いいもの見ぃ~つけた!

「いいもの」は探せばいっぱいあります。独断と偏見による個人的「いいもの」情報発信所です。

<苺> チーバベリー

2021-05-12 07:23:21 | 食品

 「チーバベリー」

●チーバベリーとは
◆チーバベリーの来歴
 「チーバベリー」は千葉県農林総合研究センターが交配選抜を繰り返し生み出した、綺麗な円錐形で大果になり、食味良好で主要病害に抵抗性をもっ促成栽培向け千葉県オリジナル品種のイチゴです。育成からデビューまでの流れは下記の通り、長い期間がかけられています。

 
 1996(平成8)年に「みつる」 と「章姫」を交配し、大果,多収系統「96 -15」を選抜。

 2001(平成13)年にその「96 -15」に、うどんこ病抵抗性をもつ栃木県育成品種「栃の 峰((「F1orida69-266」×「麗紅」)×「女峰」)」を交配。

 2005(平成17)年得られた実生から選抜された「02-19」に良食味で日持ち性に優れた品種 「とちおとめ」を交配。

 2006(平成18)年に一次選抜。

 2007(平成19)年に二次選抜で2系統に絞る。

 2008(平成20)年から特性調査を開始。

 2009(平成21)年現地栽培試験を実施し、食味がよく,大果でうどんこ病 に抵抗性をもつ 1 系統「7-1」を選抜。

 2010(平成22)年から2012年に場内栽培試験及び現地栽培試験を実施。

 2013(平成25)年に「千葉S4号」と命名し、品種登録出願

 2015(平成27)年に品種登録されました。

 2016(平成28)年に愛称が募集され、「チーバベリー」となりました。

 「チーバベリー」は「ふさの香」に続く千葉県オリジナル品種として出荷用だけでなく、いちご狩りができる観光農園向けにもお勧めの品種となっています。

◆チーバベリーの特徴
 「チーバベリー」は平均果重約20gとやや大きく、小果が少ない傾向があり、果形は縦長の円錐形で、果皮色は全体に鮮やかな濃赤色に色付きます。

 果肉の色は橙赤色で空洞果は少なく合ってもわずかで,果汁が多く糖度は10度を越えますが、甘味だけでなくイチゴらしい酸味も持っているのが特徴です。

 農林水産省の品種登録データベースには「チーバベリー( 千葉S4号 )」の特性として以下の通り記載されています。

『-----

 果実の大きさは大、果実の縦横比は縦長、果実の形は円錐形、

 果皮の色は赤、果実の光沢の強弱は強、そう果の落ち込みは落ち込み小、

 果実のがく片の付き方は上向き、果径に対するがく片の大きさはやや大、

 果実の硬さはかなり硬、果肉の色は橙赤、果心の色は淡赤、果実の空洞は無又は小、季性は一季成りである。   

 出願品種「千葉S4号」は、対照品種「山口ST9号」と比較して、草姿が開張性であること、頂小葉の基部の形が鋭角であること、果実の成熟期がやや早であること等で区別性が認められる。

 対照品種「こはる」と比較して、第1番果と第2番果の果形の差が小であること、果実の成熟期がやや早であること等で区別性が認められる。

 対照品種「とちおとめ」と比較して、花弁の重なりが接するであること、第1番果と第2番果の果形の差が小であること、果肉の色が橙赤であること等で区別性が認められる。

-----』以上、抜粋。

◆実際に食べてみたチーバベリーの食味
 今回撮影試食した「チーバベリー」は千葉県山武市の相葉苺園さんから取り寄せたものです。イチゴはどれも40g前後の大きなもので一粒で食べ応えがあり、形もとても綺麗でした。

 果皮表面はヘタの付け根までしっかりと着色し、艶のある濃い赤色に色付いています。

 果実は比較的しっかりとしていてかじった時に程よい歯触りが感じられます。果汁は多く、甘味自体は今時の甘いイチゴが多い中にあっては中くらいといった感じですが、酸味が良い具合にあります。

