あなたはどちらが好きですか

2010年06月26日 17時30分05秒 | B地点 おむ

 

おかか先生が見付けた

四つ葉のクローバー
形も整っていて理想的だし

大きさも見事だ
四つ葉のクローバーの中でも

きっと優等生なんだろう
でも僕は

劣等生の方に心を惹かれる
全体の形もいびつで

肝心の四枚目が小さくて曲がってる
それが何となくいじらしい

そこが何だか愛おしい
僕が好きなのは

悲しい四つ葉のクローバー
そんな風に考える僕は

ちょっと変かな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


四つ葉を育む場所

2010年06月26日 16時54分57秒 | B地点 おむ

 

 

「ねえねえ、おかか先生」
「何だね?」
「また四つ葉のクローバーを見付けましたよ」
「ほほう!? またか!」
「どうも、この辺には多いようだなあ」
「何か特別な理由でもあるのかな?」
「さあ? 僕には判りませんけど……」
「……おや、雨だ」
「かなりの降りになってきたぞ」
「ま、こうして橋の下にいれば大丈夫」
「だが……寒くなってきた。梅雨寒というやつか」
「こっちに来て、毛布にお乗んなさい」
「そ、そうか? いいのか?」

「お前の毛布だから、一応、遠慮してたんだよ」


※参照、となりの芝生

「遠慮はいりません。どんどん乗って下さい」

「そうか。すまんな」
「よっこらしょっと」

「うむ。快適だ」

「これでもう、寒くないでしょ?」

仲良く毛布に乗った、おむさんとおかか先生。
ちょっと寒い梅雨空の下でも、心地よく過ごせるだろう。
その時、ふたりの腰の間に、四つ葉のクローバーが、にょろっと生えてきた。
おむさんもおかか先生も、気付かなかったけれど ――
どうやら、「温かい心」のある場所に、四つ葉が生えるらしい。