釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

岩手の彼岸花

2008-09-20 11:29:49 | 自然
秋のこの時期は彼岸花が普通あちこちで見られる。全国的には埼玉県日高市の巾着田、岐阜県海津市の津屋川堤、愛知県半田市の矢勝川堤、奈良県明日香村などが有名だ。京都の清水寺の舞台下もよく知られている。真っ赤な彼岸花が一面に咲く光景は感動物だ。残念ながら岩手では自生の彼岸花は一関あたりまでのようだ。しかし人の手で植え付けた彼岸花は青森県の弘前でも咲いてくれるようだ。岩手でも紫波町の個人の水田周囲や北上市のお寺などで植え付けられた彼岸花が咲くそうだ。遠野のふるさと村でも少しは咲くようだし、釜石でも家の庭に植えた彼岸花がもう咲いた。近所の家の植木のそばに一輪の彼岸花が植えられているのを見かけた。彼岸花はやはり田んぼのあぜ道に咲いている風景が一番似合っているかもしれない。明日香村のように。



大船渡市吉浜湾の扇洞漁港の海岸

岩手の野鳥

2008-09-19 07:02:15 | 自然
昨日はなんとか雨が降らないでいてくれた。今日も大丈夫だろう。今年始めの冬場にそばの甲子川に沿った山沿いの道を犬を連れて散歩していると鳩より少し小さい白っぽい鳥が高い木の枝に止まっている。よく見ると鶏冠のようなものがある。写真でしか見たことがなかったヤマセミだ。冬なので木には葉がなくなっているためよく見える。それからはほぼ毎回散歩のたびに見かけるようになったが春に釣り人が入るようになってからは見かけなくなった。カワセミはよく見かけるがヤマセミを見て感動した。職場でも二人ほど小鳥を山で獲る人がいた。近所を歩いていると軒先にヤマガラの入った昔ながらの竹の鳥かごが下がっていた。甲子川の河原ではホオジロなども見かけた。五葉山ではオオルリの声も聞こえた。冬には鵜住居川に多くの渡り鳥がやってくる。ほんとうに自然の豊かさを感じさせられる。


近所の八重の木槿(むくげ)


釜石のまつり

2008-09-18 06:50:27 | 文化
今朝は薄日が射す程度。鳥と虫の声が聞こえる。午後はまた雨の予報。昨日は27度まで上がったが秋晴れのいい天気だった。遠野のまつりは終わったが釜石は来月だ。遠野は農家のまつりで釜石は漁師のまつり。隣接する北隣りの大槌町もやはり漁師のまつりだ。大槌、釜石は虎舞と呼ばれる伝統が披露される。起源は定かでなく、江戸ないし鎌倉時代に始まると言われている。寺社との結びつきが余りないため文献が残されていないそうだ。獅子舞とは違ってまさに虎の図柄をしており、二人の舞い手が一組で踊る。沿岸部はかって津軽海峡を抜けて中国やロシアの人たちがやってきて交易をやっていたそうで、中国の影響があるのではないかとある人が言っていた。釜石には14団体、大槌には5団体の虎舞団体があるという。釜石でもわずかだが農業地域があり、そうしたところでは鹿踊が伝わり、鹿踊がまつりに行われているところもある。


遠野に咲く野菊

清々しい朝

2008-09-17 08:51:56 | 経済
風もなく日射しに溢れた空気の少し冷たい朝だ。空には筋雲が浮かぶ。一番いい気候の時かもしれない。昨夜は丸い月が出て裏山の頂の木々を黒いシルエットにして見せてくれた。先日遠野まつりの帰りに遠野のスーパーで秋刀魚を買ったが一匹が67円だった。三陸産とあった。釜石だと地元なのに同じ大きさで100円もする。この差はなんなんだろう。ともかく釜石の物価は高い。釜石は土地が狭く、その上比較的広いところは未だに新日鉄の所有地のため売買される土地が高いらしい。家賃までなんでというほど高いという。それを考えるとやはり土地代が商品価格に上乗せされているのは間違いないかと思う。そして新日鉄城下町だった体質が加わり、競争心や顧客へのサービス精神が薄いのだろう。3~4年前にはハイオクでリッター20円も遠野より高い時があったそうだ。さすがにそれだとみんな遠野行くだろうから現在は差が10円になっている。往復70Kmを考えても遠野でガソリンを入れたついでに買い物をしたほうが安くつく。


