大川原有重 春夏秋冬

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96条、原発でずれ鮮明=参院選後にきしみも-自公

2013-07-01 13:49:58 | 原子力関係
96条、原発でずれ鮮明=参院選後にきしみも-自公【13参院選】
 29日行われた与野党幹事長らによる討論会で、憲法改正や原発政策に関する自民、公明両党のスタンスの違いが浮き彫りとなった。自公両党は安倍政権の経済政策「アベノミクス」の成果を前面に掲げて参院選に臨み、過半数確保を目指すが、重要課題への対応をめぐり選挙後にきしみが生じる可能性もはらんでいる。
 改憲発議要件を緩和するため、憲法96条を先行改正すべきかどうか-。この問題への賛否を問われた自民党の石破茂幹事長は、「マル」の札を掲げた。
 自民党は参院選公約で96条について、慎重論の根強い公明党に配慮し、先行改正の明記は見送った。しかし、石破氏は討論会で先行改正に賛成した上で、「衆参どちらかの3分の1が(改憲発議に)反対すれば、主権者が(国民投票の)権利を行使できないのはいいと思わない」と指摘。一方、公明党の井上義久幹事長は「硬性憲法は維持すべきだ」として、「バツ」を示した。原子力政策でも、「原発ゼロ」を目指すとした井上氏と、これに反対する石破氏の溝が鮮明となった。
 安倍晋三首相はこのところ、改憲に関する発言をトーンダウンさせている。ただ、意欲が衰えたわけでは決してなく、26日の記者会見では「現実的な政治課題として表れつつある」と改憲への手応えも強調。自民党内には「参院選で勝てば、改憲論議はまた動きだす」(閣僚経験者)との期待が広がる。
 討論会でも、96条先行改正を掲げる日本維新の会の松野頼久国会議員団幹事長が「自民党との協力」に言及すると、石破氏は「96条ではほとんど一緒で、そこでは組める」とすかさず秋波を送った。
 「今までも、自公で有事法制や自衛隊のイラク派遣などを徹底して議論してきた」。石破氏は、自公両党のずれが目立つ課題で与党内調整に全力を挙げる考えも示した。その公明党からは「維新が一時の勢いをなくしているので、自民党はうちを無視できないだろう」(幹部)と、自民党の「前のめり」姿勢をけん制する声が出ている。(2013/06/29-20:11)時事

自民、原発ゼロに反対=公明・野党は「目標」-幹事長討論会

2013-07-01 13:48:11 | 原子力関係
自民、原発ゼロに反対=公明・野党は「目標」-幹事長討論会【13参院選】

与野党幹事長らによる討論会で発言する自民党の石破茂幹事長(左端)=29日午後、大阪市中央区
 与野党9党の幹事長らによる討論会が29日、大阪市内で行われ、参院選の争点となる原発政策や憲法改正をテーマに論戦を交わした。自民党を除く8党が「原発ゼロ」を目標とする方針を示したのに対し、自民党の石破茂幹事長は「ただ『脱原発』と国民を惑わすことを言ってはならない」と明確に反対した。
 石破氏は「原発依存度は下げる」としながらも、安全を確保した上で再稼働を進める考えも強調した。これに対し、公明党の井上義久幹事長と民主党の細野豪志幹事長、みんなの党の江田憲司幹事長らは、「原発ゼロを目指すか」との問いにいずれも賛成と回答した。
 細野氏は、安倍政権による原発輸出推進について「民主党政権は東京電力福島第1原発事故後、抑制的に対応した。安倍晋三首相を筆頭に売って回ることには違和感がある」と批判。江田氏は「原発を動かすほど増える核のごみの行き場は決まっていない。無責任だ」とし、共産党の市田忠義書記局長も「原発事故は収束しておらず、再稼働も輸出もあり得ない」と訴えた。
 憲法改正の発議要件を衆参両院の3分の2以上から過半数の賛成に緩和するための96条先行改正については、石破氏と日本維新の会の松野頼久国会議員団幹事長が賛意を表明。一方、細野氏は「改憲には3分の2の同意を得る努力をすべきだ。先に要件を緩和するのは姑息(こそく)だ」と指摘し、与党の井上氏も「国民的議論が成熟して初めて発議できる」と慎重な姿勢を示した。 
 討論会には生活の党の小宮山泰子国対委員長、社民党の吉田忠智幹事長代理、みどりの風の亀井亜紀子幹事長も参加した。(2013/06/29-18:35)時事

