茶道では、とりわけ季節感のあるものを意図的に使い分けます。茶室に飾る茶花をはじめ、ときには掛け軸、またお点前に使う諸道具、さらには菓子、懐石などの食材にも気を配ります。それも、「一期一会」の心でもてなす客への配慮が背景にあります。今回は、季節感と「釣釜」について触れたいと思います。
10月に入ると、どの流派も風炉から炉に移行します。そして、暖かくなってくる5月には、風呂釜にーと。炉から風炉に変わる3~4月頃は、炉にも変化があります。表千家の場合は、3月に透木釜、4月には釣釜を使います。一方、裏千家では3月に釣釜、4月に透木釜と、扱う月は違いますが、これも季節を意識した演出といったところです。
8畳間の茶室。畳の敷き方も茶室用にしてあります
10月に入ると、どの流派も風炉から炉に移行します。そして、暖かくなってくる5月には、風呂釜にーと。炉から風炉に変わる3~4月頃は、炉にも変化があります。表千家の場合は、3月に透木釜、4月には釣釜を使います。一方、裏千家では3月に釣釜、4月に透木釜と、扱う月は違いますが、これも季節を意識した演出といったところです。
8畳間の茶室。畳の敷き方も茶室用にしてあります
釣釜の使う理由:3~4月頃は、炉の場合、真冬と同じ大きな釜(炭も多く入れなくては沸かない)でお湯を沸かすと、茶室はとても暖かくなります。そこで、五徳を外し、小振りの釜(炭も少なくても沸かすことができるー)で湯を沸かすことによるお客への配慮でできた点前と考えられます。また、お釜の揺れる様子に、「春風」や「陽炎」を重ねて風情を楽しむためとも。
鎖は天井にしっかり固定されています
畳の寸法は「田舎間=江戸間(五八)」。大きさ:176cm×88cm
通例、陶芸教室の休憩は、コーヒーか紅茶を飲むのですが、この日は、体験!ということを含め、抹茶を飲むことしました。今回は、私が濃茶を点てることにー。
菓子器は、「縁高重」 柿合 七宝透(段付)でー
茶入れの仕覆(しふく)を解いているところです
茶筅通しのために、釜から湯を汲み茶碗に入れているところ
私は、透木釜をもっていないので、3~4月は釣釜にしています。若い頃、茶道具を揃えていたとき、この時季に使う釜として、透木釜を買うか釣釜にするか考えました。2つ同時に買うことができれば問題ないのですがー。どちらも1か月位しか使わないとしたら、「まず釣釜だナ」と迷わず買いました。そのうちに、透木釜をとー。しかし、まだ買わず=買えず!?にいます。