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インテリアコーディネーターのブログ。
住まいのこと。インテリアのこと。仕事のこと。子どものこと。。。

8月2日 2008年コイズミ新商品展示会レポート

2008-08-02 | イベントレポート
先月、コイズミ照明の新商品展示会へ行ってきました。
展示会が行われた大阪市西区阿波座にある大阪ショールームは、これに合わせて大胆なリニューアルがなされていました。
今までとは一味違う、モノトーンで都会的な配色が新鮮で「なんだか東京っぽいですね。関西とは違う感じがする。」というコメントに繋がりました。
「そうなんです。今回は東京から来たスタッフが中心になって、リニューアルがすすめられたのです!」と担当の営業さん。なるほど。関西と関東では色彩の感覚が微妙に違うのです。
全国的なコンペでの受賞作品などを見るとこのあたりがすごく明確に現れます。作品を見るだけで、西か東かその作者のおおよその出身地がわかるので面白いですよ。

さて、新商品の展開もショールームのコーディネートに倣って実にシンプルでスタイリッシュ。器具そのものより光に拘った商品がたくさん発表されていたのが印象的でした。
そして、目玉はもちろんLEDです。オーデリックや松下電工に少し遅れを取った発表になりましたが、さすが、発表までに時間をかけただけのことはあります。LEDの強くまぶしい光をうまく和らげた商品が見られました。さらに、集光性の性質をもつランプにも関わらず、クリプトン球や蛍光ランプに引けを取らない拡がりのある光も実現。そして高演色、Ra92。Ra85以上のランプを見たのは初めてのことだったと思います。
ただ、Raが高いことが物の色を忠実に映し出すかどうかについては、考え直さなければなりませんでしたが・・・。
とにかく、私の知る中ではこれまでのところLEDダウンライトベスト1ではないでしょうか。

これが、私が一番気に入った室内用のダウンライト。“cledy LEDダウンライト(高効率タイプ)”の白色タイプ。照射角55°で、白熱球60W相当の明るさを実現。ちなみにこの商品の場合7.0Wです。
一日5時間点灯した場合の電気代を比較すると次の通り。
白熱灯60Wの場合・・・198円/月  2,376円/年
LED7.0Wの場合・・・23.1円/月  277.2円/年
その差2,098.8円。(な~んだ。2,000円程度かぁ。)と、思わないでください。ダウンライトって、4灯、5灯と複数設置されることが多いハズです。仮に5灯の設置で年間1万円以上の差が生まれます。
ただし、器具代は白熱球が4,000円程度から販売されているのに対してこちらは18,900円。別途専用電源ユニット9,000円(上記商品の場合、2台ごとに1台必要)が必要なので、イニシャルコスト(=当初にかかる費用)は確かにかかってしまいます。
でも、地球のこと。強いては私たち人間が地球上で生活するために、自分自身や未来の子どもたちのことを考えると、積極的に取り入れたい商品の一つです。

その他LEDの特徴をおさらいしておくと、特に「実際のエネルギー量の半分」という温度特性があります。つまり、照射物の熱による損傷を防ぐことができます。ニッチ(=壁の厚みを利用した飾り棚)用の照明や、庭の木々を照らす場合には、ピッタリの商品ですよね。

そして、今回の展示会に重ねて行われたショートセミナー「LED光源の基礎と住宅照明計画の実際」の中で初めて知ったことがあります。それは『LEDは対象物の色を拾う』というものです。展示の商品をたっぷり見た後で少し疲れ気味だった私はついついウトウトしてしまっていたのですが、この瞬間、目が覚めました。
ニッチの中に赤いタオルを入れると、その空間全体が赤色に、ヒマワリを入れると黄色に変化したのです。この時利用されていたのは電球色のLEDでした。講義終了後、その特性に興味を持った私は、ヒマワリを白色タイプのLEDが設置されたニッチへ・・・。
するとどうでしょう。そのLEDは葉っぱのグリーンの色を拾って、空間全体をグリーンに照らしたのです。
これは、計画の際には気を付けておきたい特性です。

その他、たくさんの商品を見た中でカタログではその良さを気付くことができなかった商品がこちらです。

こちらも、他メーカーに遅れて(?)発表されたラージプロポーション(=スケールアウト)商品。もはやトレンドではなくスタンダードになってきているようです。
これはブログの中でもその良さはお伝えしきれませんが、セードが二重になっていて糸と糸のわずかな隙間から透ける光と、やわらかな風合いがとっても良い感じでした。
写真ではこの辺りが伝わらないのが残念です。興味のある方は今すぐショールームへ・・・。

最後に、特に目を引いた照明のコーディネートがこちら。

ダウンライト、ペンダントなど全てがLEDでプランされています。その中でも特に注目したのが、カウンター下の間接照明。覗き込むとこんな風になっています。

こちらはまだ商品化されていませんが、近い内に発表されるのだとか。発売がとても待ち遠しい商品の1つです。

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5月21日 MAISON&OBJET 2008

2008-05-21 | イベントレポート
今日は、黒のトイレットペーパー黒のティッシュペーパー黒の便器に続く黒シリーズ第4弾『黒のゴルフボール』を取り上げるつもりでしたが、ネット検索ではそれ以上の情報は得られず・・・。冒頭にチラっと触れる程度にさせて頂きます。
何でも、ミズノから“ブラックコレクション”男っぽさ演出のゴルフ用品として登場するそうで、黒ブームはまだまだ続きそうな感じがします。

さて、“黒シリーズ第4弾”に代わって今日取り上げるのは「メゾン・エ・オブジェ」。業界の人ならすっかりお馴染みのインテリアとデザインの最新トレンドの見本市。
イタリア ミラノで行われる世界最大規模の見本市「ミラノサローネ」と並んで、日本でもすっかり有名になりましたよね。
今日、ハービス大阪内のサンゲツにて、2008年1月に開催されたメゾン・エ・オブジェのレポートを聞きに行ってきました。

メゾン・エ・オブジェ
パリ郊外シャルルドゴール空港南に位置するノールで行われる見本市会場で開催。展示会場面積は26万㎡。東京ドームの6倍だそうです。今年はなんと3001のブランドが出展したのだとか。
1月24日から29日までの5日間の会期で、来場者数は86,085人。前年比+3.20%。同時開催される家具の国際見本市「プラネット・ムーブル・パリ」25,759人を合わせると総計111,844人。
この数字を見るだけでも世界的な関心の高さを知ることが出来ます。ここ日本のインテリアも、これらの見本市の影響を受けており、展示の様子をスライドを通して拝見させて頂きましたが、驚かなければならないような奇抜さを感じることはありませんでした。いよいよトレンドが伝わるまでのタイム・ラグがなくなってきているのでしょうか?

中でも、ミラノサローネでもお馴染みの「JAPANデザイン」は、もはやトレンドではなく、スタンダードである。とレポートされていたのが印象的でした。

それでは、今日頂いたレジュメをもとにざっくりとしたまとめをしておきましょう。

まず、ジェネラルトレンドとして上げられたのは
「エコ+モダン」~環境重視とデザインのバランス~

夕方にお見えになった、三協立山アルミの営業さんもおっしゃっていましたが「エコ」はこれからの社会に欠かせない「テーマ」なようです。
この「エコ」に対する取り組みには、私も様々な考えをめぐらしているところで、日本の動きや世界全体の動きの中で、疑問に感じる部分も少なくはありませんが、どちらにしてもこれからの時代を生きる中で、必ず考えていかなければならないテーマであることに間違いはありません。
世界のトレンドを発信するこの見本市では、もちろんこの「エコ」がトレンドとして取り上げられるわけです。

カラートレンドは、
1. ホワイト&ブラック
2. グレーバリエーション
3. イエローバリエーション
4. グリーン&ブルーバリエーション
5. ピンク&パープル
6. ゴールド&シルバー

といったあたり。特に注目したいのが、ホワイト&ブラックの面積比。今年はホワイトの分量がぐっと増え、ベースカラーにホワイトを置くことで、カラーバランスをはかった展示写真が多くみられました。ブラックも昨年よりもぐっと分量を減らし、アクセント的な使われ方に移行。このあたりは押さえておきたいトコロです。

