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インテリアコーディネーターのブログ。
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12月13日 インテリアコーディネーターに関係する資格

2007-12-13 | 資格対策
「インテリアコーディネーターとして働くには、どのような資格が必要なの?」
時々、そんな質問をされることがあります。「インテリアコーディネーター」に資格は必要ありません。そもそも、「インテリアコーディネーター」の職域は曖昧で、所属する企業の業種、業態などによって、求められる能力も違います。
資格に勝る技術やコミュニケーション能力、プレゼンテーション能力があれば、身体一つあれば十分な仕事だと思います。でも、そんな能力をまわりの人たちに認めてもらうことは容易ではありません。初めてお会いしたお客様の信頼を得ることも簡単ではありません。
そんな時に活躍してくれるのが、「ライセンス」。私はそんな風に考えています。
そこで、私の経験を踏まえながら、私の身近にある資格をご紹介したいと思います。内容はあくまでも、私自身が調べ、自分なりに検証したものです。
中には間違った捉え方をしているものもあるかも知れません。何卒、優しい目で読み流してください。これから何か勉強を始めようとする方の参考になれば幸いです。

1. インテリアコーディネーター
http://www.interior.or.jp/examination/ic_intro/index.html
インテリア産業協会が主宰する試験。
毎年、10月の体育の日に行われ、受験資格もなく誰でも受験できます。
一次試験は、「インテリア商品と販売」、「インテリア計画と技術」の2科目。どちらか片方を合格すると、次年度から3年間は、合格科目の受験が免除されます。
二次試験は、論文とプレゼンテーション。こちらは、一次試験の合格者のみ受験可能です。
こちらも不合格の場合は、次年度から3年間、一次試験の受験を免除されます。

タイトルがタイトルだけに、まずはインテリアコーディネーターから紹介しました。OLさんにも人気の資格ですが、この資格取得は、一筋縄ではいきません。相当広い知識が必要です。分野ごとに専門家が問題を作成されているらしく、広い上に深い知識が要求されます。厄介なのはハンドブックに掲載されていないことまで問題として登場することがあること。合格率から見ても、試験レベルは極端に高いわけではありませんが、非常に勉強のし辛い、受験者に冷たい資格試験のような気がします。
また、協会から、合格基準や解答例が発表されないことにも不満が残ります。この点においては、受験経験者として、今後の改善を求めたいところです。

2. インテリアプランナー
http://www.jaeic.or.jp/ip.htm
インテリアコーディネーターより更にインテリアの専門知識を追求した資格とされています。国土交通省所管の財団法人 建築技術教育普及センターが行う試験で、受験年の4月1日現在で20歳になっていなければ受験できません。
11月の第3日曜に学科及び設計製図の試験が同日に行われます。
どちらか一方を合格すると、次年度より3年間は合格科目が免除されます。

私が、住宅を主とする業界で働く中では、インテリアコーディネーターに比べて認知度が低いように感じます。(資格の保有者に出会う機会が少ないです。)どちらかといえば、店舗デザインなどに活躍されるのではないでしょうか。資格があるにこしたことはありませんが、コーディネーターかプランナーどちらか一方を持っていれば、十分だと思います。資格の取得よりも経験を積むことの方が大切だと思います。

3. 福祉住環境コーディネーター
http://www.kentei.org/fukushi/index.html
これからの時代には、特に注目度の高い資格です。私は、とにかくインテリアコーディネーターの資格が欲しい。という気持ちが強かったため、こちらにまで手が回らなかったのですが、周りの人たちからは、インテリアよりも福祉を取った方がいいよ。と言われました。

東京商工会議所が行う試験で、3級から1級までの資格がありますが、3級と2級は受験資格もなく、誰でも受験することができます。マークシート方式の学科試験で、100点満点で70点以上を合格。7月と11月の年2回開催されます。

1級は、2級に合格していることが条件となります。
こちらは、1次の学科試験が9月、その合格者を対象とした2次の実技試験が11月に行われます。2006年の合格率が3.9%、合格者数53名の超難関試験です。全国的にも合格者が少ないことと、施設の設計にはこの資格の取得者に意見を求められることも多いことからも現場に必要とされる資格の一つだと思います。

4.キッチンスペシャリスト
http://www.interior.or.jp/examination/ks_intro/index.html
インテリア産業協会が主宰する試験。
毎年12月の第2日曜日に行われ、受験資格もなく誰でも受験できます。
学科試験と実技試験が同日に行われ、どちらか一方を合格した場合、次年度より3年間は合格科目を免除されます。
水周り設備系のショールームで働くコーディネーターさんに人気の資格です。

5.照明コンサルタント
http://www.ieij.or.jp/
社団法人照明学会が行う通信教育を受講して得る資格で、毎年3月~5月頃に募集があり、8月に開講されます。通信教育を受け、5回の試験と1回のレポート提出が課せられます。60点以上で合格。7月に開催されるスクーリングを受けて、照明コンサルタントの称号が与えられます。

こちらも認知度の低い資格だと思いますが、ようやく日本の住宅も「照明」について考え始めるようになりました。資格の取得だけでなく、勉強できるといった意味でも受講する価値はありそうです。私も今後の検討に入れている資格の一つです。

6.AFT色彩能力検定
http://www.aft.or.jp/index.htm
1995年度より文部科学省の認定試験となり、注目を集め、2006年度からは同省後援の技能検定となりました。2・3級は6月と11月の年2回開催、1級は11月に一次試験、12月に二次試験が行われます。
色がふんだんに用いられた試験で、特に女性の方は比較的入りやすい資格だと思います。
色の知識は、日常の生活やファッション、ウェブ関係など、インテリアだけでなく幅広く活用できます。色は女性の強みでもありますので、私も取得しようと思ったのですが、残念ながら、私の働く場ではあまり重要視されていません。
また、一緒に働く人たちに、色のことを深く理解している人が居なければ、色を数値化して共通の認識とすることも不可能なため、なかなか活用する機会がありません。

