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……やがて彼は、納得したのか、それとも諦めたのか、はたまた満足したのか、 |
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ともかく、静かに、リュックに乗った……。 |
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悲しそうにも見えるし、 |
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嬉しくてたまらず、ニコニコしている ―― ようにも見える。 |