汚染基準超で構外走行=福島第1の生コン車-東電

2013-07-01 13:46:29 | 原子力関係
汚染基準超で構外走行=福島第1の生コン車-東電時事
 東京電力は29日、福島第1原発で作業する生コンクリート車が放射線基準を超える汚染状態のまま、同原発構外を走行したと発表した。運転していた作業員は汚染を指摘されながら、除染しないで構外に出たといい、東電が詳しい状況を調査している。
 東電によると、この車は構内で放射線測定をしたところ、後部バンパー上部付近で2万2000CPM(1分当たりの放射線検出回数)を確認。構外へ出ることができる基準値である1万3000CPMを超えていたため除染の指示を受けたが、午後1時25分ごろにそのまま外部に出たという。
 車は福島県楢葉町にある工場で生コンクリートを積み、約1時間10分後に同原発に戻ってきた。その際に再度測定したところ、同じバンパー上部付近で2万CPMを計測。除染を実施した。
 東電は「汚染車両が走行したことによる影響はないと確認した」としている。(2013/06/29-23:17)

作業員確保に苦しむ福島第一原発

2013-07-01 13:35:36 | 原子力関係
Stricken Japan nuke plant struggles to keep staff

作業員確保に苦しむ福島第一原発

カゲヤマ・ユリ

TOKYO (AP) ― Keeping the meltdown-stricken Fukushima nuclear plant in northeastern Japan in stable condition requires a cast of thousands. Increasingly the plant's operator is struggling to find enough workers, a trend that many expect to worsen and hamper progress in the decades-long effort to safely decommission it.

メルトダウンを起こした福島第一原発を安定した状態に保っておくためには、数千人の人間が必要だ。ところが、原発運転者にとって、十分な数の作業員を確保するのが次第に難しくなってきている。この状況が更に悪化すれば、数十年かかる廃炉作業の進捗を妨げかねない、と危惧する人々も多い。

Tokyo Electric Power Co., the utility that runs the Fukushima Dai-ichi plant that melted down in March 2011 after being hit by a tsunami, is finding that it can barely meet the headcount of workers required to keep the three broken reactors cool while fighting power outages and leaks of tons of radiated water, said current and former nuclear plant workers and others familiar with the situation at Fukushima.

2011年3月の津波襲来後にメルトダウンを起こした福島第一原発を運営する東京電力は、壊れた原子炉3基を冷やし、停電や放射能汚染水の漏洩と戦う作業員の頭数をそろえるのに苦心している。原発の現在の作業員、元作業員、福島原発の現状に詳しい人々はそう語る。

Construction jobs are already plentiful in the area due to rebuilding of tsunami ravaged towns and cities. Other public works spending planned by the government, under the "Abenomics" stimulus programs of Prime Minister Shinzo Abe, is likely to make well-paying construction jobs more abundant. And less risky, better paid decontamination projects in the region irradiated by the Fukushima meltdown are another draw.

建設の仕事は既に潤沢にある。津波で破壊された町や市を再建するためだ。安倍晋三首相の「アベノミクス」による景気刺激策の元、政府が計画する公共事業支出で、賃金の良い建設の仕事が更に増える見込みだ。それに、福島原発のメルトダウンで放射能汚染された地域の除染プロジェクトも、原発で働くより危険が少なく賃金も高く、魅力的だ。

Some Fukushima veterans are quitting as their cumulative radiation exposure approaches levels risky to health, said two long-time Fukushima nuclear workers who spoke to The Associated Press. They requested anonymity because their speaking to the media is a breach of their employers' policy and they say being publicly identified will get them fired.

福島のベテラン作業員が現場を離れだしている。累積被曝量が健康に害を及ぼすレベルに近づいているためだ、と、福島原発ベテラン作業員二人がAP通信に語った。メディアと話をすることは彼らの所属する会社のポリシーに違反するため、彼らは匿名を希望した。身元が公けになってしまうと解雇される、と彼らは言う。

TEPCO spokesman Ryo Shimizu denied any shortage of workers, and said the decommissioning is progressing fine.

