GAIA所員のひとり言

建築設計事務所の一所員の、建築はもちろん、社会の様々なことについてのひとり言。

やはり魅力的なこの講義!!!

2010-09-16 19:07:18 | Weblog

今回はマイケル・サンデル教授に関するお話。

このブログの4月19日付の記事でご紹介した「ハーバード白熱教室」のマイケル・サンデル教授。
「ハーバード白熱教室」というのは、サンデル氏がハーバード大で担当している講義「Justice(正義)」のあまりの人気ぶりから一般公開されることになったテレビ番組です。

そのサンデル氏が先月8月末に来日し、日本で特別講義を行いました。
サンデル氏の講義の特徴といえば、「ソクラテス型」の対話方式で進められること。
ハーバード大学では1000人を超える学生と対話方式でされていますが、今回の特別講義では500人の聴衆との対話方式となったようです。

さて、この様子をわたしは記事で読みました。
本日9月16日付の「ITmedia」
ニュース
読みながら、まるで自分も授業に参加しているかのようにサンデル氏の話に聞き入ってしまいます。

特に興味をもったのは、下記の問い。

サンデル 「ある私立の学校があるとします。非常に有名な学校で、入学するには非常に高い得点をとらなくてはならない学校です。ある裕福な親が、子どもをぜひこの学校に入れたいと思いました。でも、子どもはその得点に届かない。そこで親はあることを思いつきました。寄付をすることにしたのです。『2000万ドル寄付をしましょう。私の子どもを入れてくれたらね』と持ちかけたのです。この親のオファーを受けて、寄付を受ける代わりに得点に届かない子どもを入学させるのは正しいことでしょうか?」

その答えとしてまた面白かったのは、

ダン 「ダンといいます。私には本当に娘が2人いるのですけれど……私なら、寄付をしてぜひ自分の娘を入れたいですね! その学校の校長の立場に立ってみましょうか。2000万ドルの寄付があったら、定員数よりも、もっとたくさんの学生を入れられますよね。試験で入るはずだった人数は全部入れた上で、私の娘を入れればいい。そうすれば、代わりに落ちる子はいません。そして、寄付金を使って施設を増やしたり、良くしたり、新しく先生を雇ったり……寄付金のおかげでもっとよい教育ができるようになるでしょう? 誰も損はしない。むしろ得をするのだから、いい提案のはずですね」

この答えが正しいかは別として、これに反論することは非常に難しいのではないでしょうか。

一見答えがなさそうでありながら、物事の真髄に確実に迫っていく導き。
まさに見事。
講義が終わったあとは、スタンディングオベーション、そして鳴りやまない拍手であったようです。

ぜひとも生で参加してみたいものです。

tomo

 

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