釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

久しぶりに晴れの日がつづく

2008-09-10 09:49:02 | 自然
もう久しく晴れの日が続くことがなかったがここにきて晴れた日が2日続いてくれた。今日はまさに清々しい秋晴れの天気。朝8時前の外気温が16度だった。夜はコオロギやスズムシが鳴き、日中はもうヒグラシの声は聞こえず、ミンミンゼミに変わってしまった。ススキの穂をあちこちで見かけるようになった。木の実が出て来たのでリスだけでなく熊も出るようになったわけだ。ある人が住んでいるところは住宅街だけれども道を1本隔てると山が迫っていて近くに広い畑もあり、その畑に柿の木だかがありその時期になると毎晩熊が出てくるそうだ。家の中にいても熊の鼻息が聞こえてくるという。わずか50mほどしか離れていない子供の塾に毎回自動車で送って行くらしい。これはこれで大変だ。また他の人の実家がずっと山の中にあり、道沿いに民家が少しずつ並んでいるらしいが夜実家へ帰ったとき道路沿いのガードレールに沿って熊が歩いていてわずかの時間だが熊と車が並行して走ったそうだ。もちろんとても怖かったそうだ。たぬきも出るそうだが熊とはさすがに比較にならない。これも自然の豊かさの代償だろうが熊だけは直接出会いたくはない。


今朝の釜石湾の夜明け

野生の熊を見た

2008-09-09 07:15:43 | 自然
昨日は9時頃から晴れて来て今朝も晴れ。清々しい。もう秋の空気だ。昨日夕方近く職場の駐車場から30m位の距離にある山の傾斜のクルミの木に熊が登っているのを見た。職場の人が知らせてくれて大勢が見に来ていた。よく見ると子熊で、首に白い筋がある。月の輪熊の子供だ。10m位離れた茂みで木の枝の折れる音がしているので親が近くにいるようだ。この春家から700~800m離れたところに熊が出て、撃ち殺されたが、その後その熊の肉を偶然食べた。熊の肉だと言われなければ分からなかっただろう。全く癖がない。しかしこのことが思い出されて目の前の熊親子も殺されるのかと思うとさすがに可哀想になる。そばにいる人に話すと、暗くなるから追いかけて撃つのは今日は難しいだろうとのことだが一方ですぐ近くに小学校もあり、放置する訳にもいかないようだ。北海道のヒグマは大きくいくつか人が殺された事件が過去にあって小説になったものもあるようだけれども月の輪熊はヒグマに比べればずっと小さいので人に怪我を負わせるぐらいではないだろうか。もちろん例え月の輪熊でも直接遭遇するのはごめんだ。今回は高いフェンス越しに見ていたから安心していられたのだ。ヒグマだとこのフェンスでも安心できないだろう。


夕日に照らされた鉄線 普通関東以西だと4~6月頃咲くはずだが

ほんとうに晴れるのか

2008-09-08 08:31:58 | 文化
天気予報は今日は9時頃から晴れマークになっているが朝から雨が降っている。昨日のトライアスロンも大雨の中を結局やりきったようだ。岩手の人口密度は北海道の72.2についで91.7と少ない。東京都は5,855.4である。良くも悪くも広くて人の少ない現実を受け入れるしかないだろう。昨日和田秀樹という人が書いた意欲格差という本が出されたことを知った。最近は~格差という字をよく見るようになった。一種の流行か。確かに意欲はエネルギーや活力と繋がっているだろう。経済格差との絡みで展開している人が多いように思う。資本主義である限り格差は制度的には当たり前のような気がするのだが。意欲格差や活力の減退はむしろ組織やシステムの閉鎖性にあるように思う。アメリカが理想などとは言わないがアメリカの活力は世界中から人が集まってくることや組織やシステムが相対的に開放的であることによるのではないか。日本は江戸300年の閉鎖性から逃れられていない気がする。とりあえず生活ができる、現在の豊かさも確かに一因だろう。岩手は自然と共存できる希少な豊かさを持った地域だ。あまり変化してもらいたくはないものだ。