 糖度を計ってみたところ、12度前後でした。

◆お勧めの食べ方
 「チーバベリー」は甘味だけでなくしっかりとした酸味を持っているのも持ち味です。また、大きい粒が多いので、さっと水洗いをしてからそのまま食べるもよし、酸味を活かし、生クリームやアイスクリームなどと合わせて色々なスイーツに使うのもお勧めです。断面もほんのり赤いので、断面が白いイチゴよりもトッピングした時の見栄えも美味しそうです。

●チーバベリーの主な産地と旬
◆主な産地と生産量
 「チーバベリー」は千葉県のオリジナル品種なので、千葉県内でのみ栽培出荷されています。

 青果として出荷されるほか、県内各地の観光農園で栽培され、春のいちご狩りでも人気の品種となっています。

 令和元年度の栽培面積は約2haとなっていますが、まだまだ増えつつあります。

◆チーバベリーの収穫時期と旬
 「チーバベリー」の収穫は通常12月下旬ごろからとなっており、3月以降も収量が安定しているのが特徴となっています。

 収穫最盛期は2月から4月上旬頃までで、その時期が旬となります。春のイチゴ狩りシーズンに丁度旬を迎えるイチゴです。

*https://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/fruit/Strawberry-Chibaberry.htm より

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<言 葉> 夏の言葉 雪渓

2021-05-12 07:16:30 | 言葉

 「雪渓」

 「雪渓」とは、夏でも雪が解けず万年雪が残っている谿谷。山岳家にとって雪渓の壮快極まり無い眺めは、夏山の魅力の一つである。「白馬岳」の大雪渓、「剣沢」の雪渓、「槍沢」の雪渓を日本三大雪渓と呼ぶ。

*http://kigosai.sub.jp/kigo500c/821.html より

 

 「雪渓」は季語としては「晩夏」のもの。

 ただ盛夏までの季節に、平野部から山に残った雪が見れるので、ちょっと早くに「夏の言葉」としました。

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<現役ミュージシャン> 意外な年齢のミュージシャンたち-伊藤銀次

2021-05-12 07:09:49 | MUSIC

 「伊藤銀次」

 1950年12月24日生まれの70歳

 1972年、大阪で結成したバンド"ごまのはえ"のシングル「留子ちゃんたら」で、キング/ベルウッドからプロ・デビュー。

 アルバムのプロデュースを依頼したことが切っ掛けとなって大瀧詠一と出会い、はっぴいえんどの解散コンサート「CITY - LAST TIME AROUND」(1973年9月21日@文京公会堂)に"ごまのはえ"から改称した"ココナツ・バンク"として出演するが、ほどなく"ココナツ・バンク"は解散。

 その後一時期、山下達郎、大貫妙子、村松邦男らと共に"シュガー・ベイブ"に在籍し、名曲「DownTown」を山下達郎と共作、また大滝詠一、山下達郎と共に『Niagara Triangle Vol.1』に参加。

 りりィのバイバイ・セッション・バンドを経て、1977年に初のソロ・アルバム『Deadly Drive』をワーナーからリリース。

 その後はアレンジャー/プロデューサーとして沢田研二、アンルイスなど数々のアーティストを手掛ける傍ら、1980年には佐野元春と出会い、彼のバンド"The Heartland"のギタリストとしても活動し、初期の元春サウンドの確立に貢献する。

 1982年にはソロ・アーティストとしてポリスターと契約(後に原盤はソニーに移管)、 『Baby Blue』『Sugar Boy Blues』『STARDUST SYMPHONY '65-'83』など、7枚のアルバム(ミニ・アルバム含む)をリリース。
その後1986年に東芝EMIへ移籍し『GET HAPPY』『山羊座の魂』など5枚のアルバムをリリース後、Ki/oonに移り『LOVE PARADE』を発表。

 この間、バンド・ブームを牽引したTV音楽番組「イカすバンド天国」の審査員としてお茶の間にも知られるようになる。

 1990年代以降はプロデューサーとしてウルフルズ、ザ・コレクターズ、七尾旅人などの作品を手掛け、特にウルフルズは大ヒットを記録。

 2003年には幻のバンド"ココナツ・バンク"の再結成とアルバムをリリースし、話題となる。

 2007年からはソロでの全国ツアーを展開し、「I STAND ALONE」という弾き語りライヴも各地で開催、好評を得る。また杉真理らとの"マイルドヘヴン"や、L⇔Rの黒沢秀樹との"uncle-jam"など新たなバンド/ユニット活動も開始。

