時空を超えて Beyond Time and Space

人生の断片から Fragmentary Notes in My Life 
   桑原靖夫のブログ

しばしの幕間:コロナ禍合間のコンサート

2021年11月08日 | 午後のティールーム

開演前の会場

長かったコロナ禍も漸く収束の兆しが見えてきたようだ。まだ手放しでは喜べないが、ワクチン接種、マスクなど万全の準備?をして、少しずつ活動範囲を広げたい。呼吸器の弱い筆者は、既にインフルエンザ、肺炎球菌の予防ワクチン(2回)まで接種している。

10月の週日、久しぶりに音楽コンサートへ出かける。ご贔屓のピアニスト辻井伸行の『音楽と絵画コンサート《印象派》』という催しである。場所は東京芸術劇場。気軽に行かれる場所である。入場者のマスク着用、手の消毒など、基本的な感染症対策は守られており、声援や掛け声も禁止されていて、場内は静かであった。入場者数は分からないが、7割程度の入りだろうか。S席では間隔を空けることなく隣接していてほぼ満席だった。

音楽と絵画という2つの芸術作品をどう結びつけるのかと思ったが、演奏者の頭上のスクリーンに印象派画家の作品を投影するというかなり安易な企画だった。

辻井伸行さんのピアノは、いつもながら輝きがあり、美しい。選曲と映像の組み合わせは、ピアニストとは別人が行うので、ad hocな感じは否めない。時には映像が目障りでピアノだけの演奏を聴きたいと思う場面もあった。映像は、印象派といわれる画家の作品の放映だが、印象派に影響を与えた葛飾北斎、歌川広重の作品などからの投影もあった。

印象主義の音楽は、ドイツ後期ロマン派に対抗して展開してきたので、かなりムード、雰囲気などに比重を置いていて、肩は凝らないが後に残らない。ドビュッシーを中心とする第1部と対抗してのラヴェル、サティ、ラヴェルなどの第2部に分かれていて、両者の音楽史上の差異は感じることができる。満足度はあまり高くはなかったが、美術展もコンサートも徐行運転中なので、仕方ない。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
第1部
ドビュッシー:2つのアラベスク
       アラベスク第1番
       アラベスク第2番
       映像:ルノワール
ドビュッシー:ベルガマスク組曲
       第1曲 「前奏曲」
       第2曲 「メヌエット」
       第3曲 「月の光」
       第4曲  「パスピエ」
       映像:ルノワール、スーラ、クレー
ドビュッシー:《映像》第1集
       第1曲「水の反映」
       映像:葛飾北斎
       「千絵の海 総州銚子」1833年
       「富嶽三十六景 神奈川冲波裏」 1830-32年
       「富嶽三十六景 甲州石班沢」
       「富嶽三十六景 駿州江尻」
       第2曲「ラモーを讃えて」
        映像:歌川広重
       「名所江戸百景 深川洲崎十万坪」
       「名所江戸百景 亀戸梅屋舗」
       「名所江戸百景大はしあたけの夕立」
       第3曲「運動」
       「富嶽三十六景東海道金谷の不二」
       「富嶽三十六景関谷の里」
       「富嶽三十六景 隅田川関屋の里」
        富嶽三十六景山下白雨」
第2部
サティ:3つのジムノペティ
       ジムノペティ 第1番
       映像:クリムト
       ジムノペティ 第2番
       映像:ミュシャ
       ジムノペティ 第3番
       映像:ロートレック
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
       映像:クロード・モネ
ラヴェル:水の戯れ
       映像:クロード・モネ
ラヴェル:ソナチネ
       映像:クロード・モネ








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