シロ猫ピッピの「おいら物語」

生死をさまようガン闘病中に人間の言葉がわかるようになったシロ猫ピッピの物語。ニュージーランドからお送りしています!

Vol.0186■夜鳴きネコⅣ

2006-08-15 | アニキ物語
アイツは忙しいらしいけど、おいらは忙しくない。
アイツはよくわかんないけど、おいらは几帳面。
アイツのメルマガはよく止まるけど、おいらのはそうでもないぜ。
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引越してからしばらく、毎晩、落ち着かなかったおいら。
アイツは寝たいもんだから、とうとう自分たちのベッドにおいらを連れてきた。
アイツらの部屋は引越し荷物がいっぱい広がってて、おいらが舐めたいビニール袋もあちこちにあるから、ずっと入れなかったんだ。ビニールより寝たいってことか?

やっぱり落ち着かない。
しかもアイツらのベッドは子どものより高いから、うまく降りられない。
トシとったからね、上るのも大変だけど降りるのも大変なんだ。
降りられそうなところがないかウロウロした。

連れ合いなんか山みたいだから、一生けんめい上って反対側に降りる。
途中で動いたりするからアブナイ、アブナイ。落っこちゃうじゃないか。
そのとき、少し開いてたドアがもっと開いた。二本足にはわかんないだろうけど、おいらたちは風を感じるんだ。
アニキだ!

アニキはサッとベッドに上がってきた。音もしないし、爪も引っ掛けなくていい。おいらとは大違い。
においをかぎながら、ウロウロしだした。
アニキもアイツを踏んだり、連れ合いを乗り越えたり。
(←イスが精一杯のおいらには絶対できないこと)

でも連れ合いの頭の中のテレビにはなんにも映ってないから、寝てるんだ。
からだの上でなにかが動き回ってても起きないなんてスゴいよな。

アイツのテレビはぼんやりだけど、まだついてる。起きてる。
おいらがアニキの尻枕で寝てるとこが映ってる!
こうやって静かに寝てくれってことなんだろう。

アニキが連れ合いから降りかけたとき、ヤツが、
「ウーン。」
とデカい声を出してグルッと寝返った。アニキは一声、
「ニャー」

「うわーっ!!なっ、なんだぁぁぁぁぁ!」
ベッドが折れ曲がったのかと思うくらい連れ合いがガバッと起き上がった。おいらもアニキももうちょっとで落っこちるとこだった。

「なっ、なんだぁ?ネコが耳元で鳴いたぞ!」
「ここにいるからよ。」
「なんでこんなとこにいるんだ?静かに寝ろよ、ピッピ。」
「ピッピじゃないわ、チャッチャよ。ピッピは私の足の上!」
「え?チャッチャだって?」

アニキが大好きな連れ合いは詰まった。
チャ助ク~ン、ひどいじゃないかぁ、人が寝てるときに。」
「ニャー」
とアニキ。
「P(おいらのこと)!鳴かないで寝るんだぞ。あー、びっくりした。」
ふん、自分でネコ間違いしたくせに。
ほらね、連れ合いは子どもとおいらは怒っても、アニキは怒れないんだ。
(つづく)


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