 そしてデビュー40周年を迎えた2012年、遂にその活動を総括するベスト・アルバム 『伊藤銀次 GOLDEN☆BEST~40th Anniversary Edition~』をリリース!。

*https://www.sonymusic.co.jp/artist/GinjiIto/profile/ より

 

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<日本酒> 滋賀 浪乃音/浪乃音酒造

2021-05-12 07:01:19 | 日本酒

 【平成30酒造年度全国新酒鑑評会 金賞銘柄一覧(大阪国税局)】
 〈滋賀〉 浪乃音/浪乃音酒造

 三兄弟の酒造り

 200年を越える浪乃音の酒造り
 自然に育まれた美しい琵琶湖のほとりにあるのが浪乃音の酒蔵です。小さな酒蔵だからこそ小仕込みに徹し、丁寧に丁寧に心込めて「こんな酒があったのか」と言っていただけるよう酒づくりに日々精進しております。浪乃音の酒瓶には杜氏として我々中井3兄弟の名を記しています。いつでも自信をもっておすすめできる酒の証として。長男の私は釜屋、次男は杜氏、三男は麹屋三人そろって、それぞれの家族もそろってひとつになり、浪乃音の旨い酒が蔵から世界へと出て行くのです。和醸良酒

 「私達は互いに妥協しない性格なんです。
 三人のうち一人でもNOと言えば、必ずその作業を見直すことにしています。
 すべてはいい酒を造るため三人が納得するまでとことん突き詰めます。」ほかの酒蔵とまったく違うのが、3階建ての立体的な構成の建物。真ん中に階段を配し仕込蔵や麹室などがその脇に配される。最盛期には、寝る間も惜しんで管理しないといけないのが吟醸造り。
 「どれだけ室に近いところで寝れるか」が大事なんです。蔵の中心部に寝泊まりでき、食事するスペースが設けられているのもそのためです。

 浪乃音酒造 十代目蔵元 中井 孝

 浪乃音酒造株式会社 滋賀県大津市本堅田1-7-16

 ラインナップ

 「浪乃音」大吟醸「金井泰一流」生酒・純米吟醸 斗瓶取り 新走り・純米大吟醸 「古壷新酒」 愛山 生酒・純米大吟醸「備前雄町」生酒  など 

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<伝統野菜> 岩手 橋野かぶ

2021-05-12 06:52:57 | 伝統野菜

 「橋野かぶ」

 【生産地】岩手県釜石市橋野地区

 【形状】小さめの大根のような細長い形状。表皮は紅色から白のグラデーションで彩りが美しい。

 【食味】歯触りの良さと酸味が特徴 漬物

 【来歴】岩手県の在来カブとして,釜石市の山間の橋野地区で栽培されている。曲りかぶや昔かぶとも呼ばれる。栽培量が減少していたが、地産地消運動により見直されて、作付が増えつつある。

 【収穫時期】 11月~4月

*https://tradveggie.or.jp/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E4%BC%9D%E7%B5%B1%E9%87%8E%E8%8F%9C%EF%BC%8D%E5%B2%A9%E6%89%8B/#i-12 より

 

 橋野カブは昔カブや曲がりカブともよばれ、従来から橋野地域で伝統的に栽培されており、小さめの大根のような細長い形状です。かなり栽培量が減っていましたが、地産地消運動が始まったここ数年見直され、作付が増えつつあります。歯ざわりの良さと酸味を特徴としており、販売量が増えつつあります。

*https://yasacolle.jp/dentou/traditional-vegetables-iwate-hashino-kabu より

 

 

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<漢字検定> 1級 読み 76.回答 77.出題

2021-05-12 06:46:27 | 漢字検定

 前回の回答

 

 次の漢字(熟語)の読みを答えてください。

 

 問1 街衢 -がいく-人家などの立ち並ぶ土地。町。ちまた。

 

 問2 嬌羞 -きょうしゅう-女性のなまめかしい恥じらい。

 