東電の広報担当のシミズ・リョウ氏は作業員不足を否定し、廃炉は順調である、と言う。

"We have been able to acquire workers, and there is no shortage. We plan to add workers as needed," he said.

「作業員を集めることにはこれまで問題はなく、作業員不足もない。必要に応じて、作業員を追加する予定である」、と彼は言う。

The discrepancy may stem from the system of contracting prevalent in Japan's nuclear industry. Plant operators farm out the running of their facilities to contractors, who in turn find the workers, and also rely on lower-level contractors to do some of their work, resulting in as many as five layers of contractors. Utilities such as TEPCO know the final headcount ― 3,000 people now at Fukushima Dai-ichi ― but not the difficulties in meeting it.

この矛盾は、日本の原子力産業で広く行われている請負制に端を発しているのかもしれない。原発運転者は原発施設の運営を下請け企業に請け負わせ、その下請け企業が作業員を集め、更に下位の企業に作業の一部を請け負わせ、最終的には5段階の下請けレベルになることもある。東電のような電力会社は最終的な頭数は承知している - 現在の福島第一では3000人 - が、その数をそろえるのが困難であることは知らない。

TEPCO does not release a pay scale at Fukushima Dai-ichi or give numbers of workers forced to leave because of radiation exposure. It does not keep close tabs on contracting arrangements for its workers. A December 2012 survey of workers that the company released found 48 percent were from companies not signed as contractors with the utility and the workers were falsely registered under companies that weren't employing them. It is not clear if any laws were broken, but the government and TEPCO issued warnings to contractors to correct the situation.

東電は福島第一原発の給与水準を発表しておらず、被曝のために現場を離れざるを得なかった作業員の数も公表していない。作業員の請負手配をしっかり把握しているわけでもない。2012年12月に行った作業員のアンケートによると、作業員の48パーセントが下請けとして東電と契約している会社以外から来ており、それらの作業員は自分たちを雇用してるわけではない会社の社員として偽りの登録をしていた。違法行為であったかどうかははっきりしないが、政府と東電は下請け企業にこのような状況を改善するよう警告した。

Hiroyuki Watanabe, a city assemblyman for Iwaki in Fukushima, who talks often to Fukushima Dai-ichi workers, believes the labor shortage is only likely to worsen.

福島県いわき市の市議、渡辺博之氏は福島第一原発の作業員としばしば話をするが、彼は作業員不足は今後悪化する一方だろう、と考えている。

"They are scrounging around, barely able to clear the numbers," he said. "Why would anyone want to work at a nuclear plant, of all places, when other work is available?"

「集め回っていますが、かろうじて人数が足りている、といったところ」、と彼は言う。「選りに選って原発で働きたい人など、いない。まして他に仕事があるんだから。」

According to Watanabe, a nuclear worker generally earns about 10,000 yen ($100) a day. In contrast, decontamination work outside the plant, generally involving less exposure to radiation, is paid for by the environment ministry, and with bonuses for working a job officially categorized as dangerous, totals about 16,000 yen ($160) a day, he said.

渡辺氏によると、原発作業員は大体一日に約1万円(100ドル)稼ぐ。それに比べて、原発の外の除染作業は原発作業に比べて被曝量が少なく、作業の支払いは環境省によって行われ、政府が危険であると分類した作業であるために手当が付き、合計で一日1万6千円(160ドル)である、という。

Experts, including even the most optimistic government officials, say decommissioning Fukushima Dai-ichi will take nearly a half-century. TEPCO acknowledges that the exact path to decommissioning remains unclear because an assessment of the state of the melted reactor cores has not yet been carried out.

専門家、もっとも楽観的な政府の関係者でさえ、福島第一原発の廃炉は半世紀近くかかる、と言う。溶融した炉心の状態が評価できないため、廃炉の道のりは未だにはっきりしない、と東電も認めている。

Since being brought under control following the disaster, the plant has suffered one setback after another. A dead rat caused a power blackout, including temporarily shutting down reactor-cooling systems, and leaks required tons of water to be piped into hundreds of tanks and underground storage areas. The process of permanently shutting down the plant hasn't gotten started yet and the work up to now has been one makeshift measure after another to keep the reactors from deteriorating.

