「会場構成」
大阪・関西万博の会場は、埋立工事や地盤条件を考慮し、大きく3つのエリアに分けて構成されている。エリアは事業計画時の呼称であり、開催期間中、これらはシンボルとなる「大屋根リング」を基軸に8つのゾーンに細分化されている。
パビリオンワールド
万博の花形であるパビリオンなどの施設が集まるにぎわいのエリア。パビリオンワールドでは、会場を大きく囲むようなリング状のメインストリートが設定され、その上空には大屋根(リング)が設置される。大屋根は、日除けや雨避けの機能であると共に、屋根上に空中回廊が設置されることで、展望歩廊の役割も果たす。2021年9月には大阪府木材連合会がリングを国産の木材で建設するよう提案した。また大屋根やパビリオンの中心には、来場者の憩いの空間として「静けさの森」が配置される。
ウォーターワールド
会場南側の水景を活用した憩いのエリアであり、世界史上初の海上万博を象徴する場所である。水辺に面して飲食施設を配置すると共に、「空気と水のスペクタクルショー」などの水上イベントの舞台としても活用される。夕刻になると、大屋根リング上から、古代より絶景と謳われた瀬戸内海に沈む夕日を眺めることができる。
グリーンワールド
会場西側の海に面した緑地エリアで、開放的で緑あふれる空間である。屋外イベント広場や、ベストプラクティスエリア、また先進的なモビリティ(空飛ぶクルマなど)が体験できるモビリティエクスペリエンスなどが設置される。またバスターミナルおよび西側ゲートが設置される。
大屋根リング
内周直径約615m、1周約2kmの世界最大級の木造建築物。2023年6月に着工し、2025年2月に竣工した。屋上には遊歩道が設置され登ることができる。
大屋根リング(おおやねリング、英: The Grand Ring)は、大阪府大阪市此花区の夢洲に位置する円形の建造物。2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)のシンボルとして建設され、世界最大の木造建築物(英: The largest wooden architectural structure、建築面積:61,035.55平方メートル)としてギネス世界記録に認定された。
概要
2025年(令和7年)4月13日から10月13日の184日間にわたって開催される大阪・関西万博の会場デザインの理念「多様でありながら、ひとつ」を表すシンボルとして2023年6月に着工、2025年2月に竣工した。デザインは藤本壮介が手掛け、基本設計は東畑建築事務所・梓設計JVが担当、工事は3組のJVが分担して施工した。建設費は約350億円。
大屋根リングには神社仏閣の技術である貫(ぬき)接合と現代工法を組み合わせた構造が採用されており、7割は日本産のスギ・ヒノキ、3割は外国産のオウシュウアカマツが使用されている。
藤本は大屋根リングを木造にした理由について、日本の1000年以上の木造建築の歴史と伝統を活かしつつ、日本が木造で世界的イニシアチブを握るというメッセージを出すためだと述べている。円形であることについては、機能性と象徴性を兼ね備えていることを理由として挙げている。
屋上
大屋根リングには階段のほか4か所のエスカレーターと6基のエレベーターが設置されており屋上に登ることができる。屋上には約32,500 m2の植栽と「スカイウォーク」と呼ばれる回廊があり、訪問者は約30分かけて一周できる。全周は当初約2 kmとされたが、通路の中心部を基準に計測すると開催年と同じ約2,025 mであることが判明した。
南側は水辺空間「ウォータープラザ」に面しており、会期中は会場を見下ろす形で水上ショーなどを見ることができる。
閉幕後
万博閉幕後には解体・撤去される予定であり、木材の一部のみが再利用される方針となっている。レガシーとして残すべき、という意見があるものの、現在は仮設建築物として設計されているため、常設化には大規模な補強や維持管理費など多くの課題がある。
ゾーン
コネクティングゾーン
大屋根リング内部北側。ドイツ・スペイン・韓国などの海外パビリオンが並ぶ。
エンパワーリングゾーン
大屋根リング内部東側。アメリカ・フランスなどの海外パビリオンや国際機関パビリオンが並ぶ。
セービングゾーン
大屋根リング内部西側。イギリス・イタリア・ベルギーなどの海外パビリオンが並ぶ。
静けさの森ゾーン
大屋根リング内部中央。約1,500本の樹木と池がある森林空間。
シグネチャーゾーン
大屋根リング内部、セービングゾーンとエンパワーリングゾーンの間。8つのシグネチャーパビリオンが設置。
フューチャーライフゾーン
会場西端。次世代技術や未来社会ショーケース、空飛ぶクルマの離着陸場など。
西ゲートゾーン
大屋根リング外部西側。企業パビリオンが並ぶ。
東ゲートゾーン
大屋根リング外部東側。企業・自治体・日本館などが並ぶ。
*Wikipedia より
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます