GAIA所員のひとり言

建築設計事務所の一所員の、建築はもちろん、社会の様々なことについてのひとり言。

日本人女性初のIBM Fellow 浅川智恵子氏の言葉☆

2010-01-13 17:22:26 | Weblog

すごい日本人を見つけたと思いました。

浅川 智恵子氏。

日本IBMの東京基礎研究所に所属する全盲の研究員にして、過去5人のノーベル賞受賞者も就任した、世界最大のコンピューター企業の研究・技術者の最高職位「フェロー」に抜擢された方です。

知ったのは昨日放映されたNHK番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」。
この方の生き方、考え方が卓越しているように思われて、思わず前のめりになって見てしまいました。

IBM Fellow(フェロー)とは、全世界20万人以上の社員を有するIBMにおいて、「継続的かつ卓越した技術実績とエンジニアリング、プログラミング、サービス、科学技術の分野に貢献した最高の技術専門家の中から任命されるIBMの技術者の最高職位」です。IBMの歴史の中で、これまでわずか218名、内現役では75名しか在籍していないとこともあり選ばれるということは大変名誉なことです。
2009年6月7日にプレスリリースされた記事によると、浅川氏は日本人としては5人目、日本人女性としては初めて選ばれたとのこと。
1996年の塚田裕氏(当時野洲研究所実装技術開発担当)、2001年の内藤在正氏(当時日本IBM技術理事)に続き、日本人としては1967年の江崎玲於奈氏(1973年ノーベル物理学賞受賞・現横浜薬科大学 学長・財団法人茨城県科学技術振興財団 理事長)、2008年の伊藤洋氏(IBMアルマデン研究所)に続き5人目となります。

浅川氏は、同社において視覚障害者向けのアクセシビリティに関する研究開発の中心的立場として数々のプロジェクトに参画。これまでにWebページ読み上げソフト「IBM Home Page Reader」や、Webページのアクセシビリティー・チェック・ツール「aDesigner」、視覚障害者による動画再生支援ツール「aiBrowser」などを開発してきました。そのアクセシビリティー技術発展への貢献が認められ、今回の任命となりました。

アクセシビリティ(accessibility)とは、高齢者・障害者を含む誰もが、さまざまな製品や建物やサービスなどを支障なく利用できるかどうか、あるいはその度合いをいう。

彼女が取り組むのは視覚障害者や高齢者、また貧困などによって学校へ通えず、字の読めない人たちであっても、IT技術によって、さまざまな情報を簡単に手に入れられるようにする、いわばITのバリアフリーの研究。この研究は、目が見えない障がい者や高齢者、世界の“情報弱者”10億人以上の暮らしが一変すると期待されています。
例えば、ホームページリーダーでは、画面やマウス操作なしで、合成音声とキーボード操作だけでWEBにアクセスできることが可能となり、多くの方のネットの広がりを生み出すことに成功したといえます。文字認識困難=ネット不可能という枠組みとはせず、何事も可能性をもっており、実現できることを証明しました。今ではホームページリーダーは世界11カ国語版で開発され、希望のツールとして使用されています。
これって本当にすごいことですよね!!

浅川氏は14歳の時、プールの事故が原因で失明したそうです。絶望の淵をさまよった若き日。しかしその後、様々な困難を乗り越え、不屈の研究者になっていきました。
盲学校から大学の英文科へ進み、さらに職業訓練学校でコンピュータを学び、その後、研修生として日本IBMへ入り今に至るわけですが、その一連の過程で常に難しいほうを選びながら生きてきたそうです。
1人で出来ることが制約される人生と向き合い続けていく中で、浅川氏は、働きながら博士号を取得するなど、人一倍の努力を重ねながらも、多くの人の力を結集させることで初めて、1人では思いつきもしなかったような斬新な研究が生まれることを確信しています。

「プロフェッショナル」の中での浅川氏の言葉。

自分にできることは、限られている

あきらめなければ、必ず道はひらける

苦しいと思うまで突き詰めたら、道はひらける

彼女の歩んで生きている道を知りながら、彼女の声でこの言葉を聞くと、本当にそうだ!と心を強く持てる気がしてきます。
自分にも何かできるのではないか。正直、その自分に何ができるのかを見つけるのが一番苦戦するところではあると思いますが、浅川氏の場合は、同僚からの「それ面白いよ」という一言で自分の道を見つけたそうです。自分がしていかなければならない道、自分が人のために何ができるのか、見つけ出していけるよう、もっと考える力を持ちたいと思います。

世界が注目する日本人女性、浅川智恵子氏。
今できることの中で物事を考えるのではなく、今は不可能であってもいいからどうしたらみんなが「ワクワク」できるかをまず考えるべき、そうおっしゃっていた彼女の言葉に自分の生き方の目標を見つけることができました。
tomo


 

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