釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

暗い未来しかない日本

2023-09-27 19:10:52 | 社会
今、庭では萩、ススキ、女郎花、藤袴が咲いている。桔梗は早く咲き終わった。葛と撫子が見られないだけで、秋の七草のうち5つが咲いた。彼岸花も次々に咲いている。ウォーキングコースにはいまだに紫陽花が咲いているところもある。自然豊かな岩手は、日射し加減で、同じ種類の花が場所を変えて、長く咲くのを見ることが出来る。野生の鹿は家の近所で日常的に遭遇する。今年は山が豊かなせいか、北海道ほど熊の出没がないようだ。先週、コロナ感染者が全ての都道府県で減少したが、人口3万人の釜石では昨日40人を超えた。職場の外来でもまだ陽性者が続いている。感染者には最初イベルメクチンを処方したが、結局、支払い基金はそれを切って来た。今は、葛根湯を処方している。厚生労働省が、特例で認可したコロナ治療薬は、1人の治療で、パキロビッド9万9027円、ラゲブリオ9万4312円、ゾコーバ5万1851円、ベクルリー24万7988円である。ツムラ葛根湯エキス顆粒であれば、1週間分で478円で済む。東北大学がコロナに対する葛根湯の有効性を明らかにしている。特例で認可したコロナ治療薬は高額であるだけでなく、重篤な副作用もある。厚生労働省がまともに機能していれば、こんな薬剤は承認されなかっただろう。もっとも、それを言えば、そもそもワクチン自体が承認されていなかったはずだ。インド政府はちゃんと機能していて、ファイザーワクチンを排除した。もはや今の日本政府は、日本政府とは言えなくなっている。海外へは100兆円もの支援をする一方で、国民負担率を上げ、インフレにも根本的対応を全くしようとしない。昨日のFNNプライムオンラインは、「年金6万円「老人も応援して」 政府経済対策に“悲痛訴え” 5本柱...「還元」は誰に?」で、「岸田首相は26日、新たな経済対策の具体策を、10月中に取りまとめるよう閣僚に指示した。物価高にあえぐ高齢者からは、切実な願いが相次いでいる。」、「岸田首相は25日、新たな経済対策の方針を表明。 岸田首相「コロナ禍を乗り越えた国民の皆さんは、今度は物価高に苦しんでいます」「物価高から国民生活を守る」として、経済成長の成果である税収増を、国民に適切に還元したいとした。」と報じた。今日の東京新聞は、「「生活に余裕ない」が半数以上…でも「億り人」はほぼ倍増 物価上昇と円安が広げた格差は数字でクッキリ」を報じている。「物価上昇が続く中、子育て世帯などで困窮する家庭が増えている。政府も経済対策を10月末をめどにまとめる。対して、日銀の長年の金融緩和で株式などの資産価格が上昇した恩恵にあずかり消費意欲が旺盛な層も。有識者は格差拡大を指摘し、消費の現場では商品やサービスの二極化が進む。」。共同通信は、「【速報】NY円、149円01~11銭」を報じている。日本のインフレの原因は、金利と経済制裁にある。経済制裁で原油高を招き、エネルギー価格が高騰している。各国はインフレ対策で金利を引き上げているが、日本はいまだに「異次元の金融緩和」を続け、ゼロ金利を維持している。このため、高金利を求めて日本のお金が日本を出て行き、円を売り、ドルを買う流れが続き、円安が止まらない。円安は輸入に頼る日本をインフレに縛り付ける。ゼロ金利や円安で利を得るのは政府債務とトヨタなど輸出企業だ。安倍政権以来の円安誘導で、何もしなくとも円安になればなるほど輸出企業は利益が増えて、危機意識が希薄になり、今年、ついにトヨタは中国に輸出台数の王座を奪われてしまった。1980年代、日本は自動車、家電、半導体で世界のトップを走っていた。1990年の世界の半導体のランキングでは、1位NEC、2位東芝、3位日立、6位富士通、7位三菱電機、10位松下電器である。それが今では見る影もない。自動車も間違いなく同じ運命を辿る。その時、日本は何を経済の拠り所とするのだろうか。牽引する産業を失い、少子高齢化と人口減である。