また、素材で注目しておきたいのが、PVC(=ポリ塩化ビニール)。
ファッションの世界からインテリアにも利用され始めた素材。今日のレポートでは椅子の張り地等に利用されている写真が印象的でした。
PVCに(何のこっちゃ?)と思っている方は、
ボッテガヴェネタ」のバッグを思い浮かべてください。

椅子の張り地に使われていたそれは、ボッテガのそれと同じ製法でつくられている。というお話がありました。

カラートレンドだけでなく、マテリアルについてもそう。いよいよ、ファッションとインテリアの境界線がなくなって来たようですね。

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4月23日 2008年春 National 新商品展示会

2008-04-23 | イベントレポート
4月18日(金)、松下電工の新商品展示会へ行ってきました。開催地はいつもと同じ大阪ビジネスパーク円形ホール。
会場到着と同時に、新作照明器具を見る人と、IHクッキングヒーターから見たい人に分かれました。私は、人の少ないIHから。
KZ-VW33E
2008年4月に新登場したIHクッキングヒーターは更にハイテク。
1. 光火力センサーで、予熱もおまかせ
食材投入のタイミングを知らせてくれるという予熱おまかせ機能付。誰でも手際良く、おいしい料理が作れるという調理器の進化形。
2. 光る天面ナビ
次に操作するボタンが光って案内。音声ガイド付。
3. すっきりと美しい、スクエアデザインプレート
使うときのみ点灯するスイッチボタンで、とてもスッキリ。
さて、“2008年、新しいIHは光の技で差をつける。”という松下のコンセプト通り、技術の進歩を目の当たりにさせられた出来栄え。うん。たしかにスゴイ。
「こんなに簡単な操作なのですよぉ~。」と、担当の女性。
・・・?それはどうだろうか?説明書を読まないことで有名な私にとっては疑問が残るトコロ。大抵のものは、予想を働かせて操作する私ですが、この様に順を追って表示が出るようなものだと、予測不可能です。簡単だとは言われますが、お年寄りに優しいかどうか疑問が残ります。
そんな疑問をかかえつつも始まった、調理。まずは電源を入れて予熱のお知らせを待ちます。
予熱完了とともに、フライパンに投入されたのは、卵とさいの目に切ったトマト、それからしめじ。投入から約15秒で、盛り付けられました。
「さぁ、どうぞ!ご試食ください!」「食べてみないとわかりませんから」
そんな言葉に促されるも、手が出ません。だって、たった15秒。いえ、もしかすると10秒以下だったかも知れないくらいの加熱。どう考えても、しめじに火が通っているようには見えないのです。
(う~ん。おいしくなさそう・・・)
否定の心いっぱいで手にした紙皿。盛り付けも乱雑、やっぱり食欲をそそりません。
おそるおそる口に運びます。
驚☆!!!
ホント、食べてみないとわかりません。お昼ごはんを食べて間もない時間、決してお腹がすいていたわけではありません。でも、めちゃくちゃおいしかったのです。たった15秒。ほんの15秒で、トマトもしめじもアツアツ☆
人間の五感の8割を占めると言われている視覚。紙皿に乱雑な盛り付けという、圧倒的に不利な条件で、これほどおいしいと感じられるのですから、本物です。
それでもガス派な私も、見直しました。IHクッキングヒーターの底力。

さて、次に照明器具の展示コーナーへ移動します。
入口付近は照明業界の新星(?)、LEDから。省エネやエコに敏感な時代背景の下に「まるごとLED」の提案もありました。それから、光をデザインする商品群へと移動します。

まずはレンズダウン。
光の直径は約900mmと750mmに設定可能。住宅でもこんな風に灯りで楽しめるって素敵だと思います。

それから、ナロービームライト。

縦でも横でも自由に設置できるこの器具は、テクニックがなくとも空間にさまざまな景色を与えることができる優れもの。□100の溝に変則プリズムパネルが描く、光のグラデーション。住宅に全く新しい発想の器具の登場だと思います。

そして、器具の端部まで途切れず光るシームレスランプを利用したラインライト。とにかく光の美しさにこだわった商品が目立つ展示でした。
他にもたくさんの新商品が発表され、それらを全て確認してきました。松下電工の器具に共通していえることは、エッジの美しさではないでしょうか。スクエアがとてもキレイ。サイズのバランス、タテ・ヨコの比が完璧に計算されています。
最後に、事前に頂いたカタログでは、あまり注目していなかったのに、本物はスゴク良かった商品を2点、ご紹介したいと思います。

1点目は高級照明シリーズ“LUXEMONDE リュクスモンド”の中の“Bijounoir ビジュノアール”というシャンデリア。ブラックニッケルのシックな質感とスワロフスキーのブルーヴァイオレットのクリスタルガラスの煌めきは、カタログ写真では気付くことのできない品のある美しさでした。

2点目が陰影によって上質な空間を作り出す、表情豊かなあかり。間接光を手軽に楽しめる新シリーズ“AMBILUCE アンビルーチェ”の中の“Layer レイヤー”その中でも特にホワイトがお気に入りです。
過ごし方によって明るさを100%~10%にコントロールできるこの器具は、シーンに応じて様々な表情をつくります。体験空間でこの器具を見た時は、暗い部屋の中に光が浮いているようでした。

そして、すっかり下面パネルが黒若しくはシルバーを想像していたのですが、カーテンが開き、部屋全体が明るくなると、そのパネルが白だということに気付きました。つまり、照明の要らない昼間は、空間の中にひっそりとたたずんでくれる。
照明器具は、点灯する時、点灯した時だけでなく、消灯状態の昼間の美しさもチェックしたいトコロ。そんな落ち着きある光を叶えてくれる商品です。

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4月14日 INAX REGIOをレポートします!

2008-04-14 | イベントレポート
4月11日(金)、INTEX大阪で行われたINAXの新商品展示会へ行ってきました。
会場には、いつもお世話になっている 有限会社イマキョウさん
に京都からバスを出してもらいました。バスの中で案内を配られます。これは、これまで数々の展示会に参加させて頂く際の恒例で別に珍しいことではないのですが、その案内の内容に感動したので、記事にさせて頂きました。
封筒に「株式会社 八清様」という文字。それに目が留まりました。
なぜ???
そう。通常、案内の封筒にいちいち、名前なんて書きません。だって、たくさんの方々が参加する展示会。案内の内容だって、同じなのだから、不必要な宛名。
わざわざ宛名を書く理由・・・。それは、封筒の中身が違うから。それ以外考えられません。
そんなことを考えながら、封筒を開きました。同封されていた冊子を開けると、A4の便箋いっぱいに、社長手書きのメッセージ。しかも内容が、私に合わせて、私だけに向けて書かれたものなのです。ここで、まず感動。
そして、ページをめくると、イマキョウさんのスタッフの紹介。写真付のメッセージが並びます。経歴や趣味、コメントなどが書かれているのは、良くある話。しかし、社長からの一言として、その人のことがコメントされているのです。
これって自身のコメントより、ずっとずっと深いと思いませんか?本人のコメントよりもその人のこと、特にその人の良さが、ぐっと伝わりやすくなる!
今日この日のために、どれ程の準備をされてきたのか、それを考えると、参加させて頂けたことに感謝の気持ちでいっぱいになりました。

さて、金曜日の高速道路はとてもすいていて、めずらしく予定よりも早く、会場入りすることができました。場所は大阪。「京都からわざわざ時間をつくってもらうのは難しいから」と、INAXのスタッフの方もイマキョウさんも参加者集めには苦労されたハズですが、とても大盛況でした。
今回もたくさんの商品を見て、触れてきましたが、予告通り、REGIOについてレポートしたいと思います。

まずは、白のREGIO。ご覧の通り、展示も非日常な感じが漂う空間。コンパクトさを追求されてきたサティスとは対照的な商品。その存在感は確かなものですが、逆に、一帖程度の空間を標準とする一般のご家庭のトイレット空間には難しいと思います。