 問3 羈紲 -羈絏-
 1 手綱。また、おもがいと手綱。

 2 つなぎとめること。また、その物事。拘束。

 

  問4 波濤 -はとう-大きな波。大波。

 

 問5 萍水  -へいすい-浮き草と水。流浪している者のたとえにも用いる。

 

 今回の出題

 

 次の漢字(熟語)の読みを答えてください。

 

 問1 阿諛  

 

 問2 寥落  

 

 問3 簫鼓  

 

 問4 輻輳  

 

 問5 踉蹌

 

 

 *漢字検定Web問題集 HP より

 *goo辞書  より

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<経産大臣指定伝統的工芸品> 静岡 駿河雛人形

2021-05-12 06:36:35 | 経済産業大臣指定伝統的工芸品

 「駿河雛人形」

 Description / 特徴・産地

 駿河雛人形とは?
 駿河雛人形(するがひなにんぎょう)は、静岡県の静岡市とその周辺の地域で作られている人形です。
 駿河雛人形の特徴は、人形の中心部である胴体に太い稲わらが使われているので、人形のサイズが大きいことです。これは、静岡市とその周辺の地域で米の生産が盛んに行われていたことから、稲わらが手に入りやすかったためと言われています。
 人形の衣装が上下別々に製作されていることで、衣装にボリュームをもたせることができ、豪華な仕上がりになります。また、上下を分業で製作することができますので量産化が可能になり、上下一体で製作される京都製の雛人形をしのいで、雛人形の胴体では全国の生産量の約7割となっています。また、雛人形製作で最も職人の技術が問われるのが、人形の両手を曲げる工程です。この工程は「振り付け」と呼ばれていますが、ひと目見て誰が振り付けしたかわかるほど、個性の表れるところです。

 History / 歴史
 駿河雛人形の歴史をひもとくと、そのルーツは2つの天神人形にあります。一つは、桐の木片を練って固め、筆で彩色した煉天神(ねりてんじん)。この人形は、天神と呼ばれる菅原道真公を模り、信仰の象徴として製作されました。もう一つは、江戸時代に製作された、駿河独特の「衣装着雛天神」です。衣装着雛天神の一番古いものは、1853年(嘉永6年)に製作されています。この二つが、駿河雛人形の起源と言われているものです。
 また、江戸時代には、京や江戸から駿河に集まった職人が、京雛、江戸雛の技術や意匠を持ち込み、駿河独自の技術との融合により、質の高い雛人形が製作されていきました。その後、立天神、立雛のほかに、若夫婦の親王雛や老夫婦の高砂などの人形が、節句人形として製作され、江戸時代後期には、立雛天神や内裏雛、五月人形も製作されるようになりました。そして、以降は、三人官女や五人囃子なども含めた15人揃の、華やかな段飾りが登場します。
 2015年(平成27年)現在の静岡県には、3月の節句の際に5月の節句も兼ねて、男の子のいる家庭で、内裏雛とともに雛天神や五月人形を飾る風習が残っており、駿河雛人形の由来となっています。

*https://kogeijapan.com/locale/ja_JP/surugahinaningyo/ より

 

 思いを込めた雛人形のその優しい存在感 駿河雛人形
 静岡の雛人形のルーツは天神信仰に基づく「天神雛」である。男児誕生を祝って贈られる天神雛にたいし、女児誕生には内裏雛が贈られるようになった。県内では1カ月遅れの4月3日に両方の雛を飾り、女の子も男の子も一緒に節句祝いするところが多いという。

 
 分業体制による全国シェアの拡大
 雛人形は頭(かしら)と胴体、手足、飾り物が分業で作られており、静岡はそのうちの胴体制作では全国生産の約7割を占める。量産体制が可能になったことで発達した産業ともいえる。人形制作「高木人形」の作業場をのぞくと、床一面に所狭しと制作途中の人形が積み上げられていた。色鮮やかな衣装が目に飛び込んでくる。広い部屋の中で10人ほどの女性従業員が慣れた手つきで次々と作業をこなしている。機械を使うこともなく地味で静かな作業場ではあるが、きらびやかな衣装の明るい色彩のために、どこか異空間に迷い込んでしまったような、不思議な雰囲気に包まれる。


