なだれ込み研究所の一日

物語作家を目指すもの書きが、ふとしたことから変な事務所で働くことに!
日々なだれ込んでくる人や仕事、モノやコト観察記。

たたむ

2006-10-14 23:47:04 | ビジネスシーン
新築のお宅の取材に行ってきた。30年間住んだ家の建て直しである。

古くなった家は確かに使い勝手が悪いし、家族一人一人にとっても、家族としての将来を考えたときも、住まいが新しく機能的に変わるのは嬉しいことだ。
でも、いくら古くなろうと、長年住んできた家を取り壊すのはやはり哀しい。取材中、ずっと寡黙だったご主人の姿が妙に印象に残り、もしかしたら、そんなさみしさがあったかもしれないと思った。

帰りの車の中で、取材に同行してくれたK造さんが言った。
「解体専門の知り合いが教えてくれたんだけどな、家を壊すとき、施主さんには『取り壊す』って言葉も『解体』って言葉も使わないそうだ」
「え? じゃあ、何て言うんですか」
「『たたむ』って言葉を使うんだ」
「たたむ……」
「ああ、『たたませていただきます』とな」

たたむ――。
美しい言葉だ。
日本語には、こうした場合場合で使う、心の感じられる言葉がある。

人の心の中に立ち入ることはできないが、様々な相反する想いを胸に抱えながら、人は踏み出さなければならないときがある。そんなことを感じると、新しい家の取材も、ほんの少しさみしくなる。「たたむ」が、人の心を思いやる言葉だけに、よけいにそう感じたのかもしれない。

順応性の高さ

2006-10-14 00:07:44 | ビジネスシーン

なだれ込み研究所は、毎度のことながらバタバタである。

昨日紹介した「コスモ アースコンシャス アクト クリーンキャンペーンin御前崎」と「森町サイクルツーリングデイ」の準備で、S藤さんとS木くんは必死の形相だ。あちこちから電話が入り、作業量も膨大。
「大変そうだなあ~」
などと他人事(ひとごと)のように思いつつ、自分の仕事も山積みである。

基本的に、私は計画性をもって仕事を進めたいタイプであるのだが、この事務所ではなかなかそうさせてくれない。次から次へと「今」やるべきことが目の前に積まれていき、とても「計画的に」などと言ってられない状況になってしまうのだ。

現場主義、とことんつき合う、というなだれ込み研究所の性格上、完結する仕事がほとんどないから、一度ファイルが置かれたらずーっと机の上にあることになる。とにかく机の上に置いておかないと、現在進行中の山ほどある仕事の中で、忘れてしまいそうになるからだ。ときどき机の上をチェックして、安心したり、あせったり。
いつだったか、
「頭の中で優先順位をつけて、効率よく仕事をやったらどうですか?」
とS藤さんに言ったことがあったが、それも遠い昔の話……。

今では、私の机の上がいちばん片づいていない。
ズボラなわけでも、性格が大ざっぱなわけでもなく、順応性が高いだけです、はい。

2006年11月12日(日)実施の
第4回 森町サイクルツーリングデイの詳細はこちら。
      ↓
http://www.conception.co.jp/mori/