釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

経済制裁が意味することを知らない人たち

2022-03-29 19:19:37 | 社会
NHKの「日本国内のワクチン接種状況」によると、1回目接種は80.8%、2回目接種が79.4%、3回目接種が39.0%となっている。3回目接種は昨年12月1日から始まっている。昨日の読売新聞オンラインは「2回で大丈夫」副反応懸念で様子見多く…3回目「職域接種」低調、前回の25%」を報じている。24日の朝日新聞DIGITALでは「ワクチン4回目、5月にも開始検討 公費で接種実施の方針 厚労省」で、「同省幹部によると、イスラエルの例にならって接種間隔を5カ月とし、早ければ5月から始めることも検討している。」と伝えた。しかし、厚生労働省は接種間隔だけをイスラエルにならっており、4回接種後のイスラエルの感染がどうなったかは全く考慮していない。3回目をすでに終え、4回目に入った後に過去のピークの7.4倍ものピークとなる感染の波を迎えた。しかも、その後、その過去最多のピークの7%まで減少した後、再び感染拡大に転じ、現在も拡大を続けている。ワクチン接種が自然免疫を損ない、武漢株抗原のワクチンを何度も接種することで、抗原原罪が働き、変異株には無効の抗体だけを生み出すと言う確かな研究通り、ワクチン接種率の高い国・地域ほど感染は過去以上に拡大している。接種直後の副作用の強さもあって、さすがの日本でも3回目の接種は政府の想定通りには進んでないようだ。接種回数や接種者の割合が少ないほど感染は抑えられる。感染にもはや意味をなさないワクチンはただ人の免疫システムや細胞のDNAを害するだけである。ワクチンとしては異常な数の後遺症や死を伴っているにもかかわらず、政府も医療機関もワクチンによる後遺症や死とは認めない。主要メディアもワクチンの有効性には疑義を挟まず、ひたすら接種を推進する。日本経済新聞、日経世論調査アーカイブの支持率を追う、「ロシアへの経済制裁」を見ると、「制裁は適切だ44 %、制裁をさらに強めるべきだ41 %」とあり、制裁を支持するが85%を占める。ワクチン接種率も2回まではほぼ8割だ。いかに日本人がメディアの情報に従うかが伺える。今月22日に報じられたロイター/イプソスによる最新の米世論調査では、「バイデン大統領の支持率が40%と就任後最低を更新した」。「54%の人がバイデン氏の職務に不満を抱いていることが分かった。」、「世論調査では、回答者が経済を最大の関心事とし、次いで戦争や外国との紛争を挙げた。」。同じく日本経済新聞の27日の記事、「ウクライナ対応「評価」67% 内閣支持率61%に上昇 本社世論調査」が伝えたように、日本ではむしろ政治リーダーの支持率は上昇した。米国は8%のインフレで国民は生活が苦しくなっており、ロシアへの制裁で、物価はさらに上昇している。国民にとって生活が追い込まれているため、経済制裁を歓迎していない。インフレ率がまだ米国ほどではない日本は、経済制裁が自分の生活と結びついていると言う自覚がない。しかし、現在、日本の通貨はドルに対して8%も低下している。経済制裁を受けたロシアの通貨ルーブルは10%の低下だ。アジアや欧州の主要通貨は低下しておらず、制裁を受けていない国では日本だけが突出して通貨の低下が起きている。中国の人民元に対してすら低下しているのだ。通貨が下がると言うことは、輸入品が高くなることを意味する。石油などのエネルギー製品はじめ食料などの生活必需品がこれから高くなって行く。何故、日本円が低下しているのか。欧米はインフレが進み、それを抑えるために中央銀行が金利を引き上げている。しかし、日本だけがむしろ必死に金利上昇を抑え込んでいる。今日のNHKは「日銀初 きょうから3日間「連続指値オペ」 国債無制限買い入れ」と報じている。国債の金利=利回りを上げないように、日本銀行が国債を高値で買い入れることで、金利の上昇を防いでいるのだ。米国や欧州は国民生活を考えインフレを抑えようと金利を上げている時に、日本の中央銀行は逆に金利を上げないように抑え込んでいる。日本銀行は国民生活のインフレよりも政府債務の国債価格の低下を恐れている。日本銀行が国債価格を維持しようとしても、世界での円と言う通貨の低下は防げない。国際間での通貨はその国の金利に左右される。世界の資金は金利の高い方へ流れる。資金が流れて来る国の通貨は買われて上がり、資金が出て行く国の通貨は売られて下がる。まさに今は日本から資金が金利の高い欧米へ流れ出している。しかし、今は、もう円と言う通貨やドルと言う通貨の問題ではなくなって来た。経済制裁が続けば、世界的なインフレは確実に高じて行く。資源や生産物の価値が高まり、通貨や債券の価値が下がって行く。紙幣より物の価値が上がる。資源や生産物には限りがあり、それを必要とする人が多過ぎる状態が現在だ。インフレではどんな通貨も価値が低下する。通貨に代わって価値の低下がない金が今後ますます浮上して来るだろう。ロシアは自国通貨ルーブルでの取引を断られても金で取引する準備が出来ている。すでに数年前からロシアや中国は密かに金を溜め込んでおり、経済制裁も想定していたと思われる。日本は戦後、米国一辺倒で来たが、その米国は決して日本のためにあるのではない。米国は米国のためにあり、米国にとっての日本は、あくまでも米国のための日本でしかない。戦後、高度経済成長を経て、日本が米国を超える経済大国にならんとした時、米国は決してそれを許さなかった。1985年、プラザ合意を飲まされた日本は、円の切り上げで、得た富を一気に失い、さらに新自由主義の蔓延で、その後の失われた30年に落ち込み、二度と浮上出来ない状態になってしまった。気付けば、国内の巨大企業には米国資本が深く入り込み、「日本企業」は名ばかりとなっている。円安は海外、特に米国に日本を売ると言うことだ。米国資本が入った日本企業では、かっての日本の優秀な技術が葬られ、目先の利益優先の安易な経営が重視されるようになり、企業競争力を失って行くばかりだ。85%が支持する経済制裁が、やがてその支持する人たちが自らが生活をインフレに追い込んでいることに気付く頃には遅すぎるのだ。防衛とは軍事だけではないだろう。経済生活そのものが破壊されれば、軍備には何の意味もない。経済敗戦もまた敗戦には違いないのだ。米国により日本は1985年に第一段階の経済敗戦に追い込まれ、今また米国による経済連合軍として第2の経済敗戦に追い込まれて行く。今回の敗戦はさらに徹底的なものになる。誰もその現実を見ようとしないのが不思議だ。ただ、今回ばかりは、仕掛けた米国自身も欧州諸共経済戦争に敗れることになる。日本は、資源のない国が大それたことをやれば悲惨な目に遭うことを太平洋戦争で学んだはずなのだが。
八幡宮横の福寿草