銀河鉄道の午後

2009年07月15日 18時50分00秒 | B地点 おかか

 

 

うとうと眠っていたら、
誰かに起こされた。
「お客さん。終点ですよ」
「えっ? 終点? あ、あんた誰?」
「車掌です。この列車は回送になりますから、ご乗車になれません」
「車掌さん? これ、あんたの手?」
「猫の手って、こういうんじゃないの?」
「いえ、これが私の手です」

「……そ、そう? 何だか変だな」
「で、終点って? ここどこ?」
「人生の終着駅です」
「ええっ!?」
「あなたの人生は、ここで終わりです」
「マジで~!?」
「大丈夫。切符があれば乗り換えられます」
「……切符? あ、持ってる! 持ってるよ!」
「え~と、どこだっけな~?」
「……ない。なくしちゃった!」
「では一緒に探してあげましょう」
「きっとこのあたりです」
「いや~、お手数をかけるね~」
「ありました」
「カラスの羽根です」
「これがあなたの切符でしょう」
「ああ、そうだった! それだよ!」
「では一緒に乗り換えましょう」

「あ、一緒に来てくれるの? すまんね」
「いや~、助かったなあ」
「……はっ!?」
「な、何だ。夢か……」
「う~ん。変な夢だったなあ」

「どんな夢でした?」
「カラスの羽根のお陰で助かる夢さ」

「そこにあるじゃないですか」
「……え? ……じゃあ、まだ夢の中かな?」

「先生、現実もしょせん夢なんですよ……」