雑草に寄す

2010年06月09日 17時44分52秒 | B地点 おかか

 

 

「今日は、草刈りが行われたのだ」

「昨日までは、こんなに草があった」


※このコマのみ、前日の撮影

「同じ場所が、ほら、今日は、こうなってしまった」
「クローバーも犠牲になった。中には、四つ葉もあったことだろう……」
「無論、草刈りは必要だし、大切だ」
「だが、やはり、悲しくなるのだよ……」

そう。

おかか先生は、名も無い雑草たちを、こよなく愛しているのだ。

だから、草刈りの時はいつも、切ない気持になってしまうのである……。
おかか先生は、リュックに乗った。

おむさんの隣に。

体を、すり寄せるようにして。
おむさんは、「窮屈だなあ」と思ったけれど、口に出しては言わなかった。
おかか先生の、淋しい気持が、よく解っていたから。

おかか先生は、おむさんの隣で、さめざめと泣いていた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


名も無き草の命

2010年06月09日 16時40分53秒 | B地点 おかか

 

オムイ外伝 第三部(武芸帳篇) 第63話



追忍は、今日も悩んでいた。

「う~む……」
「オムイに勝つには、どうしたらいいものか……」
「……むッ? そういえば、ここには草が多いな」
「よしッ! 変身の術を使って、草に化けよう!」
「オムイもそこまでは気付くまい! はッはッはー!」
 というわけで追忍は、名も無き雑草に化けて、オムイを待ち伏せた。
ところが ―― 折悪しく草刈りの日だったので、ばっさり刈り取られてしまった。

「ぐはあーーーッ!?」
ガクッ