![]() |
「ねえねえ、おかか先生」 |
![]() |
「何だね?」 |
![]() |
「また四つ葉のクローバーを見付けましたよ」 |
![]() |
「ほほう!? またか!」 |
![]() |
「どうも、この辺には多いようだなあ」 |
![]() |
「何か特別な理由でもあるのかな?」 |
![]() |
「さあ? 僕には判りませんけど……」 |
![]() | |
![]() |
「……おや、雨だ」 |
![]() |
「かなりの降りになってきたぞ」 |
![]() |
「ま、こうして橋の下にいれば大丈夫」 |
![]() |
「だが……寒くなってきた。梅雨寒というやつか」 |
![]() |
「こっちに来て、毛布にお乗んなさい」 |
![]() |
「そ、そうか? いいのか?」 |
![]() |
「お前の毛布だから、一応、遠慮してたんだよ」
|
![]() |
「遠慮はいりません。どんどん乗って下さい」 「そうか。すまんな」 |
![]() |
「よっこらしょっと」 |
![]() |
「うむ。快適だ」 |
![]() |
仲良く毛布に乗った、おむさんとおかか先生。 |
![]() |
ちょっと寒い梅雨空の下でも、心地よく過ごせるだろう。 |
![]() |
その時、ふたりの腰の間に、四つ葉のクローバーが、にょろっと生えてきた。 |
![]() |
おむさんもおかか先生も、気付かなかったけれど ―― |
![]() |
どうやら、「温かい心」のある場所に、四つ葉が生えるらしい。 |
![]() |