河北新報
原発・エネルギー政策が争点に浮上する東京都知事選の行方を、福島第1原発事故の影響を受ける東北の知事や市町村長が注視している。福島県を中心に脱原発の世論喚起を期待する首長がいる一方、原子力との共存を図ってきた青森県など原発立地の自治体は警戒を強める。1300万首都は電力の一大消費地。省エネ都市への転換を求める声もあった。
「都民は福島の苦い経験を共有してほしい。日本の中心で脱原発が選択されれば、世論を動かす原動力になる」。原発事故で町全域が避難区域に指定された福島県浪江町の馬場有町長は、脱原発の争点化を歓迎した。
事故後、福島県内では約14万人が避難生活を強いられ、ストレスによる震災関連死も増えている。佐藤雄平知事は22日の記者会見で原発論戦の意義を強調しながら「(福島の現状が)都民が投票する際、一つの判断材料になるかもしれない」との認識を示した。
原発事故で東北各地の農水産物は風評被害にさらされた。岩手、山形両県知事は脱原発の高まりに期待する。
「卒原発」を掲げる吉村美栄子山形県知事は20日の記者会見で、脱原発を掲げる元首相の細川護熙氏(76)への共感を示し「知事選の結果が、国のエネルギー政策にしっかりと反映されてほしい」と話した。
細川氏を支援する生活の党に近い達増拓也岩手県知事も同日の記者会見で「エネルギー政策の在り方は、前回衆院選で(明確な争点にならず)国民的議論が中断した」と議論再燃を評価した。
使用済み核燃料再処理工場など原子力施設が集中する青森県では戸惑いの声が漏れる。建設中の電源開発(Jパワー)大間原発が立地する大間町の金沢満春町長は「2020年の東京五輪までに原発に代わるエネルギー源が確保できるのか。もっと慎重に議論すべきだ」と注文を付けた。
宮城県では、原子力規制委員会による東北電力女川原発2号機(女川町、石巻市)の安全審査が始まった。
村井嘉浩知事は20日の記者会見で、原発即時全廃に否定的な元厚生労働相の舛添要一氏(65)の考えに近いと明言。「戸知事が脱原発を表明すれば多少の影響はあるが、国策なので直ちに止まるようなことにならないと思う」と述べた。
佐竹敬久秋田県知事は同日の記者会見で「東京はエネルギーを地方に頼って膨張してきた」と指摘。「都市規模を縮小するなり、大きなビルを建てないなど(省エネ型の)都市づくりを議論してから脱原発を論じるべきだ」と語った。
2014年01月27日月曜日
原発・エネルギー政策が争点に浮上する東京都知事選の行方を、福島第1原発事故の影響を受ける東北の知事や市町村長が注視している。福島県を中心に脱原発の世論喚起を期待する首長がいる一方、原子力との共存を図ってきた青森県など原発立地の自治体は警戒を強める。1300万首都は電力の一大消費地。省エネ都市への転換を求める声もあった。
「都民は福島の苦い経験を共有してほしい。日本の中心で脱原発が選択されれば、世論を動かす原動力になる」。原発事故で町全域が避難区域に指定された福島県浪江町の馬場有町長は、脱原発の争点化を歓迎した。
事故後、福島県内では約14万人が避難生活を強いられ、ストレスによる震災関連死も増えている。佐藤雄平知事は22日の記者会見で原発論戦の意義を強調しながら「(福島の現状が)都民が投票する際、一つの判断材料になるかもしれない」との認識を示した。
原発事故で東北各地の農水産物は風評被害にさらされた。岩手、山形両県知事は脱原発の高まりに期待する。
「卒原発」を掲げる吉村美栄子山形県知事は20日の記者会見で、脱原発を掲げる元首相の細川護熙氏(76)への共感を示し「知事選の結果が、国のエネルギー政策にしっかりと反映されてほしい」と話した。
細川氏を支援する生活の党に近い達増拓也岩手県知事も同日の記者会見で「エネルギー政策の在り方は、前回衆院選で(明確な争点にならず)国民的議論が中断した」と議論再燃を評価した。
使用済み核燃料再処理工場など原子力施設が集中する青森県では戸惑いの声が漏れる。建設中の電源開発(Jパワー)大間原発が立地する大間町の金沢満春町長は「2020年の東京五輪までに原発に代わるエネルギー源が確保できるのか。もっと慎重に議論すべきだ」と注文を付けた。
宮城県では、原子力規制委員会による東北電力女川原発2号機(女川町、石巻市)の安全審査が始まった。
村井嘉浩知事は20日の記者会見で、原発即時全廃に否定的な元厚生労働相の舛添要一氏(65)の考えに近いと明言。「戸知事が脱原発を表明すれば多少の影響はあるが、国策なので直ちに止まるようなことにならないと思う」と述べた。
佐竹敬久秋田県知事は同日の記者会見で「東京はエネルギーを地方に頼って膨張してきた」と指摘。「都市規模を縮小するなり、大きなビルを建てないなど(省エネ型の)都市づくりを議論してから脱原発を論じるべきだ」と語った。
2014年01月27日月曜日