釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

南海トラフの巨大地震の前兆か

2016-10-24 19:20:54 | 自然
21日午後、鳥取県中部の倉吉市や湯梨浜町でM6.6の内陸地震があった。九州や四国、中国地方はフィリピン海プレートが沈み込むユーラシアプレート上にあり、内陸にある断層へは歪みが蓄積されている。今回の地震の瞬間的な揺れの強さを示す最大加速度は1494ガルで、4月14日の熊本地震の最大加速度1580ガルと同程度であった。鳥取に隣接する島根原発の基準値振動は現在わずか600ガルでしかない。中国電力は耐震設計の見直しを検討しているが、それも600から800への変更でしかない。熊本に近い川内原発も基準値振動は620ガルである。愛媛県の伊方原発は基準値振動が650ガルとなっている。いずれの原発も熊本地震や今回の鳥取中部地震のような地震が直近で起きれば、とても耐えられない構造になっている。日本列島には活断層の数が2000あると言われており、いずれの原発も付近には断層がある。しかも未知の断層もある。ユーラシアプレートとフィリピン海プレートの境界にある台湾は日本と同様地震が多発する国であり、毎年のようにM5以上の地震が発生していて、2006年には同じ日にM7の地震が二つ続いた。台湾政府は福島第一原発事故後、2025年に原発をなくすことを決め、今年度内に法改正を行う。すでにドイツは2022年に原発を廃止することを決めている。ドイツでは倫理委員会の報告を元に決定が下された。その倫理員会は、「原子力発電所の安全性は高くても、事故は起こりうる」「事故が起きると、ほかのどんなエネルギー源よりも危険である」、「次の世代に廃棄物処理などを残すのは倫理的問題がある」としている。地震学の鳥取大学西田良平名誉教授によれば、南海トラフの巨大地震は過去を振り返ると、「その数十年前から近畿から西日本にかけて地震が多くなる」とされ、1943年のM 7.2の鳥取地震の前に1925年のM6.8の兵庫県北部の北但馬地震が、1927年には京都府丹後半島のM7.3の北丹後地震が発生し、その後鳥取地震が起きて、翌年1944年にM7.9の東南海地震が、1946年にM8.0の南海地震が発生している。鳥取県では2000年にM7.3の鳥取県西部地震も発生しているのだ。立命館大学環太平洋文明研究センターの高橋学教授も、4月の熊本地震、9月12日の韓国の釜山―慶州―ポハンで発生したM5.1、M5.7の地震、10月8日の阿蘇山の爆発的噴火などは「フィリピン海プレート(間接的には太平洋プレート)の圧力によって、ユーラシアプレートに歪みが集積」したもので、これらの動きは、ユーラシアプレートがはね上がって生じる南海地震の前兆であると言われる。2011年3月11日の東北地方・太平洋沖地震の前に起きた2008年6月14日に発生した、岩手・宮城内陸地震に類似すると言う。噴火や地震の直接の被害は無論だが、過小評価で建設し、故障隠しを重ねる原発を思慮なく再稼働を進めることが最大の危惧である。
地震雲?