近所の家のアメリカ芙蓉 日本の芙蓉より花が大きい

自然と文化

2008-09-07 09:41:26 | 文化
今朝も小雨が降る。トライアスロンの国際大会が釜石であるけれど雨が落ちて来ているので出かけるのはやめた。ある人が釜石の市役所はある年代以上は全国的に見ても大学卒が異常に多いという話をしていた。ちょうど新日鉄が撤退する前に大学へ入る年令を迎えられた世代のようだ。県別の大学進学率は沖縄が47位で最下位だが40位の北海道とで挟まれた6県はすべて東北。岩手はその東北の中でも最下位の46位だそうだ。県の総人口も岩手、沖縄はほぼ同数でいずれも自然環境は豊かである。県庁所在地の人口も30万前後でほぼ同数。他地域の人口はぐっと減る。人が少なく、自然が豊かであれば所詮大学への進学意欲や進学のための経済的基盤も弱い。岩手県は本年のセンター試験が最下位だったため高校の学力強化策を打ち出したとか。進学率は過去から着実に増加しているが全国的にはまだまだ低い。このことはしかし良くないことなのだろうか。岩手のような県で大学進学率が上がればますます若者が県を離れることになるのではないか。豊かな自然を維持しつつ産業を起こす、なかなか難しい問題だ。


七竈(ななかまど)の実が赤く色付く 晴れ間を見つけて撮ったもの

岩手は広い

2008-09-06 11:49:39 | 文化
朝少し薄日が射したが今日も曇り。余りに今夏は雨が多く、家の中のものの一部にカビが生えた。気温は30度を越えることは先ずなかった。しかし湿度の高い日が多すぎる。庭の地面が乾くことが少ない。7月までは晴れると休日はよく出かけた。西隣の遠野までは30Km、南隣の大船渡は40Km、北の宮古は60Km。盛岡や雫石だと120Kmで平泉だと100Kmである。秋には八幡平の紅葉をぜひ見たいと思っている。北海道は地方の道路も比較的良く整備されていて結構スピードを出せたが、岩手も北海道ほどではないが地方の道はそこそこ早く抜けられる。ただ岩手で困るのはのんびり通行する車があったり、二車線の使い方をまったく無視して走る車が多かったり、直進車を無視して平気で横から飛び出す車が多いことだ。追い越し可や追い越し禁止のラインの引き方にも首を傾げたくなるところが結構ある。山が多くを占めるためトンネルも非常に多い。それでも盛岡はむろん200Kmある仙台からも日帰りで釜石へ仕事に来る人たちがいるのだ。北海道と同じで夜は鹿との衝突に気をつける必要があるそうだ。


露草

釜石は今日も曇り

2008-09-05 09:33:52 | 歴史
夜半に雨が降り、朝は曇っていた。天気図を見ると北東の高気圧と南西の高気圧の間に低気圧が挟まれ、それが滞留した状態が続くようだ。まったくうんざりする。とは言え今朝庭のサギソウが開いていた。シラサギが羽を広げて飛んでいる姿だ。紅葉の木の根元にも赤い彼岸花が3輪咲いている。山田秀三という人の書いた東北・アイヌ語地名の研究を読むとアイヌ語の地名が東北に残されたことからその地名が姓となったものも多いそうだ。金田一 京助の金田一もそのようだ。長内、小山内、米内などのナイの字もアイヌ語の川と関係した地名から姓になったもののようだ。ところで以前に触れた青森市郊外の三内丸山遺跡の三内という地名も増水した水が下ってくる川というアイヌ語からきた地名だと言う。この遺跡は約5500年前~4000年前の縄文時代の大規模集落跡で縄文の定説をことごとく覆した遺跡のようだ。メソポタ文明より古い時代の遺跡だ。まだまだ解明されない謎が多いがそれだけに東北の歴史は興味深い。