安定化はしたものの、福島原発は次から次へと問題に見舞われている。死んだねずみのために電源停止になり、原子炉冷却システムが一時停止。漏洩のために大量の水を数百のタンクや地下貯水槽に移送。原発を恒久的にシャットダウンするプロセスは始まってもいないし、これまでの作業は原子炉の状態がこれ以上悪くなるのを防ぐための当座しのぎの作業を繰り返しているにすぎない。

Thousands of spent nuclear fuel rods that are outside the reactors also have to be removed and safely stored. Taking them out is complex because the explosions at the plant have destroyed parts of the structure used to move the rods under normal conditions. The process of taking out the rods, one by one, hasn't even begun yet. The spent rods have been used as fuel for the reactors but remain highly radioactive.

原子炉の外にある何千もの使用済み燃料も取り出して安全に保管する必要がある。、通常であれば燃料棒を取り出すのに使う建屋の部分が爆発で破壊されたため、燃料の取り出しは複雑な作業になる。燃料棒を一本一本取り出す作業は、まだ始まってもない。使用済み燃料棒は原子炉で既に燃料として使われたものだが、放射能は高いままだ。

One Fukushima Dai-ichi worker, who has gained a big following on Twitter because of his updates about the state of the plant since the meltdowns, said veteran workers are quitting or forced to cut back on working in highly radiated areas of the plant as their cumulative exposure rises.

メルトダウン以降、現場の最新情報ツイートしてツイッターで多くのフォロワーを獲得した福島第一の一人の作業員は、累積被曝量が上がっているためベテラン作業員が辞めたり、仕事量を減らさざるを得なくなったりしている、と語る。

"I feel a sense of responsibility to stick with this job," he told AP. "But so many people have quit. Their families wanted them to quit. Or they were worried about their children. Or their parents told him to go find another job."

「この仕事をやり遂げる責任を感じている」、と彼は言う。「でも、多くの人が辞めた。家族が辞めて欲しいと言ったり、子供のことが心配だったり。親が、他の仕事を探すように、と言ったり。」

Known as "Happy-san" to his 71,500 Twitter followers, he has worked in the nuclear industry for 20 years, about half of that at Fukushima. He has worked at bigger contractors before, but is now at a mid-level contractor with about 20 employees, and has an executive level position.

71500人のツイッターフォロワーに「ハッピーさん」として知られる彼は、原子力産業で20年働いてきた。そのうち半分が福島である。以前は大規模下請け企業数社で働いたことがあるが、現在は20人ほどの従業員のいる中レベルの下請け企業で、彼は管理職のポジションに就いている。

"If things continue the way they are going, I fear decommissioning in 40 years is impossible. If nuclear plants are built abroad, then Japanese engineers and workers will go abroad. If plants in Japan are restarted, engineers and workers will go to those plants," he said in a tweet. Most of Japan's nuclear plants were shut for inspections after the Fukushima disaster.

「このままの状態が続いたら、40年で廃炉はとても無理だと思う。原発が海外で建設されれば、日本のエンジニアや作業員は海外に行く。日本の原発が再稼動されれば、エンジニアや作業員は再稼動された原発に行く」、と彼はツイートした。日本の原発のほとんどは、福島事故後、点検のために停止された。

His cumulative radiation exposure is at more than 300 millisieverts. Medical experts say a rise in cancer and other illnesses is statistically detected at exposure of more than 100 millisieverts, but health damage varies by individuals. He was exposed to 60 millisieverts of radiation the first year after the disaster and gets a health checkup every six months.

彼の累積被曝率は、300ミリシーベルトを超える。100ミリシーベルト以上の被爆でがんその他の病気が統計的[有意]に発見される、と医学専門家は言うが、健康被害は個人によって異なる。彼は事故の最初の年で60ミリシーベルト被曝し、半年ごとに健康診断を受けている。

Nuclear workers generally are limited to 100 millisieverts exposure over five years, and 50 millisieverts a year, except for the first year after the disaster when the threshold was raised to an emergency 100 millisieverts.