ピンクの○で囲んだ部分。これは、カタログで拝見した時から気になっていたトコロです。
どうにも目障りな三角マーク。どうしてもソコにばかり目がいってしまうのです。
カタログに掲載された写真やデジカメで撮影した写真は、取って付けたかのような違和感満載のブルーグリーンの三角ですが、実物はクリアガラス色の仕様。センサーの受信部でした。想像するほどの存在感はなく、きちんと脇役に徹していたと思います。
 
そしてお待ちかね、黒REGIO。
便器はツヤ消しのマットな風合いが焼き物のような高級感を醸し出していました。外側を黒、内側を白とすることが、とても技術力がいるのだとか。
これが出来たことによって、80年代には夜のお店でしか活躍出来なかった真っ黒便器が、より身近に、そしてモダンにスタイリッシュに、現在の生活に溶け込める商品として登場したのではないでしょうか。

さて、今度は水を流してみます。
REGIOはそのデザインもさることながら、その洗浄方式にも注目されています。「エアドライブ洗浄方式」というINAX初のオリジナル洗浄方式の採用。これまでの「サイホンゼット式」を採用しているタンクレストイレの気になる洗浄音をクリアにする静かな洗浄音と強力な洗浄力。
その洗浄音の静かさは確かなものでした。しかし、洗浄力に関しては、展示だけではわかりません・・・。あまりに静かに優しく流れるので、「本当に大丈夫ですか?」と尋ねてしまったほど。この件に関しては、詳しく検証してから提案していきたいと思います。

それから、新商品とは関係ないのですが、カラーのイベントをしていたので、そちらも体験させて頂きました。
まずは、自分に似合う色を診断してもらいます。

私自身も色の勉強はしているので、自己診断済みなのですが、こんな風に布を利用して診てもらうのは初めて。今回は簡易的に「サマータイプ・ウィンタータイプ」をまとめて「シルバータイプ」、「スプリングタイプ・ウォータムタイプ」をまとめて「ゴールドタイプ」として診断されました。
自己診断により「ウィンタータイプ」だった私は、納得の「シルバータイプ」。「お顔まわりやインナーに『シルバー系』の色味を持って来られると、とてもキレイですよ」。と、パーソナルカラーアナリストさん。
白のエプロンで隠されていた私のインナーは、ゴールド。身につけていたネックレスもフラワーモチーフのゴールドペンダント・・・。
「私、失敗していますよね?!」
せっかく診断してもらったのですが、やっぱり、気分に応じて好きな色を身に付けることも大切♪自分自身のテンションも上がりますからね☆
でも、自分をより魅力的に映してくれるのが「パーソナルカラー」。勝負の時は、意識して取り入れてみると良いと思います。

次が、以前から興味のあったオーラソーマカラー。こちらもプチ診断ですので簡易的に。
上下2層の色に分かれた107本のボトルから1本を選び、自分自身の本質や現在のテーマ、心のバランスなどを診断してもらいます。本来は、4本を選ぶそうなので、「当ってる~☆」と思う人も居れば「?」な人も居るそうです。
私が選んだ1本は、こちら↓

ピンクとパープルのボトル。
ボトルNo.35、ボトルネームはナント「親切」。
ちなみにこのボトルネーム、日本名だけでなく色々あるみたいです。一緒に診断してもらった人たちのものを例にあげると、「慈悲心」、「クリスタル ケイブ」「大天使 メタトロン」。
さて、肝心の診断結果は、あまりにも褒められ過ぎて、恥ずかしいほど。だから、ここに記載するのは控えさせて頂きます。
占いの場合、占い師さんと話している内に診断されるので、どこか「誘導尋問」的な要素もあると思うのですが、この診断の場合、ボトルを選ぶ以外、診断される私は何も話しません。一方的にオーラソーマプラクティショナーさんが私の性格や心理状態を話されるのです。
「当ってますか?」と最後に一言。まさかこんなに褒められて「ハイ!」とは言えません・・・。でも、唯一自信を持って(当ってるなぁ。)と思ったのは、こんな診断でした。

「人に何かをしてあげると、つい、『こんなにしてあげているのに・・・』という気持ちになり、ストレスを溜めてしまう人も多いのですが、あなたの場合、自分で納得して、自分が好きで行動に移すので、そういったことが全くストレスになりません」

とのこと。これは全く当ってました。逆に言うと、もしもそんな気持ちになってしまうくらいなら、私、何もしませんから♪それは、モットーにしていますね。

ところで、このオーマソーラカラー。私、とても興味を持ってしまいました。これから個人的に勉強してみようと画策中です。

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4月13日 運命の香り

2008-04-13 | イベントレポート
Oggi Presents
CHANEL Le Lecon de Parfum ~私らしさを探す香りのレッスン~

12年以上にわたり愛読中の雑誌Oggiと、同じく1996年に発表されて以来12年間毎日使い続けている香り「ALLURE」を持つシャネルの香水イベントへ行ってきました。

告知があったのは、4月号のOggi。12年愛用している香りを今更変えるつもりもなく、
「『自分らしい香り』をこのイベントを通して見つけてみましょう」
という記事に、(私には関係ないかなぁ?)とも思ったのですが、開催地は梅田・ハービスエント7F 「XEX WEST/Salvatore Cuomo Bros」という、参加が可能な場所。“25組50名様をご招待”ということでしたので、(どうせ当たらないだろうから、応募だけでもしてみよう♪)となんとなく出した一枚のハガキ。
それが、見事(?)に当選してしまいまして・・・
ちょっぴりセレブな時間を過ごしてきました。



2004年、開店当初にその建物を見るために訪れて以来(もしかしたら何かのセミナーで訪れたかも知れないけれど・・・)、久しぶりに訪れたハービスエント。そこは、相変わらず高級感溢れる静かな時間が流れていました。
ビルの中を迷いながら、ようやくたどり着いた7F。エスカレーターを上がりきると、突然レストランの入口でした。
「お二人様ですか?」と、店員さん。
「ここ、レストランですか?」と私・・・。「間違えたみたいです。」と立ち去ろうとしながら、「シャネルのイベント会場はどちらですか?」と聞いてみると、「こちらの奥でご用意しています」。と・・・広いお店の奥へと案内されました。

受付を済ませて会場に入ると、それだけで緊張してしまうような空間。ウェルカムドリンクとして渡されたグラスには、カシス(?)のスパークリングウォーター。飲み慣れないそれを美味しいと感じるかどうかはともかく、ワイングラスに注がれたクリアレッドのドリンクは、とにかくオシャレ。

正面のスクリーンには、フランス語に日本語訳のついたセンテンスが2つ。
“ラグジュアリーとは目に見えないもの”
“香りをまとわない女性に未来はない”

元日本テレビアナウンサー 阿部哲子さん(実は私、知らなかったのですが、とてもキレイでキュートな方でした。)の司会で進められたイベントは、残念ながら撮影禁止。
前半は、30秒に1本売れているという世界で最も人気の香り、“No.5”にまつわる話と、香りの付け方などのお話。
1つの香りに対し、一人の調香師が居るのも、シャネルならでは。
現在では、多くの香りが人工香料を用いられているのに対し、天然成分「ローズ ドゥメ(5月のバラ)」や「ジャスミン」から抽出した貴重な香りなのだとか。

その後は、2人に対して1人のシャネルのスタッフの方が似合う香りのカウンセリングをしてくださいます。シャネルが発表しているたくさんの香りを改めて体験しましたが、やはり、私はアリュール一筋で☆これじゃなきゃ、落ち着かないのです・・・。

それから、原料の展示を見学。チャンスにまつわる“メッセージリボン”をほどきます。
これ、ちょっとオシャレな“おみくじ”のようなもの。
2003年に発売された時は、思わず乗り換えることも考えなくはなかったピンクがイメージカラーの“CHANCE”という香り。
その名の通り、「人生の予想もしなかった場面に現れて、あなたに勇気を要求する。背を向けないで捕まえなくてはならないもの、それがチャンス。女性が自分の人生を見つけるように。自分のフレグランスを見つけるように。(シャネルホームページより)」香ります。
会場の一角に、たくさんのショッキングピンクの風船の先に結ばれたリボン。
私がほどいたリボンには、こんなメッセージが刻まれていました。

“もしかしたら運命の恋かもしれない・・・あなたのチャンスをつかまえて!”