日本のメディアは仕切りに中国経済の低迷・崩壊を報じるが、中国経済の問題は、不動産と14.6兆米ドル(1067兆人民元)と言われる地方政府債務である。米国政府債務33兆ドルの約半分だ。不動産も今のところ多くが国外でのデフォルト、破産である。25日の米国The Wall Street Journalは、「Huawei’s New Gadgets Show How China Aims to Move Forward Without Foreign Tech(ファーウェイの新しいガジェットは、中国が外国技術なしでどのように前進することを目指しているかを示している) Washington’s poster child for Beijing’s bad behavior stages a comeback(北京の悪行に対するワシントンの象徴がカムバックを果たす)」を載せている。ファーウェイは、Bluetooth と WiFi を組み合わせた「NearLink」として知られる新しい技術およびワイヤレス標準を作り出した。Bluetoothより6倍高速で距離は2倍 、電力を50%削減 、遅延は1/30 、デバイス数は10倍だ。中国は以前の日本のように教育・研究を重視し、nature誌は、2022年の調査結果について、「初めて中国が米国を抜き、自然科学分野の高品質学術誌『ネイチャー・インデックス』に掲載された研究論文の投稿数で第1位となった」と報じた。2022年の自然科学分野におけるシェアは、 中国:19,373 米国:17,610 だ。質の高い科学を示すもうひとつの指標、被引用数の上位1%に入る論文への貢献でも、日本の科学技術・学術政策研究所によれば、中国は2022年に米国を上回っていた。日本の子供達の学校給食の貧しさは以前にも書いたが、平均250円の学校給食は刑務所の給食より貧しい。その結果が身長の差に如実に現れている。高校三年生で、日本:男性170.9cm 女性157.9cm、韓国:男性174.9cm 女性161.3cm、中国:男性175.7cm 女性163.5cmだ。中国の給食は品目の多いバイキン方式で、好きな量を食べることが出来る。韓国は無料で有機食材が使われる。平均給与はすでに韓国に抜かれてしまった。1980年代に世界のトップに躍り出た日本は、米国によって潰された。米国コロンビア大学ジェフリー・サックス教授がこの点を明言されている。サックス教授はハーバード大学助教授であった1981年に「ジャパン アズ ナンバーワン」のエズラ・ボーゲル教授と共に日本を訪問し、日本の脅威的なシステムに感動された。と同時に、いずれ米国に抑えられることも感じたようだ。米国は自国と肩を並べる国を脅威と見なす。元外務省官僚で防衛大学校元教授の孫崎享氏は、今日のツィートで、「米国世論調査 RCP(今ウクライナ戦争が行われているが)米国への最大の脅威どこか? 中国53.2%、ロシア28.8%、米国の最大の同盟国はどこか英国 40.7%、加 19.2%、イスラエル6.1%、仏5.5%。中国 4.2%、日本2.7%、独 1.9%、露 1.9%、豪1.5%、メキシコ0.9%、韓国0.9%」と書き込んでいる。米国人がいかに日本を同盟国として見ていないかが分かる。日本は単なる米国のATMでしかないのだ。教育・研究、医療・福祉を削り、長年にわたり円安で日本の産業や土地を海外に売り渡した日本に再起を期待することは困難だ。来年前半にも起き得る米国発の金融崩壊により、日本の円も終焉を迎えることになる。どれほど税を増やしても政府債務には焼石に水でしかない。メディアに登場する経済学者は、政府は大きな資産を保有しているため、債務不履行、デフォルトはない、と言うが、その資産は売れない資産が大半だ。日本銀行が政府国債を買い取れば問題ないと言う、暴論を述べる学者までいる。それが可能ならば、税などいらない。日本銀行も債権資産を大量に保有し、金利上昇で破綻する可能性すらあるのだ。

企業の内部留保(青)と給与(赤)の推移