原子力作業者は通常、5年間に合計100ミリシーベルトまでの被曝、1年の最大被曝量は50ミリシーベルトまで、と決められている。事故の最初の年は緊急時の例外として、この限度が100ミリシーベルトに引き上げられた。

The workers handle the day-to-day work of lugging around hoses, checking valves and temperatures, fixing leaks, moving away debris and working on the construction for the equipment to remove the spent fuel rods.

作業員たちは毎日、ホースを担ぎ、バルブのチェック、温度のチェック、水漏れを直し、がれきを撤去し、使用済み燃料を取り出す装置のための建設に従事する

Other jobs are already so plentiful that securing enough workers for even the more lucrative work decontaminating the towns around the plant is impossible, according to Fukushima Labor Bureau data.

福島県労働局のデータによると、他の仕事が既に潤沢にあるため、原発の仕事よりも見入りのいい、原発周辺の自治体の除染の仕事でさえ、作業員の確保が非常に難しくなっている。

During the first quarter of this year, only 321 jobs got filled from 2,124 openings in decontamination, which involves scraping soil, gathering foliage and scrubbing walls to bring down radiation levels.

今年の最初の3ヶ月、2124の除染の仕事のうち、作業員が見つかったのはわずか321。土壌を掻いてすくい、草木を刈りあつめ、壁を洗って放射能レベルを下げる、という作業だ。

"There are lots of jobs because of the reconstruction here," said bureau official Kosei Kanno.

「ここには復興の仕事が沢山ある」、と福島労働局のカンノ・コウセイ氏は言う。

A former Fukushima Dai-ichi worker, who switched to a decontamination job in December, said he became fed up with the pay, treatment and radiation risks at the plant. He has 10 years of experience as a nuclear worker, and grew up in Fukushima.

去年の12月に除染作業に切り替えた福島第一の元作業員は、福島第一の給料、待遇、放射能リスクに嫌気が差した、と言う。彼は原子力作業者として10年の経験があり、福島で育った。

He warned it would be harder to find experienced people like him, raising the risk of accidents caused by human error.

彼は、これから彼のような経験のある人間を探すのはだんだん難しくなり、ヒューマン・エラーによる事故のリスクが増すだろう、と警告する。

He accused TEPCO of being more preoccupied with cost cuts than with worker safety or fair treatment. The utility went bankrupt after the disaster and was nationalized by a government bailout. Even if TEPCO somehow obtains workers in quantity in coming months, their quality would deteriorate, he said.

彼は、作業員の安全や待遇よりもコスト削減に気を取られている東電を非難する。事故後、東電は破産し、政府によって国有化された。[形式上は破産はしておらず、国有化でもないのですが、実質上はそういうことになるでしょう。訳者] 東電が将来、作業員の頭数をなんとかそろえることが出来たとしても、作業員の質は低下する、と彼は言う。

"We're headed toward a real crisis," said Ryuichi Kino, a free-lance writer and photographer who has authored books about the nuclear disaster and has reported on TEPCO intensively since March 2011.

「本当の危機に向かっている」、というのは、フリーのライターで写真家の木野龍逸氏。福島原発事故の本の著者であり、2011年3月以来東電について集中的にレポートしている。

Under the worst scenario, experienced workers capable of supervising the work will be gone as they reach their radiation-exposure limits, said Kino.

最悪のシナリオでは、作業を監督できる経験豊かな作業員が、被曝限度に達したためにいなくなってしまう、と木野氏は言う。

He believes an independent company separate from TEPCO needs to be set up to deal with the decommissioning, to make sure safety is not being compromised and taxpayer money is spent wisely.

彼は、東電から独立した会社を設立して廃炉を行う必要がある、と信じている。安全が軽視されないよう、税金が無駄に使われないようにするためだ。

Watanabe, the assemblyman, said the bigger nuclear contractors may go out of business because they are being under-bid by lower-tier companies with less experienced, cheaper workers. That is likely to worsen the worker shortages at the skilled level, he said.

渡辺市議は、原子力産業の大手下請けはいなくなるのではないか、と言う。下位の下請けが経験の浅い、安い作業員で安値攻勢をかけるためだ。それが熟練レベルでの作業員不足を深刻化させる、と彼は言う。

Happy-san has the same fear. Some of the recent workers, rounded up by the lesser contractors, appear uneducated and can't read well, he said.