13:00に始まったイベントが15:00に閉幕するまでの2時間は、あっという間に終わりました。
帰りには、こんな素敵なプレゼントを頂きました。

シャネルからは、「チャンス オー フレッシュ シマリング ボディー ローション」、
オッジからは、アラン・デュカスが手がけるフレンチレストラン「ベージュ アラン・デュカス 東京のチョコレート」。

オッジが大阪でイベントを開催するのは本当に久しぶりのことだったそうで、多数の応募があったそうです。なかなか体験することのできない貴重な時間になりました。

これからも、大好きな香りと上手に付き合っていきたいです。

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3月19日 ジュエリーショップ「俄 NIWAKA」

2008-03-19 | イベントレポート
3月14日(金)、京都商工会議所と京都リサーチパークが主催する「デザイン&ビジネスフォーラム2008」へ行ってきました。
講演は、インテリアプロデューサー、デザインプロデューサー、ジュエリーデザイナーという肩書きを持つ方々により行われました。
今日は、その中でも私にとって特に印象的で、スケジュール帳のメモ欄が真っ黒になった 京都発祥のジュエリーショップ 株式会社 俄 代表取締役 青木 敏和さんのお話しを取り上げたいと思います。

会場で受付を済ませると、素敵なカタログが2セット渡されました。席について早速開けてみると、それは俄さんのものでした。
女性なら皆、「ジュエリー」に興味がある。と思われている方も多いかも知れませんが、決してそんなことないと思うのです。だって、私がそうですから。
ですから、正直に言うと(キレイなカタログだなぁ。)(素敵なつくり方だなぁ。)とは思ったものの、中に掲載されているジュエリー自体には、それほどの関心はありませんでした。お話しも、どちらかというと、私の仕事とは関わりの少ないものですから、(何かを感じることは出来ないのではないかなぁ。)なんて、どこかで思っていたのです。

でも、そんな予想は、お話しが始まって5分と経たない内に変化しました。
無駄な脚色のないストレートなお話しに、青木社長の人柄と会社の姿が見えました。そして、住宅とジュエリーという、一見共通点など見出せない両者の間に、たくさんの共通点を見つけることができ、そして、多くのことを気付かされました。

ところで、みなさんは「俄」というジュエリーブランドをご存知でしょうか。
私は、「どちらかというと興味がない」とは言ったものの、かなり前から知っていたのです。およそ10年にもなるでしょうか。
なぜでしょう?
それは、他のジュエリーショップとは一風変わった、ハンコのような独特なロゴが印象的だったからかも知れません。

「俄」に対する印象は、「シルバーアクセサリーのお店」というイメージでした。もっというと、「学生でも手軽に購入できるもの」といった感じでしょうか。それがまさか、ウエディングリングとして高い評価を受けているということは、この日まで知りませんでした。

ジュエリー業界紙「JAPAN PRECIOUS」の2007年“プロの評価総合ランキング”では「ミキモト」を抜いて国内ブランド1位。“デザイン性オリジナリティランキング”に至っては「ティファニー」を抜いて5位という評価を受けているのです。
ランキングの詳細は、以下の通り。
“プロの評価総合ランキング”
1位:カルティエ
2位:ティファニー
3位:ブルガリ
4位:ハリー・ウィンストン
5位:ヴァンクリーフ&アーベル
6位:俄
7位:ミキモト
8位:ピアジェ
9位:ポンテヴェキオ
10位:ショーメ

さて、どこからどうお話しをしようか、手帳に記されたWORDを眺めてみました。そして、当日配られた、会社案内に目を通してみます。
すると、あることに気付きました。全てはこの案内の中に詰まっているのです。せっかくなので、一部を紹介させて頂きます。

【社是】
物は心なり  礼は和なり  人と我とで俄となる

【経営理念】
形をもって心を鍛え、物を通じて社会に奉仕する
作る喜びを共有し、人々の喜びを使命とする
凡人に残された道は努力と創意工夫であり
「思えば叶う」を信条とする


ページをめくると「既存の概念に捉われない独自の世界観」と題され、次のようにありました。

ブランドコンセプト「京都モダン」に表現される日本的な間(ま)、アシンメトリーなデザインが俄のジュエリーの象徴である。

 青木敏和が京都に工房を開いた1979年、ジュエリーデザインはシンメトリーが主流であった。これは、ジュエリーデザインが西洋先進であり、西洋デザインはアート、ファッションなども含め、シンメトリーであることが当然のセオリーだったからである。
一方、日本独特の美意識は規則的に造形が整えられた西洋のそれとは異なる面がある。あえて空間を残し、その余白によって世界観を伝える間(ま)。規則的な配列、バランスをあえてくずすことに美を見出すアシンメトリーなデザイン。「この日本独特の美的感覚をジュエリーで表現したい、和のデザインが持つ真の美しさを伝えたい」。この想いが、「京都モダン」を軸にした青木のジュエリーデザインのはじまりであった。
(中略)
 古典文様、漢字など伝統的な和のモチーフの持つデザイン性の美を引き出したジュエリーの数々は、国内外での高い評価を得るが、俄の商品の特徴はデザインだけではない。それはジュエリーのもつストーリー性を重視しているという点である。すべての商品には和名とそれに合わせた和歌を思わせるコンセプトストーリーが添えられ、ジュエリーを、単なる「モノ」を超えた世界観を伝える存在として位置づけている。(以下略)


それでは、講演の中で書きとめた言葉たちを紹介したいと思います。

「物をつくる能力」≠「売る能力」
物をつくる能力と売る能力は、全く別物である。
広告は、「PUSH」ではなく「PULL」。
押すのではなく、引き付けることが大切。

「物には寿命がある」だから、永遠に続くものはない。その寿命をいつに設定するかで自ずとアプローチの仕方が変わってくる。と青木社長は言います。俄は当面3代=100年を目標にしており、地に着いたものづくり、職人としての誇りある仕事をしていきたい。最終目標は「社会貢献」。これは、「ボランティア」といった類のものではなく、「人材育成」のこと。

「何をやりたいか?」をまずは明確に。その時、売り上げを第一目標としてしまっては、その達成は難しい。「自分を信じる」「自分の感性を信じる」そうすれば、叶わないものなどない・・・。

これから何かを始めようとしている大人たち、今まさに社会に出ようとしている学生のみなさんには、ぜひ、聞かせてあげたいお話しでした。そして、これらは、どの世界でも通ずるもので、私も次の目標設定をそろそろ明確にしていきたいと思う今日この頃なのでした。

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2月27日 京からかみ

2008-02-27 | イベントレポート
唐長」さんをご存知ですか?
京都には古くから御所を中心に、十数軒の唐紙屋が存在しましたが、蛤御門の変(はまぐりごもんのへん 江戸時代後期)で、ほとんどを焼失。わずかに唐長の持つ版木だけが残りました。唐長は、室町時代からほとんど変わらない技法を代々受け継いで守っている「京唐紙」の老舗です。

ところで、「唐紙-からかみ」とは平安時代、唐(中国)から来た紙の総称です。その中でも、雲母(=ケイ酸塩鉱物のグループ名。“きらら”、“きら”とも呼ばれる。その名の通り、キラキラ光る粉)で文様を刷った紋唐紙は日本で模倣して作られ、これを「からかみ」と呼ぶようになりました。当初は料紙(=りょうし 一般的に仮名や写経をするときに使う加工紙のことをいう)として使われていましたが、江戸時代に大量生産が可能となると、襖紙として使われるようになり、一般庶民にも身近なものになりました。ここ京都は、唐紙の主な生産地で、京都で作られたものは特に「京唐紙」と呼ばれます。
唐紙の作り方は、版画をイメージするとわかりやすいと思います。唐長では古いものは江戸時代初期、新しいものだと明治、大正のものまで、600枚の版木が保存されているそうです。この板木(下の写真)に雲母と布のり(=ふのり 布海苔 海草の一種でこれを煮とかして使います)を混ぜたものをつけ、和紙に文様を刷り込んで作ります。ここで版画と違うのは、ばれんで強くこするのではなく、優しくなでるように、手で摺り付けるという点。現在では、襖、障子、壁紙などに使われていますが、大きな面積のものを製作する際には、この柄のつなぎ具合がとても難しいのだとか。
 
