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石鎚山系と久万高原の自然、博物館の活動などを紹介するブログ

オオゲジを採集

2008-10-26 13:21:03 | 自然

自宅の玄関前でオオゲジを発見。
あまりの大きさとそのインパクトの強すぎる姿にかなり腰が引けましたが、なんとかナイロン袋の中に追い込み、採集することができました。
いくら昆虫に近縁な節足動物とはいえ(私の専門は昆虫)、これほど脚が多くて(15対30本)しかも長いと、恐怖を感じてしまいます。
写真は乾燥中の標本。昆虫針を100本 以上使って形を整えました。
こうやって標本にすると、放射状に伸びる脚に美しさを感じてしまうので不思議です。(あまり皆さんの同意は求めませんが。)
そうなると、はじめから脚が1本とれていたのが残念でなりません。

オオゲジは節足動物門ムカデ綱ゲジ目に属します。つまり、ムカデとは非常に近い親戚同士ということになります。
ムカデと違い脚がこれほどまでに長くなっているのは、生息環境の違いが関係していそうです。
両者とも暗く湿った環境を好みます。
ムカデは落ち葉や石の下など閉鎖的な場所にいるのはご存知のとおり。
一方、オオゲジはトンネルや洞窟の壁、木のうろの中など、より露出した場所でよく見つかります。
きっと落ち葉の下など狭い場所では長い脚は不利で、ゴツゴツした岩肌の上を疾走するのには短い脚では対応できないのでしょう。
落ち葉の下に比べ、露出した場所は天敵に見つかる危険性がより高くなるはずです。
そのためか、なんとオオゲジの脚はトカゲの尻尾のようにすぐに根元から外れてしまう構造になっています。
気持ち悪い彼らの体のつくりにも、そんな機能美が隠されているんですね。

Oogeji


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