ハッピーさんも同じ不安を持っている。小規模の下請けが集めてきた最近の作業員の中には、教育を受けていないような、字もろくに読めない人がいる、と彼は言う。

Although life at the plant has calmed compared to right after the disaster, Happy-san still remembers the huge blast that went off when one of the reactors exploded, and rubble was showering from the sky for what felt like an eternity.

福島原発での日常は事故直後と比べたら落ち着いた、というものの、原子炉[建屋]の一つが爆発した時の巨大な爆風、空から降ってくるがれきを、ハッピーさんはまだ覚えている。永遠に続くのではないかと思った、という。

"We had opened the Pandora's box. After all the evil comes out, then hope might be sitting there, at the bottom of the box, and someday we can be happy, even though that may not come during my lifetime," he said.

「私達はパンドラの箱を開けた。悪が全部箱から出て行った後に、希望がまだ中にあるかもしれない。箱の底に。またみんなが幸せになれる日が来るかもしれない。自分の生きているうちには来ないかもしれないけれど。」と彼は言う。


そういえば、東電を分離して、福島の廃炉を進める会社と、従来の電力事業を行う会社に分けるのが良い、と主張していたのは、ほかならぬ東電の勝俣会長でした。当時の民主党政権の枝野氏などが、「東電を身軽にさせるのは許さない」、として許可せず、結局東電の実質国有化で多額の国民の税金をつぎ込んでいます。

放射線審議会:全委員が空席…防護策に影響も

2013-07-01 13:31:58 | 原子力関係

放射線審議会:全委員が空席…防護策に影響も
毎日新聞 2013年03月30日 02時31分(最終更新 03月30日 08時20分)

 被ばく線量の基準を審議する原子力規制委員会の「放射線審議会」で昨年9月以降、委員の空席が続いている。政府の原子力行政に国民の関心が高まる中、規制委が任命要件を厳しくしたのが原因。政府は福島県の避難指示解除準備区域などで住民の帰還を支援するため、放射線防護策を検討しているが、審議会への諮問が遅れ、安倍内閣が掲げる「復興の加速」に影響する可能性もある。【阿部亮介】

 ◇昨年9月以降、委員の空席続く

 放射線審議会は民主党政権時代の昨年9月、文部科学省から、独立性の高い原子力規制委員会に移管された。丹羽太貫(にわ・おおつら)会長(京都大名誉教授)ら委員19人全員の任期は同年9月18日で切れており、後継委員の人選に入っている。

 規制委は審議会の透明性・中立性を高めようと、委員の任命要件を厳格化。原子力事業者の役員や研究者を除外したほか、任命直前の3年間に「同一の原子力事業者から年間50万円以上の報酬」「原子力事業者から研究室などへの寄付」の有無について、個々の委員に自己申告させて情報公開することも決めた。

 委員不在について、規制委の事務局にあたる原子力規制庁の担当者は「任命要件が厳しくなったため、人選に時間がかかる」と話している。

 政府は7日、復興推進会議と原子力災害対策本部の合同会合で、東京電力福島第1原発事故による避難者の早期帰還に向け、科学的な知見に基づく放射線の防護措置や低減策をまとめる方針を確認した。放射線の年間積算線量が20ミリシーベルト以下の避難指示解除準備区域では、帰還後の年間被ばく限度の基準設定も検討する。

 放射線審議会は東日本大震災発生後、除染関連業務に携わる職員の被ばく限度や、食品中の放射性物質の基準値などについて関係府省から諮問を受け、審議し、答申した。菅義偉官房長官は避難者の防護措置や低減策について「年内をめどに一定の見解を示す」としており、審議会が機能停止したままでは手続きが滞る可能性もある。

 ◇放射線審議会◇

 「放射線障害防止の技術的基準に関する法律」に基づき設置された諮問機関。学識経験者からなる20人以内の委員で構成される。昨年9月に文部科学省から原子力規制委員会に所管が移った。行政機関の長は、被ばく線量など放射線障害を防ぐための基準を定める際には、審議会に諮問しなければならない。下部組織として、専門的な事項を審議する基本部会が設置されている。