たしかに、身幅ほどの版木ですから、その大変さは容易にわかりますよね。

2004年12月4日にオープンしたCOCON KARASUMA ~ 古今烏丸~に唐長の店舗が入り、社内でも話題になりました。「唐紙」・・・。普段目にしている襖紙とは格段に違う輝きを放っています。「いつかどこかで使いたいね。」という話しをしてから3年が経過し、私たちの中ではすっかり雲の上の存在となってしまっていました。

そんな唐紙に久しぶりにトキメイたのは、2月12日に訪れた今月度の町家セミナー(前回は畳のはなしとして、レポートしました。)、「京表具」編です。
毎回会場には、現物の見本がたくさん並びます。セミナーの開始時刻よりも少し早めに着いた私は、後輩とともに、簡易的につくられた枠の中に襖建具が納められる様子を眺めていました。
その中で、明らかに異彩を放つ一枚。
独特の色合いも、上品に輝くその光沢も、その他の物を曇らせてしまうだけの力がありました。
「あれ、絶対高いと思う・・・。」
唐紙の存在をすっかり忘れていた私は、それがそうだとも気付いてはいませんでした。
ただ、私の視力では捉えることが容易ではない距離からでも、その美しさだけははっきりと認識することができたのです。
講義が始まり、その建具を間近に見て、「なるほど」と理解することになりました。
講義の中では唐紙のサンプル帳もたくさん回覧されました。それを見ているのがあまりにも楽しくて、せっかく話してくださっている内容がほとんど耳に届かないくらい夢中になってしまいました。

唐紙。それは、ハッキリとした存在感のあるパターンを持っています。
そのサンプルを目の前にすると、少し使い道をためらわなくてはならないほど、主張の強いデザインに見えるのですが、それが、襖のような大きな面になっても、ちっともいやらしくないのです。
雲母の優しくも静かな光は、空間に優しく溶け込む術を知っています。
だから、住空間の「名脇役」になることができるのでしょう。

住宅には、たくさんのアイテムがあります。それぞれが「主役」として存在してしまっては、全く落ち着きのないものになってしまいます。あくまでも、住宅は「器」でなければならない。
そのために、その空間に存在するアイテムは「埋もれる」のではなく「溶け込める」力が必要なのだと思います。

「唐紙」にどうしてそこまで惹かれてしまうのか。
見本帳の中のたくさんの図柄を眺めながら自問自答を繰り返すうちに、そんな答えが見つかりました。

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2月5日 メンテナンスフリーがもたらした弊害

2008-02-05 | イベントレポート
2008年の私のテーマは「気宇」。
今年はとにかく、心にも生活にも、そして仕事にも大らかな心で余裕を持って取り組みたい。そんな想いを胸に新年を迎えたものの、全くできていないどころか、昨年よりも余裕のなかった昨日までの日々を反省しています。
さて、今なぜ「ゆとり」なのか?それは、京町家を通して、私が生まれる以前の生活を学ぶ内に、現代社会の色や温度のない生活に気付き始めたからです。

先月、1月26日、【杣人工房 嵯峨・木のこゝろ『風』】のオープニングイベントに参加しました。
ところで、この杣人工房とは、京都市内産の木材を使って改装したモデル工房のことで、市内の11箇所(各行政区に1ヶ所)に設置される一種のショールームです。これは、京都市が、「京都市農林行政基本方針」に基づき、市民や農林家の皆様とのパートナーシップの下、活力ある健全な森林の育成を進めており、平成17年度からは地域林業や木材関連業界の活性化、森林の保全を進める具体策として取り組んでいる、「京の山杣人工房事業」の相談窓口でもあります。

地図を頼りに訪れたその工房は、木の温もりと人の温もりに溢れた工房でした。
「そこがどのような施設なのか」ということを全く理解していないまま、ただ「国産材のセミナー」があるという情報だけで訪れた私は、とまどいを隠せませんでした。
JR嵯峨嵐山駅から、雪がひらひらと舞う道をいくらか歩き、その工房の扉を開けると、全身が柔らかい毛布で包まれるような感覚を覚えました。
靴を脱ぎ、室内に入ると床暖房で、足元から温められます。中を見渡すと、友達の家にお邪魔したような和やかな空間。いらっしゃった方々が、順々に名刺交換に来て下さいました。
「写真、撮ってもらっても大丈夫ですよ。」
と、竹内工務店の竹内社長に促され、カメラを構えると、みなさんカメラが捉える場所から移動してくださいます。そして、室内をご説明いただきました。
床暖房を施工した、ホールは「メイプル」の床、こちらの部屋は「インドネシア産材。こちらには、床暖房はしていません。」「こちらは、ヒノキ。床暖房の熱による収縮を考慮して板巾の狭いものを採用しました。」「それから、こちらがスギ。スギは柔らかくて、とても足ざわりが良いのですが、床暖房の仕上げ材としては不向きです。こちらも、すでに“スキ”が出てきていますが、春ごろに、この“スキ”をつめて、もう一度施工し直すつもりです。」
「これが、スギのベンチです。背もたれにもスギの磨き丸太を使いました。どうぞ座ってみてください。」

本当に、座りごこちのよいベンチでした。

「そして、このテーブルがケヤキ」

「それから、ダイニングテーブルがイチョウ。どちらもうるしによる塗装をしているんですよ。」

「足はね、ロートアイアンでつくりました。」

「こちらは、サクラのテーブルと、『G・WORKS』というメーカーから購入したスツール。モミとスギでできています。ほら、色味が違うでしょう?座ってみてください。とても気持ち良いから。」


不動産会社とは一味違う、穏やかで優しい雰囲気の中、部屋の中をウロウロ・・・キョロキョロ・・・。それから、ようやくセミナーが始まりました。

「どこでもお好きなところに座ってくださいね。」

セミナーと言えば、テーブルがあって、講師に正対するように着席するイメージがありますが、そこに居る人たちは、思い思いの場所に座ります。床暖房が気持ちの良い床の上にあぐらをかく人、座布団の上に正座をする人、イスに腰をかける人・・・。
私は、将来ダイニングチェアとして購入したいハンス・ウェグナーのYチェア(最近では中国産のものが出回っているので注意が必要です。デザインに対する版権の期限が切れているので、問題にはなりませんが、少し悲しい気がします。そもそもYチェアは中国の僧侶が用いた曲ろく《きょくろく=僧が法会の時などに用いる椅子の一種》からヒントを得てつくられたものですが、1949年に発表されて以来、世界中で愛されているイスの一つです。)を選びました。

お話しは、和やかなムードのままに始まりました。講義というよりも「こんな考え方で家をつくっていこうよ。」といったもの。その中でも特に印象的だったのが、次の言葉です。

・・・住宅にメンテナンスフリーなんてあり得ないことですよね。

以下は、当日に配られたレジュメの一部です。

■住まいを取りまく化学物質
・つくり手も住み手も無知だった
 合板、塗料、防虫剤からも ホルムアルデヒド
・機能性やメンテナンスフリーのみを追及したメーカー
 それに頼りすぎたユーザー あふれる産業廃棄物 


どうして、こんなにみんなが忙しくなってしまったのでしょうか。
私自身も、どちらかといえば、「いかに汚れない仕上げ材を選ぶか。」といったことが、自分が将来暮らす住宅の基準の一つになってしまっていました。
今、騒ぎになっている冷凍食品の問題だって同じことだと思います。自分で調理する余裕がないために、調理済みの食品に頼らなければならない人が増えてしまいました。
工夫して、ゆとりの時間を確保するために、あらゆる商品が生まれたハズなのに、ちっともゆとりが生まれない。
作業を省くために、何かを生み出すのではなく、「手入れすること」を楽しめる工夫や、「人と一緒に成長できる家」を考えていかなければならないと思う今日このごろです。


