現在高層化計画について論議が行われている東京中央郵便局。
この東京中央郵便局とはどのようなものなのでしょうか
東京中央郵便局の前身である「四日市郵便役所」は、大阪、京都とともに1871年(明治4年)の日本の近代郵便制度開始にあたり設けられた、日本最初の郵便役所のひとつですまた、大阪中央郵便局とともに日本初の中央郵便局でもあります
1933年(昭和8年)より2008年(平成20年)まではJR東京駅丸の内口前に立地し、昭和時代(当時は郵便局は逓信省→郵政省、駅は日本国有鉄道が管理)は地下通路を通じて両地点間で鉄道郵便物のトロッコ輸送が行われていました。これは1978年(昭和53年)に廃止されましたが、この地下通路は東京駅構内で現在も利用されています。
かつては日本最大級の郵便局店舗でしたが、2008年(平成20年)5月に郵便事業丸の内支店が銀座支店への統合で集配事務が廃止され、同年7月の旧局舎から仮局への移転を機にゆうちょ銀行本店が単独店舗化して別の場所へ移転、仮局においてはゆうゆう窓口も開設されないため、現在、仮局は店舗周辺に数多くある郵便局とさほど変わらない規模となっています。
「東京中央郵便局を重要文化財に!」という動きのがあるこの建物ですが、この建物本体が初期モダニズム建築の重要な作品として知られています
設計者は旧逓信省の吉田鉄郎氏。
建物は当時、来日していたブルーノ・タウト、アントニン・レーモンドらに、伊勢神宮、桂離宮にも通底する合理性・機能性と美の融合を高く評価されたと伝えられています柱と梁によって構成された日本の木造建築を思わせる傑作だと絶賛され、日本の建築界が目を開いたというエピソードが残されていますが、重文に指定されたお堀端に建つ様式建築の華、明治生命本館より3年も前に竣工したことを考えると、この建築がいかに斬新でありその後の日本の近代建築に大きな影響を与えたことが窺い知れます。
ちなみにこの郵便局は、建築やその周辺の保存、資料収集をする国際組織、DOCOMOMO本部の要請によってDOCOMOMO・Japan(現)が選定した日本の近代建築20選に選ばれています
当時世界に誇った建物の1つ東京中央郵便局。
壊してしまうのは簡単なことではありますが、歴史をもった同じ建物を建てることは2度とできないこと。外国では多くの古い建物がそのまま生かされているのに対し、日本はスクラップアンドビルドが進んでいます現存の建物を生かしながら、現代にあった効率のよい空間を持てるような建物になれればいいのに。。。その点を十分考慮し、建て替え計画が進まれていくことを心から祈ります
tomo
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