私は、2.3級を独学、1級をヒューマンアカデミーの対策講座を受講して取りました。独学で取れないこともありませんが、資格取得だけでなく、色を深く理解するためには、学校に通う方が良いと思います。また、私が2.3級を受験した当時、1級の合格率は10%台でした。
ところが2006年、私が一級を受験した時には26%の合格率。数字だけ見るとかなり通りやすくなったように感じられます。テキストは2006年度に改正され、試験項目も増え、難しくなったと言われているハズの試験の合格率が上昇している理由の一つとして、ヒューマンアカデミーをはじめとする各種の専門学校による成果だというウワサもあります。
検討されている方は、受講されることをオススメします。

7.カラーコーディネーター
http://www.kentei.org/color/
東京商工会議所が行う試験で、2.3級は6月と12月の年2回、1級は12月の年1回行われます。最近ではかなり色を使った試験に変わってきているようですが、色彩検定に比べて、より学術的イメージのある試験です。こちらは、1級が細分化されており、「ファッション色彩」「商品色彩」「環境色彩」から選択して受験できることから、それぞれの分野における専門的な知識を証明する資格だと思います。
私は、学生時代に、こちらの資格を取得しようと、テキストを購入しました。ところが、数ページ開いたあたりで限界でした。あまりにも面白くなくて・・・。
この経験から、「カラー」の資格というものを避けていたのですが、色彩検定の存在を知り、色に対する興味が増しました。

色彩検定とカラーコーディネーター、自分に合った資格を選ばれるのも一つだと思います。色を専門にされている方は、どちらの資格も持っているという方も少なくはありません。

8.1級建築士、2級建築士
http://www.jaeic.or.jp/k-seidozenpan.htm#1
国家資格であることから、とても認知度が高く、業界以外の人も良く知っている資格だと思います。受験資格も厳しく、2級の場合、建築・土木系の学歴がない場合、7年の実務経験が必要です。さらに、1級建築士を受験するには、2級合格後4年の実務経験、建築・土木系の学校を卒業の場合でも、定められた実務経験が必要となります。
(耐震偽装問題発覚後法改正があり、2009年より試験方式、受験資格等が変わります。)
何の資格でも早く取得された方が良いことは、みなさんも良くご存知だと思いますが、特に一級の試験に関しては、年々難易度も上がり、とんでもないことになっている。という噂を聞きます。
二級についても、一級の影響を少なからず受けているようです。2007年は過去10年で最低の合格率だったようですが、2008年にはその記録を更新することも十分に予想できます。
「いつか取得するつもり」なら、早めに挑戦する方が良いかも知れませんね。


資格の取得。
私は、どちらかというと否定的でした。
その理由は資格を持っていることが、必ずしも良い仕事に通じるとは言えないような気がしていたから。
「事件は会議室で起きているんじゃない!」ですね。
でも、いくつかの資格取得に挑戦する内に少し変化がありました。資格取得のために勉強することで、学べることも、得られることも大きく、改めて現場を理解することもできるということ。そしてその結果についてくる信頼は、自分の期待以上のもの。

むかし、祖母にこんなことを言われたことがあります。
「資格と技術だけは、お金で買えないし、誰にも奪われない」

言い回しは多少違うかもしれませんが、ず~っと前に聞いたこの言葉が、ようやくきちんと理解できるようになった気がします。
最後に、インテリアコーディネーターハンドブック(販売編)に記載されている一文をご紹介します。

インテリアコーディネーターは、自己に優れた感性を身につけ、高い見識を持ち業務に携わることは当然であるが、客観的に優れたもの・美しいものを創造することや、自分の作品を買ってもらうことが本来の役割ではなく、あくまで顧客に満足を与えることが目的である。だれが見ても完全な間違いである事柄は正しく導いてあげることは必要であるが、顧客一人一人はそれぞれ異なった価値観をもち、ライフスタイルをもっているものであることには、顧客のどんな欲求でも否定すべきものではなく、肯定的でなければならない。たとえインテリアコーディネーターの感覚や意にそぐわない生活空間になったとしても決して不名誉となるものではない。

私にとっては、これが学べたことだけでも、インテリアコーディネーターの資格にチャレンジした意味があったと思っています。ぜひ、これから勉強される方にも読み落とさず、心に留めて欲しい内容です。


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2 コメント

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Unknown (さぶ)
2007-12-13 11:43:14
インテリアコーディネーターハンドブック(販売編)に記載されている一文

その通りですね。

デザイナーにも自分の主張ばかりする人がいますが、いつも「そうではないんですよ」といわなければなりません(苦笑)
芸術を志向するのなら唯我独尊でもいいのでしょうが、好みは人それぞれ、暮らし方も同様。使う人の視点で考える事が大切ですよね。
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Unknown (ogawa)
2007-12-13 13:13:43
ものをつくる時には、
①ヒトの意見に素直に耳を傾けられる力
②顧客の要望を的確に捉えられる力
そして時には、
③自分の考えを曲げない力
が必要なのだと思います。どれが欠けてもいけないし、状況に応じてバランスを取らなければならない。頭で理解していても、できないことばかりで、その難しさを感じています。

でも、私がコーディネーターという肩書きで仕事をする以上、ハンドブックに書かれたその一文は、忘れないでいたいと思います。
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