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1月22日 タイルのはなし

2008-01-22 | イベントレポート
昨年の11月、休日を利用して、愛知県常滑市にあるINAXライブミュージアムへ行ってきました。
INAXライブミュージアムとは、2007年1月9日にこのブログでも紹介した「土・どろんこ館」、「ものづくり工房」、「陶楽工房」、「釜のある広場・資料館」、「世界のタイル博物館」から成る一般にも開放された「観て、触れて、感じて、学び、創りだす-5つの発見館」です。
私はこの日、「土・どろんこ館」で「光るどろだんご」をつくる体験をしました。その施設では、たくさんの子どもたちから大人まで一つのどろだんごを一生懸命磨きます。
その姿は、誰も変わらない子どものよう。楽しくて、自然と笑顔がこぼれます。
館内の説明をしてくださっていたINAXの方の言葉が印象的でした。
「本来、ものづくりは、誰にとっても楽しいものだからね。」

さて、あの日から約2ヶ月が経過してしまいましたが、今日は特にタイルのはなしをしたいと思います。
私がそこを訪れたのは、偶然にも、世界のタイル博物館が11月3日にリニューアルされたばかりの頃のことでした。
施設の敷地内に足を踏み入れ、そのスケールの大きさに十分驚かされていたはずなのに、それにも増して、この世界のタイル博物館には、驚かなければなりませんでした。タイルの奥深い美しさを目の当たりにした瞬間です。
受付を済ませると、説明をしてくださるスタッフの方が出てきて下さいました。
ふと、受付のサイドに立てかけられた案内に目をやります。
・・・撮影禁止・・・
残念・・・。この素晴らしさを、存分にご紹介したかったのに。

ところで、説明のために出てきてくださった方なのですが、お会いした瞬間、なんだか初めてではないような気になりました。ネームプレートを見ます。やっぱり何かが引っかかる・・・。

館内の説明が始まりました。
まずは、装飾壁の原点、「クレイペグ」による壁面を再現した空間です。

(写真は、INAXのホームページより)

色は、ミッドナイトブルー(5PB1.5/2)、マルーン(5R2.5/6)、エクルベージュ(7.5YR8.5/4)

といったところでしょうか。
3色で幾何学に彩られた空間。クレイペグとは、もともと壁補強のために用いられた円錐状の焼き物、粘土くぎのことをいいます。今から5500年も前のこと、当時の人々がより美しくしようと考え付いたのが、この粘土くぎに着色をして装飾することでした。
メソポタミア地域、ウルクの人々はこれを200万本以上積み上げ、空間を作り上げたそうです。INAXはそれを再現すべく、当時とのように一本一本手作りでクレイペグをつくりました。この作業は、スタッフのみならず、たくさんの子どもたちを含むボランティアによって、5万本を超える「クレイペグ」がつくられ、再現されました。

冒頭から、興味深いお話しでした。
スタッフの方は、何かの資料を見るでもなく、歩きながら、そして立ち止まって説明を続けます。その内容の全てが、私にとって、初めて知ることばかり。
鞄から手帳を引っ張り出して、ペンを走らせたのは、ほとんど反射的な行動でした。
こんなに興味深い話を、ただこの瞬間の感動に終わらせたくなかった。そして、その方から出てくるこれほどの知識をその瞬間に記憶することは不可能でした。後からその時の行動に理由をつけるとすれば、おそらくそういったところでしょう。
それから、館内を一周する間、お話し頂いた内容をたっぷり書き止めて帰ってきました。
私自身の頭の中の整理と、手帳に記したことばたちの整理も含めて、以下にご紹介します。

世界最古のタイル

約4,600年前、ピラミッドの地下空間にはめ込まれていたのが世界最古のタイルだと言われています。ここで用いられているブルーの色、エジプトではブルーが「生命の色」と考えられていました。

イスラームのドリーム天井

イスラームのモスク(=イスラム教の礼拝堂)や宮殿を飾るタイル。
当時世界をリードした幾何学に基づいたタイルは、10形状から成り、10形状あればあらゆるデザインが可能だといいます。ここに再現された天井も、その色や配置を変えることで全く異なったデザインに変化します。
デザインは、平面で検討されましたが、実際に天井には360°になる必要があります。その再現に大変苦労されたそうです。

オランダのタイル

17~18世紀に、一般家庭にもタイルが登場します。それはフェルメールの絵画「ミルクを注ぐ女」の中にも、床の巾木にタイルが使われている様子が描かれています。白地にコバルトブルーで花や風景が描かれているのが特徴です。

(フェルメール 「ミルクを注ぐ女」)

イギリスのタイル

1850~1910年 アール・ヌーボー様式のレリーフタイルが特徴。
タイルの利用は、公共施設にはじまり、やがて、一般住宅に普及します。
透明感のある色調に目を奪われますが、これは原料に鉛を使って製作されたために表現することができました。現在では、環境汚染に繋がるため、製作することができないそうです。
機械によるタイルの大量生産が可能となり、1900年前後の建築ブームの中、美しい食器でお馴染みのミントンやウエッジウッドもタイルを生産していました。
(ミントン社製)

一方で、改めて手作りを評価するアーツ・アンド・クラフツ運動がおこり、全て手描きによるタイルが登場します。下のタイルは、タイル界を代表するデザイナー、ウィリアム・ド・モーガンによるもの。この他、数々の傑作を残しています。


イランのタイル

青釉のタイルが特徴。
砂漠の民には貴重な水、空の色である青を用いました。
永遠の生命や天国へのあこがれを表現したと言われています。
13~14世紀には金属の光に似た輝きを焼き物でつくりあげたラスター彩タイルが登場します。

これは、モスクなどの壁面に用いられました。確かに、とても神秘的な雰囲気のあるタイルです。

クエンカタイル<スペイン>

「クエンカ」とは土手をつくり、色を独立化したものを言います。

象嵌(ぞうがん)タイル<イギリス>

金太郎アメのように、切っても切っても色が出てくるものをいいます。

エマイユ・オンブラン手法

釉薬の厚みを変えることで微妙な色調を表現しました。タイルの表面を触ってみるとその凹凸を感じることができました。


これらが、なんとか手帳に書き留めることができたタイルのお話です。文字だけでは表現しきれないので、INAXのホームページに掲載されている画像の中から特徴的なものを利用させて頂きました。更に詳しいタイルのお話しは、http://www.inax.co.jp/museum/でご覧になれます。とても素敵なページです。

さて、やっぱりとても気になっていましたので、翌日会社の引き出しの中の名刺の束を探しました。
そして、見つけた「伊賀工場長」の名刺。
5年以上前、初めて三重県上野にあるユニットバスの工場に訪れた時に、ご説明頂いた方でした。人の顔や名前を覚えることは、あまり得意ではないハズの私。
きっとそのとき、ユニットバスの説明にも、新たな発見や驚きがあったせいなのでしょう。

振り返ってみても、たくさんの驚きに詰まった一日でした。
このブログの中で唯一、私が撮影した写真がトップに利用したタイル博物館の外観です。とてもお天気に恵まれた夕暮れ、施設を後にする時、せめて外観だけでも。と、撮影した一枚です。


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1月17日 畳のはなし

2008-01-17 | イベントレポート
1月8日、町家をトーク運営委員会主催、財団法人 京都市景観・まちづくりセンター共催のセミナー、京町家の職人さんが語る「町家の学校」へ行ってきました。
今回のテーマは「畳」です。

お話しは、その歴史から始まり、2007年を表す漢字にも選ばれた「偽」、つまり偽装問題、それから実際の畳の価格や、品種の違いなど2時間の講義の中で盛りだくさんに語られました。

そもそも、畳が一般家庭に普及し始めたのは100年程前のこと。
昔は、手織りで何日も掛けて生産されていたため、それはそれは高価なものだったそうです。ですから、現在のように部屋一面に敷き詰めるなんて、とんでもありません。
床の間や、今でいうベッドのような感覚で利用されていました。江戸時代に入り、ようやく今のような使われ方をするようになったんですね。

