シロ猫ピッピの「おいら物語」

生死をさまようガン闘病中に人間の言葉がわかるようになったシロ猫ピッピの物語。ニュージーランドからお送りしています!

Vol.0179■アニキの失踪 Ⅱ

2006-07-22 | アニキ物語
ずっと更新サボってたらしいから、がんばるニャン。
ホントは四つ足はがんばらないんだけど、二本足は好きなんだろ?
がんばるヤツが、さ。
==============================

「ねぇ、チャッチャ遅くない?遠くまで行っちゃったのかしら?」
キッチンでガサゴソやってたアイツが子どもに聞いてる。
「迷子になったのかな?」
「冒険に行ったんじゃない?」
「前のお家に帰っちゃったとか!」
みんなで好き勝手なこと言ってる。

実はおいらもキャビネットから出てきて、ウロウロしてた。こんな知らない場所でアニキの姿が見えないのはさすがに不安だ。一生けんめい交信してみるけど、暗いところでじっとしているアニキか、おいらの知らない庭を歩いているアニキしか映らない。返事もない。

そんなに遠くじゃなさそうだけど、どこにいるのかわからない。おいらは鳴いた。さっきよりもっと大きく、腹の底から絞り出す声で鳴いた。アニキには聞こえただろう。でも、返事の交信はなかった。きっと初めての場所に気持ちが集中してるんだ。いろんなにおいを覚え、道を探してるんだ。

「ねぇ、2人でお庭の周り見てきてくれない?」
「いいよ。」
子どもは灯りが出る短い棒のようなものを持って出て行った。呆れた。二本足だとこの明るさでもよく見えないのか?

「チャッチャー、チャッチャー。どこ?帰っといで。」
「お家はこっちだよー。もう引越しちゃったんだよー。」
2人の声が庭から聞こえてきた。サンデッキへ見に行くと、丸い灯りをあちこちやりながら、探してるような遊んでるような。(アニキ、どこだ?→)

「いないよ。」
すぐに帰ってきた。
家の庭にはいない。それだけはわかった。でも、どこにいるだ?
「ニャー」
おいらは二本足がビックリするくらい大きい声で鳴いた。
(つづく)


最新の画像もっと見る