石応禅寺門前のアワダチソウ 江戸初期に創建され、釜石大観音を建立した寺

今日も雨か

2008-09-16 07:04:14 | 文化
今朝はすぐそばの40~50mの高さの山に霧が出ている。空は雲で覆われて、日が射していない。また雨なのだろう。昨日も遠野まつりに出かけた。遠野のまつりは各地区の盆踊りを集めたものだそうだ。それぞれ独特のものだがいくつかの地区は神輿を担ぐ。中でもコンセイサマの神輿というのはここだけのものだろう。コンセイサマは金精様あるいは金勢、金清、金生、魂生、根性、根精様などと書かれ、別称では、かなまら様、お駒様、道鏡様、しゃくじん、男石様など、地方によりさまざまな呼称をもつそうだ。縄文中期の石棒信仰に始まるという。各家々毎に奉られるらしい。子宝や豊作などを祈るものだという。2~3mの男性の象徴を若い男女の担手が法被姿で元気に担いで練り歩く。このコンセイサマは柳田邦男の遠野物語にも出て来るそうだ。明治時代に庶民信仰が否定され一度破壊されたりして失われたものもあるようだ。


遠野八幡宮の流鏑馬の馬場の杭に止まったトンボ

青空が広がっている

2008-09-15 09:11:14 | 文化
今朝は珍しく青空が見える。昨日に引き続いて今日も遠野まつり。今日は遠野八幡宮で流鏑馬が見られる。遠野の各地区のさんさ踊りや田植え踊り、南部囃子も奉納されるらしい。流鏑馬は盛岡八幡宮でも行われるがこの時は遠野からも人が出ているそうだ。射手があまりいないのだろう。そう言えば今年のちゃぐちゃぐ馬っこの時滝沢村の神社に馬たちが集まった中に乗り手も馬も遠野から来ていると聞いて写真を撮ったが、その時の乗り手が遠野まつりのポスターの顔だ。山口地区のさんさ踊りの先頭を行く女の子だ。遠野は街全体で伝統の継承に力を入れているのがよく分かる。少子化の時代、後継者である若者が少なく、いても都会へ出て行く。遠野は民話だけでなく、神楽や踊りが各地区で固有の形で伝えられており、その点でも日本の貴重な財産だと思う。昨日も踊りの衣装の言われなどを地元の老人に尋ねてみたが判然としない。踊りの発祥や衣装の起源なども是非記録を残してほしい。


サギソウ 二羽の親子の白鷺が飛翔している

遠野まつり

2008-09-14 20:37:28 | 文化
釜石は今朝も天気はすっきりしない。雲が多く、雲間から時々日が射す。家を11時に出て、30分ちょっとで遠野に着いた。遠野の天気は別世界。晴れ渡っている。12時から遠野まつりが始まる。少し時間があるのでいつものようにガソリン代の安い遠野で満タンにしてから早瀬川の河川敷の臨時駐車場に車を止めてまつりのある通りまで歩く。貴重なまつりでも地方は人が少なくうんと得をした気がする。ともかく驚いたのはまつりの参加者だ。人口4万の遠野でまつりの出場者が4千人以上いるのだ。12時から午後4時まで途切れることなく次々に各地区の踊りが続く。なかでも個人的には南部囃子が一番惹かれた。踊りがまさに祇園踊りの手つきで非常に優雅なのだ。山車も京都ほどの大きさではないがよく似ている。衣装も華やかで化粧回しのようなものを付け、これが一人一人異なる。周囲を烏帽子を付けた袴姿の男性が囲み鼓や笛を鳴らす。すばらしい伝統だと思う。ゲゲゲの鬼太郎を書いた水木しげる氏が来賓で娘さんと来ていた。漫画で遠野物語を書いた関係だそうだ。