さて、畳と聞いてみなさんが想像される画は、どれもほとんど変わりのないものだと思います。しかし、その材質は様々です。現在では天然の藁床は影を潜め、化学床が主流となりました。これは、1970年に開催された万博の頃から普及し始めます。
この時期、高度経済成長の真只中の日本は、GNPが資本主義国家の中で2位にもなっています。
これまでの、隙間風の耐えない日本の住宅は、機密性の高い住宅に変化します。
機密性の高い住宅の中で天然の藁床は呼吸をすることができません。室内に充満した水蒸気をぐんぐん吸収し、コナダニが大発生する・・・。
年末やお盆の頃には、家中の畳を上げて、日干しをする。といった日本の文化も、経済成長をひた走る日本の企業戦士たちには、そんな余裕もありません。
そこで、虫も寄り付かない化学床が普及し始めたのだそうです。

こうして歴史を振り返ってみれば、私たちは、経済成長と引き換えに本来、受け継がなければならない日本の伝統と文化をすっかりおざなりにしてしまっていたのかも知れません。昨年は、様々なところで、偽装問題が発覚しました。畳も例外ではありません。

「畳って本来はそんなに青くないんだって?!」

ある日、自宅に帰ると夕方のニュースを目にしたばかりの母が興奮して話していたことを思い出しました。その日、ニュースで取り上げられていたものは、発がん性が指摘されている「マラカイトグリーン」という有機色素を用いて着色し、真新しい青々とした美しい姿を表現した畳でした。
お話しによると、畳業界も偽装問題は溢れているのだそうです。
「産地はどこなのか?輸入されたものなのか?とにかく、畳屋さんにアレコレ質問してみてください。」と、本セミナーの講師、磯垣タタミの代表、磯垣昇さんはおっしゃいます。
「たくさん質問して、納得できる答えが返ってこなければ、別の畳屋さんに行ってください。実際に製作者自身も、産地が偽装されていることを知らないままに、畳をつくっている人も居るのが現実です。」と、磯垣さんは続けました。
そんな時に、いつも悪者になるのは中国。特にこのような偽装問題では、必ず中国の国名を耳にします。今回のお話の中でも「中国産」の畳の粗悪さなどについても語られましたが、畳について調べるうちに、なんとなくそれだけの問題ではないことがわかりました。

私たち日本人自身が、経済成長や、利益確保とコスト削減のために、偽装を黙認し、行政が認可をしてきたもの。他国に責任転嫁をしてしまえば、国民感情はおさまるのかも知れないけれど、それは何の解決にもならないような気がしました。

これまでは、「モラル」という不確かなものを信じ、表示や認可を鵜呑みにしてきたけれど、自己責任によって、正しいものを選択する力が必要なのかも知れませんね。それはどこか、寂しいような気もしますが、それも私たち自身が築きあげた日本の歴史に他ありません。そして今、提供する側にある私は、選択を誤らない責任の重さを感じています。

さて、そんな偽装を見破るために、何を見れば良いのか?
簡単な例として、生産者シールが紹介されていました。


最近は、スーパーでも見かけることが増えましたよね。「このお米は鈴木さんの田んぼで収穫されました。」とか「このじゃがいもは佐藤さんの畑で採れました」といった生産者を明確に表示するもの。アレと同じです。生産者の名前が表示されているため、そのものに誇りがある人にしか添付することができないため、かなりの信頼性があるようです。

「偽装」というテーマから、すっかり暗いお話しになってしまいましたが、もう少し明るいテーマに移しましょう。
わたしたちは、リ・ストック京町家を通して、単純に町家を残すだけではなく、町家ならではの暮らし方、要するに文化そのものの継承も視野に入れた提案をしていこうとしています。そんな中でも畳文化は、一役を担う要素であることを確信しました。

現在流行っている縁の無い半畳、これを磯垣さんは、「勿体ない」と言われます。畳は、現在ついている畳表を裏側に返して縫う「裏返し」という方法を用いて、日焼けしていないキレイな面を出し、永く美しさを保つことができます。ところが、縁の無い「半畳」では、これが出来ないだけでなく、一枚の畳をつくる手間や技術が通常の縁がある畳に比べて必要となるため、半畳だからといってその価格が半額になるわけではありません。1帖の価格の70~80%が目安になります。
そこで「裏返し」も可能なのが「琉球畳」です。お客様の中には「縁の無い畳」を「琉球畳」と思われている方も少なくはありませんが、実際には畳表(イグサ)が違います。琉球表は、大分県国東半島で生産された七島イグサで織られた畳表です。普通のイグサは断面が丸い形をしているのに対して三角になっている、琉球で栽培されていた独特なイグサです。普通イグサは泥染めしてから乾燥させますが、七島イグサはそのまま乾燥させて織られます。かなり強い畳表で、半畳でも20,000円前後で販売されている高級品です。

「裏返し」ができるとかできないとか、ここまでのお話しに疑問を抱かれている方もいらっしゃるでしょう。私自身も、自宅に和室はありますが、「裏返し」の経験はありません。実際に、「裏返し(目安は3~5年程度。なるべく裏の状態が良い内に・・・)」→「表替え(裏返しから3~5年後が目安。使用状況や日当たりによって変わりますが)」といったメンテナンスをされているご家庭、半年に一度畳を上げて、干されるご家庭がどれほどあるでしょうか?
畳を汚さないために、上からゴザや、ラグを敷かれているご家庭も多いのでは?

そんな我が家もビッシリとゴザが敷き詰められています。
そういえば私、本物の畳の姿をお目にかかったことが無いような・・・。

「だって汚れるもん!」

と母は言います。はい。確かに汚れます。でも、それならば、本番はいつなのでしょうか?
美しい畳表を見せる発表の機会、お披露目はいつ、訪れるのでしょうか。

本来、畳の上に何かを敷くということは、畳にとってあまり良いものではありません。ダニの温床になることも然り、ゴザと畳の間にはいった細かなチリや埃とがこすられ、畳表が傷んでしまい、裏返しもできなくなってしまいます。

日に当たれば変色します。経年で傷みます。汚れもします。放っておけばダニも発生します。畳だって生きているんだから、人間と同じです。
私たち人間が、盆と正月に休むように、畳も半年に一度は風にあて、太陽にあて、リフレッシュさせてあげる。
汚れた衣服を着替えたり、傷んだ衣服を買い換えるのと同様に、裏返し、表替えをして美しく保つ。手入れを怠らなければ、永く気持ちよく時を重ねることができます。
品質の良い、天然の藁床畳・・・、手入れ次第で100年を共に過ごすことができるのだそうです。

私たちが生活を営む空間。それはただ、寝食を行う場としてだけではなく、その空間そのものに手を加えたり、メンテナンスをすることによって、ますます暮らしやすく、愛着のあるもの。私たちを癒してくれる、包んでくれるものに変化していくのではないでしょうか。その住まい方、手入れの仕方は、日本の伝統の中にヒントが隠されているような気がします。
合理化を追い求め、置き去りにしてきたもの。忘れかけられている日本の文化と心。
昔のヒトはスゴイ。恥ずかしながら、幼稚な表現しか見当たりません。
数々の偽装の発覚で、世間は混乱しました。けれどそれは、ただただアクセルだけを踏み続け、黄色だけでなく、赤信号まで無視して走り続けて躍進してしまったことにも原因があるのかも知れません。

町家を残していくという業務の中で、ただ単なる一つの商品としてだけではない提案に、ますます力を入れていきたいと思う今日このごろです。


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10月24日 住まいまるごとナショナルリビングフェア

2007-10-24 | イベントレポート
19日(金)、INTEX 大阪で19日と20日の2日間にわたって開催された「ナショナルリビングフェア」に行ってきました。ナショナルが(大阪で)このような大きな展示会をするのは、2年振りになるそうです。今回は、一般ユーザーに対する公開はなく、私たち専門業者限定に開催されました。入場には、招待券(バーコード読み取り)に名刺が必要で、ライバル企業が偵察しにくいようなスタイルで行われていました。

展示スタイルとして特におもしろかったのは、他社との比較展示。
もちろん、私が一般ユーザーではなく、それぞれのメーカーの主張を知った上で観覧しておりますから、手離しでナショナルの製品が優れていると洗脳されるのではなく、あくまで公平な目で見てきました。
単純にどちらが良い。とかどちらが優れているか。というのではなく、それぞれのメーカーの特徴が見えたことや、その商品を扱うメーカーのショールームでは知ることの出来ない弱点が見えたのは、大きな収穫でした。そして、カタログを見ただけ、いえ、たとえ実際の商品を見たとしても、説明なしには気付くことの本当に細かい心配りを知ることができました。