 技術が人形の「人らしさ」を生む
 社長の小林昇さんは26歳でこの業界に入り、実際に人形作りを始めてからのキャリアは25年ほど。流れ作業的に行われる胴体作りの中で、仕上げである振り付け(腕折り)が小林さんの仕事だ。1日50組は作るという量産体制を支えるのは、素早く正確な仕事を可能にする技術だろう。振り付けを待つ人形が小林さんの脇に並ぶ。実のところ、頭のつかない胴体だけの状態のものを「人形」としてとらえるのは難しい。美しい衣装をつけていても、やはりそれはまだ、きれいな布を使った「物」にしか見えない。ところが、まっすぐ横に伸ばされた腕を小林さんが「目打ち」を使って折り曲げ、動作をつけると、まるで命を吹き込まれたように「物」が「人形」へと変化する。人らしい温もりが生まれてくる。

 時代とともに好まれる人形も変わる
 「振り付けには職人の技術が集約され、個性が発揮される。」とよく言われる。「衣装を着た姿をきっちり見せることが必要ですからね。左右対称でなければならないし、首から肩、肩からひじ、ひじから手首と、長さのバランスも重要です。いちいち物差しで測るわけではないから、ある程度は勘でやるわけです。」袖の部分に綿をつめるなどして、型くずれしないように、また女性の優雅さ、男性のりりしさが表現されるようにする。衣装の色の重ね方にも職人の癖が出る。「そりゃ、自分の好きな色を使うからね。」だが、自分の好みを客に押しつけすぎてもいけない。「まず客がいて、注文をとっての仕事ですから、あまり頑固にこだわるわけにはいきません。買ってもらえなければ意味がないでしょう。」客の要望に応えながら、売れるものを作る。好まれる人形の顔だちや衣装の色合いは、やはり時代によって変わるらしい。バブルのころは淡い色の衣装に人気があったが、最近は昔風のオーソドックスなものに戻っている。顔立ちも昭和40年代の高度経済成長期には丸顔で目がはっきりしたものだったのが、今では細面で切れ長の目の古典的なものが復活しているという。時代の精神が人形作りにも影響する。


 飾ることを考えて、きれいに作る
 少子化、住宅事情の変化で売り上げを伸ばすのは難しくなっている。東京や大阪など大都市になるほど家が狭く、立派な人形を贈りたくても置く場所がない。「最近では3月に飾る時以外は預かります、という人形メーカーもありますよ。」時代の変化に応じて、作る側も柔軟な発想が求められるところではあるが、若い世代に節句行事のもつ意味を再認識してもらうことも必要だ。雛祭りは、もともと紙やワラで作った人形(ひとかた)に子どもの厄災を移して、海や川に流した「流し雛」の習慣がもとになったもの。それがしだいに健康や幸せを願うという意味合いで人形を飾るようになった。子どもを思う気持ちとともに、職人の精魂も込められている。託されてきた日本人の思いを忘れたくはない。


 職人プロフィール

 小林昇 (こばやしのぼる)

 1944年生まれ。人形に関わり続けて30年。話をする間も振り付け作業の手を休めない。


 こぼれ話

 農業神としても敬われた天神様

 天神様、すなわち菅原道真は学問の神様として有名ですが、もうひとつ、農業の神様でもありました。静岡の雛人形のルーツと呼ばれる土天神(練り天神)は、朱色の彩色を施しています。かつては稲を植えて水を引き入れるときに土天神を置き、天の農業神を招く目印にしたということですが、その朱色は火と太陽に通じるもので、生育する稲に虫がつかないよう、祈りをこめたものでもあったそうです。現在、静岡でこの土天神を作っている職人は一人しかいません。
 桐の挽き粉と生麩糊とを練って型抜きしたものを、乾燥させて色をつけるのですが、その素朴さと鮮やかな色が印象的です。細い眉と切れ長の涼しい目。顔の表情も作り手によってずいぶん変わりますが、この人形を見ると神様が身近な存在に感じられます。

*https://kougeihin.jp/craft/1306/ より

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