南部囃子 華やかでかつ優雅な舞

とりあえず晴れ

2008-09-13 12:33:43 | 歴史
なんとか今日は日射しを見ることができる。雲もかなりあるので今ひとつすっきりしない。岩手の南部藩(盛岡藩)の最後の14代藩主は水戸藩主徳川斉昭の三女をもらったそうだ。幕末には仙台藩とともに朝敵となり維新を迎えた。維新後は原敬を輩出したり、敗戦前に海軍大臣から首相になった米内光政を輩出したりしている。ちなみに東条英機も戸籍は岩手県だそうだ。南部藩主に仕えた家系ということだ。東北地方では唯一首相を輩出してきた県らしい。東北の歴史をみると中央政権に対しどう距離をとるかで各県どうしで態度が異なり、そのための互いの確執が続くようだ。岩手と青森、秋田と山形。現在も互いにいざとなると犬猿の仲だそうだ。一口に東北と言っても、その六県には異なる歴史と地域性があり、実際には一つにまとまるのは難しい。岩手にしても内陸と沿岸部では環境もずいぶん違う。しかしそう考えてくると遠野の特殊性がうなずけるような気もする。遠野は岩手の中でも内陸に属するが他の内陸部からは地域的に孤立している。ここに独特の文化が生まれたのだろう。


韮(にら)の花

また晴れ間が去って行った

2008-09-12 07:13:09 | 文化
昨夜来再び雨が戻って来た。夏の面影が残っているのか降るとなると激しい夕立のような降り方をする。たちまち庭には小さな池が出現する。もういいかげん雨はいらないんだが。きっと遠野の農作物や秋の、といってももう来月だが、紅葉にも影響が出るだろう。東北の春はほぼ北海道と同じで、関東以西に比べ、約一ヶ月遅く、秋は一ヶ月早い。職場に漁師の知り合いがいる人が何人かいるが、その人たちが最初はウニを、次にはイカを、そして最近はサンマを朝持って来てくれる。いずれも獲れたてのもの。量は多くない。新鮮なものを食べてもらいたいからだ。新鮮なものは色も味も濃く、ウニは特にはじめてウニの味を知った気がした。たとえ地元でもスーパーのウニはウニではない。サンマも刺身だとまったく別物。特に食べ物にうるさい訳でもなく、何でも食べる方だがこれは最高の贅沢だと思う。銀座の店でもこんなウニは食べられないはずだから。サンマもこの時期のものであれば毎日食べても飽きない気がする。



唯一残った新日鉄の火力発電所

今朝は冷え込んだ

2008-09-11 08:34:42 | 自然
昨日に続き今日も晴れている。放射冷却のためかしかしぐっと朝は冷え込んだ。半袖だとちょっと寒い。最高気温は23度、最低気温は14度の予想。朝方はもうタオルケットだけでは風邪を引いてしまう。今朝庭のサギソウは2輪目が開いた。2輪目は花がまだ小さいのでちょうど白鷺の親子が仲良く飛んでいる感じだ。岩手は山が多く、山の谷間を川が流れてその川が少しの平地を作り出している。北上川は一番広い北上盆地を形成し、釜石は甲子川が山間を流れ、川に沿ってわずかな平地を提供し、川は遠野と異なり、太平洋に流れる。釜石は北から鵜住居川、水海川、甲子川、片岸川、熊野川の5つの太平洋に注ぐ川からなっている。鵜住居川や甲子川はそれぞれかなり上流まで人が住んでいる。太平洋に流れた川はリアス式海岸の例で、湾に流れ込み、穏やかな良い漁港となっている。太平洋に面しながら湾内は波が静かで、時には湖のように静まりかえって見えることもある。かと思うとさすが太平洋という荒々しい波を見せたりもする。油断のできない波ではある。


銭葵 葵一族のひとつ