年間1ミリシーベルトの認識にズレ 区域解除へ対応課題

2013-07-01 13:13:34 | 原子力関係
福島民友新聞 6月30日(日)11時33分配信
 東京電力福島第1原発事故に伴う避難区域の解除に向けた協議が始まった田村市。区域解除に向けて、政府が除染の長期的な目標に設定した年間の追加被ばく線量1ミリシーベルト(空間線量で毎時0.23マイクロシーベルト)をめぐる住民間の認識の違いに、国と同市がどう対応するかが課題となっている。
 避難指示解除準備区域に指定され、11市町村で初めて国の直轄除染が完了した同市都路地区の多くの地域で除染後の数値は目標に届かなかったが、23日の住民説明会では早期帰還か、再除染かで住民の意見が分かれた。政府は避難区域解除で放射線量の基準を示さず対象の市町村や住民、県と協議して決めるとしている。
 同市の担当者は「再除染を求める声も早期帰還を求める声もどちらも心情的には理解できる。最終的な帰還の判断は個人でしてもらうしかない」としつつ、住民の要望調査など区域解除に向けてできる限り住民の意見をくみ取る方針を示す。同市は帰還支援を専門に担当する職員を配置するなどの対応を検討している。
 政府は避難区域の解除時期を日常生活に必要なインフラや生活関連サービス、除染作業が十分に進んだ段階としており、解除には住民の合意形成が必要となる。早期解除を目指す同市も「住民説明会は解除に向けた第一歩。住民に丁寧に説明していく」とし、住民理解が解除の前提との考えを示す。

汚染水の海への流出ないか 監視強化

2013-07-01 13:04:33 | 原子力関係
NHK
(6月29日 20:00更新)
東京電力福島第一原子力発電所で、観測用の井戸の地下水から放射性物質のストロンチウムなどが高い濃度で検出された問題で、詳しい調査のため海に近い場所に新たに掘った井戸の水でストロンチウムなどの濃度がさらに高い値を示し、東京電力は汚染水が海に流出していないか監視を強めるとともに、対策を急ぐことにしています。
福島第一原発では、5月下旬から今月にかけて、観測用の井戸の地下水から、放射性物質のトリチウムとストロンチウムが、国の海への排出基準を上回る濃度で検出され、汚染の広がりを調べるため、東京電力は、さらに海よりに新たに井戸を掘って、地下水の放射性物質の濃度を測っています。
その結果、28日採取した水ではストロンチウムなどベータ線という種類の放射線を出す放射性物質の合計の濃度が、新たに掘った井戸で、1リットル当たり3000ベクレル検出され、これまでの井戸で採取した水の2倍以上の値を示したということです。
海に近い井戸のほうが濃度が高かったことについて東京電力は、「理由は分からないが、海水では、放射性物質の濃度に大きな変化がなく、海に流れ出ているかは判断できない」としています。
東京電力は、さらに観測用の井戸を増やして監視を強めるとともに、海側の護岸の地盤を固めて、流出を防ぐ対策を急ぐことにしています。

フルMOX「難しい」 大間原発規制委員長が見解

2013-07-01 12:58:52 | 原子力関係
河北新報
 原子力規制委員会の田中俊一委員長は26日、世界で初めて全炉心でプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使う「フルMOX」を計画する電源開発大間原発(青森県、建設中)について「個人的な考えだが、今の日本で、世界でやったことがないことをやるのは一般論として非常に難しい」と述べ、フルMOXでの稼働に慎重な判断が必要との見解を示した。
 田中氏は「フルMOXは経験がなく、しっかりしたデータをとって判断すべき問題だ。前の原子力安全・保安院は認めたが、少し考える余地がある」とも述べた。
 関西電力高浜原発3、4号機(福井県)など、炉心の一部にMOX燃料を使うほかの原発は「海外でも例があり、国内でも実験データや経験がある」と述べ、再稼働審査で大きな支障にはならないとの見通しを示した。26日の記者会見で述べた。
 規制委事務局の原子力規制庁幹部は田中氏の発言を「フルMOXは安全性についてのデータが少なく、審査で厳しくみると言っただけ。当たり前のことだ」と説明した。