甲子川でアユを釣る人

9月になってしまった

2008-09-04 12:10:51 | 自然
昨日は1日日射しがあったが今日はまた朝方まで雨でその後は曇り空。まるで裏日本のような気がする。すでに9月も数日過ぎてさすがにウグイスの声は聞こえないがメジロが盛んに群れている。ヒグラシに変わって秋ゼミらしき声が聞こえる。釜石は愛知県で見かけたほとんどの花、シデコブシさえ見かけることができる。花によっては1ヶ月位のズレがあるが花の咲いている期間が長いものも見られる。街路樹のナナカマドの赤い実が早いものでは8月半ばから色付き、今はどの木もすべて赤い実を付けている。一部の葉はやはり色が変わり始めている。東北の紅葉は北海道と異なり赤が目立つという。本格的な紅葉の時期が楽しみだ。勤務先の駐車場そばの山ではクズの花が満開だ。下に垂れて咲く藤の花とちょうど逆のイメージでクズは真上に向けて立ち上がる紫の花を咲かせる。藤の花ほど豪華ではないがその緑の葉の中に立ち上がる紫の花が咲く姿は晴れれば青空を背景にきれいだろうと思う。


近所の庭に植えられたほうずき

富山の薬売り

2008-09-03 17:20:35 | 文化
加賀から来た人に聞いた。加賀では婿をとるなら富山の男、嫁をもらうなら能登の女と言われているそうだ。加賀の人たちは富山の人たちを侮蔑しながらいざ婿をとるとなると富山の男性をもらうらしい。富山は昔から薬売りで知られているが全国からの情報が集まり、そこから儲かる話を引き出し、商売で成功する人が多いそうだ。能登には以前製糸工場が栄え、働かない男を尻目に女はその製糸工場で一心に働いたそうだ。釜石にも戦後間もない頃富山の人たちがやって来て、最初は人に使われて海に潜っていたがそのうち一代で水産加工業を立ち上げ成功した人たちが多いという。富山は門徒が多く、釜石へやって来た富山の人たちも信仰熱心で釜石で二番目に大きいお寺の宝樹寺を支えたそうだ。一方で釜石の女性も能登の製糸工場へ働きに出ていた時期もあったという。なかなかいい話を聞かせてもらった。


花虎ノ尾

蝦夷とはどういう人たちだったのか

2008-09-02 12:15:42 | 歴史
雨が続いたため甲子川が増水している。庭の彼岸花も引き続き開花してきている。中尊寺のある平泉には達谷窟(たっこくのいわや)というのがある。801年に創建されたものだそうだ。崖の途中の洞窟を利用して毘沙門堂が建てられているのだがこれがまさに清水寺の舞台そのままに建てられている。清水寺を建てた坂上田村麻呂がこの洞窟あたりにいた蝦夷(えみし、えびす、えぞ)を征伐した記念に建てたそうだ。東北にアイヌ地名が多いことからこの蝦夷はアイヌの人たちだと思っていたが東日流外三郡誌(つがるそとさんぐんし)の存在を知り、蝦夷を即アイヌの人たちとするのは早計かと考えるようになった。東日流外三郡誌の偽書キャンペーンがあるが偽書とする某学者の学者からぬ振る舞いを見ると偽書キャンペーンなど無視することにした。むしろその書の内容に多いに好奇心をそそられる。東北だけでなく日本の歴史の埋もれた部分に光が当てられる可能性もある。東北の歴史は蝦夷の歴史部分でまだ明らかにされていない。


甲子川土手に咲くコスモス

久しぶりの日射し

2008-09-01 12:00:46 | 文化
今朝も小雨が降っていてその中でアジサイの花がまだ咲いていた。8時頃から日射しが出始めて、徐々に青空が覗き始めた。天気予報がいいほうにはずれた。職場の建物は中ではタバコが吸えないのでいつも駐車場などに出て吸っている。出勤して1本目のタバコを吸っていると近くにめずらしくオハグロトンボが飛んで来て濡れた路面で水を飲んでいる。水のきれいな川がある証拠だ。すぐそばの山にはクルミの木があり実がなっている。以前何度か見かけたリスたちがそのうちやって来るのだろう。釜石のラーメンは麺が細くて、何軒か入った店もみんな味がよかった。ラーメンは安心して食べられる。うどんのうまい店が今のところ見つかっていない。1月ほど前盛岡の手前の紫波町で手打ちの讃岐うどんの店に入ったが、いつものようにうまいが四国のうどんとはやはり違った。基本はうどんの場合出汁だと思う。讃岐は麺も違うが。讃岐までは望まないがせめて出汁が四国なみであればいいのだが。


雨の合間に撮った甲子川(中央に小さくアユを釣る人二人)