釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

壊滅的リスクが進行中

2020-03-10 19:20:41 | 社会
イタリアは一気に新型コロナウイルス感染者が9172人となり、政府は移動制限を全土に拡大している。米国754人、日本530人・クルーズ船696人である。日本はいかにも上手くコントロール出来ているかのような数字の動きだが、単に検査件数が意図的に抑えられているためである。米国は今週から本格的に検査を開始した。急速に感染者が増加するだろう。しかし、増加はもう避けられず、むしろ早期発見、早期治療に努めなければならない。さすが米国である。当初は大統領の意向を汲んで、日本同様に検査に消極的であったが、姿勢を大きく変えた。日本のように検査を抑えることが、むしろ見えない感染拡大を引き起こす。米国の金融市場はパニック的な動きを見せるようになった。米国国内のさらなる感染拡大で、いよいよ本格的な経済崩壊へ向かって行くことになるようだ。中央銀行はさらに一段の利下げをおこなうだろう。3月5日のロイター通信は、「米緊急利下げ、真の理由は「信用リスク」か ドル需要が急増」と題する記事を載せている。先日、米国中央銀行FRBがいきなり0.5%もの利下げを行なったのは、一般には株価の下落のためとされているが、この記事では、「短期金融市場ではその前後にドルのキャッシュ需要が急激に強まっていた。長年の金融緩和や量的緩和で膨らんだ民間債務にまつわる信用リスクが、大幅な利下げの背景にあったと複数の専門家は指摘する。」とある。つまり、株価の下落のためではなく、「膨らんだ民間債務にまつわる信用リスク」のためであったのだ。無論、この新型コロナウイルスの感染拡大が引き金ではある。新型コロナウイルスの感染は、SARSやMERS、エボラほどの脅威はないが、むしろ、そのことが感染を一層拡大させ、経済・社会へ大きく影響するようだ。米国ジョンズ・ホプキンス大学の感染症研究者であるアメシュ・アダルヤAmesh Adalja准教授たちは、世界の感染症に関する論文を1年間かけて調査した上で、世界中の科学者、社会学者、政府関係者などに聞き取り調査を行い、「地球規模の壊滅的な生物学的リスク」となる疾患とはどのような疾患であるのか、報告書をまとめ上げている。それによれば、「将来的に最も深刻な影響を与える可能性のある病原体」とは、呼吸器系の感染症で、致死率が低く、発症しない人が多いか軽症の人が多いと言う特徴を持つRNAウイルスであると結論付けられている。これは、まさに現在の新型コロナウイルスそのものの特徴である。報告書は2018年に出されていた。
米国では、中央銀行の利下げ後も、株価の下落が続き、大統領はついに給与税減税と、新型コロナウイルスで打撃を受けた産業への「非常に大規模な救済措置」を目指すと述べたことを今日のブルームバーグが伝えている。中央銀行の金融政策には、すでに限界が来ており、大きな財政赤字を抱える米国政府もやむを得ずさらなる赤字覚悟で財政出動せざるを得ない。しかし、それでも現在は、まだ序の口である。まだまだ本格的な感染拡大へは至っていない。感染を意図的に隠そうとし続ける日本などは、尚更である。日本の株価の下落の影響を大きく受けるのは、日本銀行と年金である。日経平均が17000~18000を下る状態になって来ると、いずれも大きな損失を抱えるようになるが、それももはや時間の問題でしかない。もともと日本の株価は日本銀行初め政府系の5頭のクジラで支えられた人為的な株価であった。メッキが剥がされ、実態が見えて来ただけに過ぎない。