2013年06月27日木曜日

「被災者手帳」交付を 二重住民登録の必要性指摘

2013-07-01 12:22:22 | 原子力関係

「被災者手帳」交付を 二重住民登録の必要性指摘
 日本学術会議は27日、東京電力福島第1原発事故による避難者に「被災者手帳」を交付することを柱とする提言を公表した。事故前に住んでいた自治体と移住先の双方での権利を保障し、長期的な健康管理のため「健康手帳」機能を同時に持たせるべきだと提案した。
 取りまとめに当たった舩橋晴俊法政大教授は「これまでの災害対応の法体系では救えない事例が無数にある。思い切って新しい取り組みが必要だ」と訴えている。
 提言は、被災者手帳の交付で支援措置を明確化した上で、長期避難者に二重の住民登録を認めるべきだと指摘。避難先に住民票を移した場合も避難元自治体の住民としての地位も与え、元の自治体の復興計画策定などに関与できる仕組みを整えるべきだと主張した。
(2013年6月28日 福島民友ニュース)

賠償差額分」手続き開始 東電、包括請求者を対象に

2013-07-01 12:21:06 | 原子力関係

「賠償差額分」手続き開始 東電、包括請求者を対象に
 東京電力福島第1原発事故の就労不能損害や避難費用などで、東電は27日、一定期間の賠償金を一括で受け取る「包括請求方式」により東電から支払いを受けた人を対象に、実際の損害や負担額が賠償額を上回ったことによる差額分の請求手続きを開始すると発表した。28日から請求書類発送の受け付けを始める。
 包括請求方式は、賠償額を避難区域などに応じて算定、一定期間分を一括で支払う。精神的損害や就労不能損害などの賠償で導入されている。このうち、就労不能損害や避難に掛かった費用、家賃費用などは、賠償金を受け取った後の就労状況の変化や負担した費用の増加などにより、差額が生じる場合がある。
(2013年6月28日 福島民友ニュース)

廃炉へ課題未解決 工程表改定、技術開発が前提

2013-07-01 12:20:07 | 原子力関係
廃炉へ課題未解決 工程表改定、技術開発が前提
 政府や東京電力などでつくる廃炉対策推進会議は27日、東京電力福島第1原発1~4号機の廃炉に向けた工程表の改定版を決定した。溶け落ちた燃料の取り出し時期前倒しや、原子炉建屋への地下水流入を抑えるため建屋周辺の土を凍らせる「凍土遮水壁」の設置などを原案通り盛り込んだ。しかし、これらの廃炉作業は前例や実績がほとんどなく、工程表通りに作業が進むかどうかは不透明なままで、実効性が問われる。
 政府は改定工程表で、溶け落ちた燃料の取り出しについて号機ごとにさまざまなケースを想定して複数のスケジュールを示した。ただし、ほとんどが2018(平成30)年ごろまでの技術開発が前提で、開発が進まない場合は全てが実現しない恐れもはらむ。改定工程表は溶け落ちた燃料の取り出し準備として16年度から原子炉格納容器の燃料の状況調査を開始、18年度までに取り出し装置を開発するとした。
(2013年6月28日 福島民友ニュース)

福島第一原発、海側の別の井戸からも高濃度放射性物質

2013-07-01 12:15:51 | 原子力関係
TBS系(JNN) 6月30日(日)1時6分配信
 福島第一原発2号機の海側の井戸の地下水から高濃度の放射性物質が検出された問題で、東京電力は、新たに掘ったより海側の別の井戸の地下水からも、さらに高濃度の放射性物質が検出されたと発表しました。

 福島第一原発では、2号機の海側に掘られた井戸で5月採取された地下水から、国の基準を上回る高濃度のストロンチウムなどが検出されています。

 東京電力は、周辺に新しい井戸を掘って汚染の広がりを調べていますが、29日、これまでの井戸よりもより海に近い井戸の地下水から、ストロンチウムなどのベータ線を出す放射性物質が1リットルあたり3000ベクレルの濃度で検出されたと発表しました。これまでの井戸の地下水よりも2倍以上高い値です。

 東京電力は、「海に漏れているかどうかは判断できない」と話していますが、福島第一原発では、港湾内の海水に含まれる放射性物質のトリチウムの濃度が上昇傾向にあり、海への流出が疑われています。(29日23:42)