釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

大飯原発再稼働を急ぐ政府

2012-04-06 19:15:30 | 文化
今日は海からガスが広がり、陸へ流れて来ていた。海面はまったく見えなくなっていた。海水の温度の方が空気中の温度より高いために海面から水蒸気が発生したのだろう。沿岸部を走る45号線は運転しづらくなっていただろう。増水が続いている甲子川ではここ2~3日1羽だけ残っていた白鳥の姿が見えない。先日の嵐をきっかけに北国へ飛び立ったのかも知れない。庭では秋に散った枯葉の陰から緑の水仙の葉が伸びて来た。薮椿の蕾も膨らんで来て一部に赤い花の色が見え始めている。紫陽花の木にも緑の葉が小さく出て来た。震災時釜石の青果市場も被災して、営業が休止されていたが、結局、閉じることが決ったようだ。小規模の生産者の販売ルートが閉ざされることになる。大船渡市の青果市場も被災したが、こちらは間借りで営業を再開している。岩手県では魚市場も13カ所で被災したが、今月下旬ですべてが再開される。震災時津波で青森県から流され、カナダ西部から米国アラスカ州を漂流していた北海道函館市の150トンのイカ釣り漁船も沿岸警備隊の手で撃沈されることになったようだ。原発を何としても稼働させたい政府は、緊急安全対策によって一定の安全性が保たれ、電力会社が格納容器のベント(排気)時に放射性物質を取り除くフィルターの設置を確約すれば、設置が間に合わなくても再稼働を認めることを昨夜決めた。福井県が国に求めていた「安全基準」についても従来通りの組織である経済産業省原子力安全・保安院が今週中にまとめる。原子力安全委員会も改変されず、福島第一原発事故の原因も明らかにされていない状況で、ただ原発稼働ゼロを回避するためだけの協議と基準でしかないのは明らかだ。4日福島県双葉町の井戸川克隆町長は読売新聞のインタービューで、「原発事故はいまだ収束せず、放射能は出続けている」、「世界最大規模の事故なのに、何ら特別な対策をしない中で収まったと言い、住んでいいという発想が我々をバカにしている。事故を矮小化しようとしているようにしか見えない」と語っている。今月28日には脱原発を掲げる城南信用金庫の本店(東京都品川区)で、脱原発を宣言する自治体の首長ら15人の呼び掛けで「脱原発をめざす首長会議(仮称)」が設立総会を開催する。静岡県湖西市の三上元市長と東京都国立市の上原公子元市長が中心となり、日本原子力発電東海第二原発のある茨城県東海村の村上達也村長、福島県南相馬市の桜井勝延市長らも参加する。福島県の佐藤栄佐久前知事、自民党の河野太郎衆院議員、民主党の篠原孝衆院議員、社民党の福島瑞穂党首らが顧問となる。京都府の山田啓二知事や滋賀県の嘉田由紀子知事は関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働について、それぞれ、「地元の理解がなくて本当に再稼働ができるのか」、「被害を受けるかもしれない地元として、県民の理解を得られるよう説明をしてほしいと要望し続ける」として、拙速な政府の姿勢に反発を示している。滋賀県は昨年独自に福井県の大飯原発と美浜原発で福島原発事故と同規模の事故が起きた場合の放射性物質の拡散シミュレーションを行い、琵琶湖にも相当の汚染を生じることが分かり、あらためて、今年3月上旬、文部科学省に対して、SPEEDIによる拡散予測を要請したが、現在まで同省は公表していない。公表すれば大飯原発の再稼働に影響が出る可能性が高い、と考えているのだろう。
枯れ草の間から顔を見せていた蕗の薹