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インテリアコーディネーターのブログ。
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12月12日 向日市の家開発秘話Vol.3

2007-12-12 | インテリア/建築
今日ご紹介するのは、トイレ空間です。
こちらも、通常より広めのスペースが計画されていました。担当者からは特にこれといった要望もなかったので、かなり前から温めていた計画を取り入れてみました。
アジアンテイストに竹を用いたカウンターと、信楽焼の手洗い器です。現場の都合からか(?)水栓が私の指定した品番とは違うものが採用されてしまっているのが少し残念なのですが、こんな感じに仕上がりました。

完成を間近に控えたころ、現場を訪れるといつものペーパーホルダーと、いつものタオルリングがカウンターの上に佇んでいました。
(うん・・・。確かに似合わない。)
現場サイドでも、その取り付け位置がわからず、保留されていたようです。
(よかったぁ。いつも通りに取付けが終わっていなくて。)
せっかく、期待以上に仕上がったトイレットルームなのに、プラスチック製の紙巻器や金属製の丸いタオルリングでは、その空間をぶち壊してしまいます。
そして、カウンター同様、黒竹を利用して、つくることになりました。写真に写るそれは、ハチセのアフターズのお手製品なのですよ。

次が寝室。
計画当初に写真付で空間イメージに要望のあった部屋です。
「ホテルのようにしてください。」
最近流行りの『ホテルライク』。新築住宅の場合には、この要望も珍しくなくなりました。おおよそ、みんながイメージするところの『ホテルライク』というものが私の中でも出来上がってきた感があります。
今回はそのイメージを決して「ライク(=~のような)」と甘んじることなく、とことん意識して計画しました。

(手前に見えているのは、クローゼット。内部の壁を仕上げず、制震装置がどのように取り付けられているのか、ご確認頂けるようにしています。ご購入者が決まり次第、仕上げを行います。)

ポイントは間接照明です。メラトニンの分泌を妨げない、柔らかく暖かい光を、直接目線に入ってこない下からの光で計画。鉛直面の配光を最小限に抑え、足りない照度はスタンドライトで補います。
実際にそこで生活される方のプロフィールがわからない状態でこのような照明計画をすることには、かなり勇気が必要です。場合によっては、受け入れて頂けないケースもあります。実際の仕上がりにも賛否両論。研究はまだまだ必要です。
今回は、挑戦的にも、あくまでも「ホテル」の「落ち着き」を表現するため、天井に照明を付けないことにこだわりました。あかりの重心を下げ、空間に落ち着き感やくつろぎ感演出しています。
また、担当者の意向もあり、主となるスタンドライトを予め設置しましたが、これも最低限の計画です。実際に住まわれる方の必要に応じて、照明を追加して頂き、好みの空間に変化できるよう計画しています。具体的には、ベッドサイドテーブルの設置を想定して、その上に低め(高さ350~600程度)のスタンドライト等を置いて頂くことをイメージしました。床に埋め込んだコンセントは、この想定に基づく計画です。
ご購入者様のオリジナルの空間、一日の疲れを癒す最高の寝室となってくれれば、これ以上に嬉しいことはありません。