お時間が許すのであれば、1つのメーカーにこだわらず、たくさんのショールームでたくさんの商品に触れて、仕様決定されることを改めてオススメしたい。と感じました。
と、いいますのは、どの商品が一番良いのか。なんてことを軽はずみに私の口から言えないような気がしたからです。
ここでは控えさせて頂きますが、個人的には、ありますよ。(トイレならここかなぁ。とかキッチンならここよねぇ。)・・・って。でもそれはあくまで私のライフスタイルによるもので、全ての人に当てはまるものではありません。
ハチセが提案するリ・ストック住宅や新築住宅は、完成後の販売を主としていますので、私が自信を持ってオススメする商品を仕様に組み込んでいきます。しかし、一から住宅をつくろうと検討されている、このブログの読者のみなさんは、ぜひ、1つのアイテムに対して数社の商品を比較検討してください。

それでは、滞在した約2時間半の時間では、その全てを見ることができないくらいの盛りだくさんの展示の中から私がセレクトする厳選の3商品をご紹介します。

まずは、アルカリ整水器
フォンテ4

この商品がどうこう。という前に、まずは、浄水器とアルカリ整水器の違いを簡単に説明しておきましょう。浄水器とは、水をキレイにするためのもの。対してアルカリ整水器とは医学的効果が認められている水です。具体的には、胃腸病状の改善です。
胃もたれや胃の不快感をやわらげたり、胃腸の働きを助け、お通じを良好にします。

・・・と、言われても、健康なみなさんにはあまりピンとはこないでしょう。

ところが、私はすごい現象をみてきました。
用意されたのは、小さなコップ2つと、ペットボトルに入った緑茶。
一方のコップには水道水を、もう一方にはアルカリイオン水を。そこにボトルキャップの量だけの緑茶を注ぎます。


すると・・・

左:水道水 右:アルカリイオン水


当然、水道水の入ったコップは、緑茶に水が混ざるわけですから、もともとの緑茶より薄くなります。ところがアルカリ水の場合、もともとの緑茶の色より、濃くなったのです。

それを目の当たりにした私はといえば、メーカーさんにはかなり嬉しいリアクションだったと思いますよ。本当に驚きました。「これからわかるように、この水を使えば、いつもよりおいしいおだしが取れたり、おいしいコーヒーが淹れられるわけです。」と説明は続きました。詳しくお話しを聞くと、例えば麦茶をやかんで沸かす際に、これまで2パック利用されていたとすると1パックで良いのだそうです。お料理だって、調味料は控えめに。健康な生活に貢献してくれますよね。

次にご紹介したいのが、i・ミスト(アイミスト)


電気式のミストサウナです。
この商品、浴室に暖房乾燥機を設置しようとお考えなら、一度は比較検討して欲しい商品。これまでの浴室サウナとは一味もふた味も違う優れものです。

もちろん、体験してきました。
体験といいましても、それほどたいそうなものではありません。
洋服を着たまま体験できます。←ココがポイント!
水破砕方式により、目に見えないナノ微細水を作り出して低温でも発汗作用を促進してくれるというもの。私が洋服のまま入室できたことからもわかるように、本を読んだり浴室専用テレビを見ながらくつろぐことも可能。
目に見えないクリアミスト。それでもその保湿力は通常の入浴に比べて2.5倍、入浴15分後には約4.5倍を実現するのだから、お肌もつるつる、髪にもうるおい・・・それから汗をかいてリフレッシュ、さらには高い保温効果でぐっすり快眠・・・と、美容と健康を意のままに。まさにホームエステ。いえ、ホームドクター?!



他メーカーのユニットバスにも対応するのが嬉しいですね。

最後に・・・アラウーノ(トイレ)ウツクシーズ(洗面化粧台)とも迷いましたが、私が選んだのは「マイクロバブル浴室洗浄


浴槽洗いならわずか2分で完了。かがんでのこすり洗いが不要です。(但し、毎日お掃除してくださいね。)
私は、お風呂洗いが大キライです。と、いうのは、必ず洗った後にはビショ濡れになってしまうから・・・。そんな人にも安心。浴槽だけではなく、手の届かない天井や、壁・床の隅にも利用できるのが嬉しいですね。

この他、本当にたくさんの商品を見てきました。そうそう。くるりんポイ排水口(2月9日付ブログ参照)にも対抗する商品、10年間汚れをはじく「ささっとキレイ排水口」なんかも発表されていました。

それらは、大きな商品の中のほんの小さな部分に対するこだわりと工夫。このちいさな工夫が私たちの毎日の生活には大きなゆとりを生んでくれます。
しかし、どんなに良い商品でも、それを見ただけでは私たちが開発の意図を読み取るのはとても困難なこと。わかりやすいプレゼンテーションが必要だと感じました。

ハチセでも、住宅の中に細かい工夫をたくさん入れています。
中には、同じハチセの社員であったとしても、気がつかないような小さなコダワリも・・・。と、いうわけで、それらのこだわりを少しずつ発表していけるようなホームページをつくり始めています。

まずは、下京区の「リ・ストック住宅京町家」(販売中)
北区の新築住宅(販売中)の2件。

随時、新規物件を掲載していく予定です。ぜひ、ご覧ください!!

9月18日 I型、L型、アイランド型・・・そしてV-LAND型?!

2007-09-18 | イベントレポート

9月14日、TOYO KITCHENさんの京都ショールームに行ってきました。

自動ドアが開くと、そこにどっしりと据えられていたのが、2007年、TOYO KITCHENが提案するV-LANDキッチン。

空間はもちろん、時間の壁さえも取り去った、スーパーオープン発想。
今までとはちがう心豊かな時を楽しめます。

V-LANDは、まるで観客が舞台のまわりを取り囲むアリーナにいる感覚。キッチンを中心に集い、料理、食事、くつろぎの時間をこの上ないものにする、真の豊かさをカタチにしました。どちらからでもオープンで、楽しみ方は自由自在です。


Super Open
(GRAND BAY カタログより引用)

そう。「Super Open」ということばがピッタリのキッチンスタイル。
TOYO KITCHENは、これまでにも、日本にあるたくさんのキッチンメーカーの中でもまた少し違った角度からその商品展開をすすめてきました。時折その斬新な発想と洗練されたデザインに驚かされ、その商品だけでなく、ショールームのレイアウトや魅せ方のセンスには、自身の部屋にも応用させて頂いています。

そして、今回のV-LAND。ただ単純にデザインが斬新だというだけではなく、人間工学から研究された135°の自然な角度。135°とは、人が両手を自然に開いた状態の角度で、調理の効率化はもちろん、作業での手足の動きを少なくし、また首や眼の負担を軽減するのだとか。

何十年も愛されるデザイナーズチェアにも似た、デザインだけではなく、人間工学に、のっとった使い勝手が魅力の商品。

V型に角度をつけることで実現した、360°のアクセス。
キッチンが単なる作業空間ではなく、コミュニケーションの場として住宅に存在するのは女性としても嬉しいトコロです。


360°アクセスというのなら、構造だってフレキシブルに。

これまでのキッチンの常識を見事に裏切った新構造で、引き出し収納を前後自由に取付可能。もちろん、シンクとレンジだって対面に設置することもできます。
360°アクセスできるキッチンは、360°で使えるキッチンなのです。

家族のコミュニケーションが拡がる、新しいライフスタイルが想像できるような気がします。

引き出し収納を従来通り、調理作業サイドに集約した例


引き出し収納をキッチンの前後に振り分け、シンクとレンジを対面に設置した例


キャビネットの細部も無駄なく、収納として利用してしまうこの商品は、「ケーキカット型ユニット」というかわいいアイテムも。


・・・というわけで、とにもかくにも随所にアイデアが光る新しいキッチン。
これだけのキッチンを入れるとなれば、それなりの器も必要になるハズ。
そして、空間のどの位置にどんな風に存在させるか?そのセンスも問われる商品でしょう。

TOYO KITCHENのキッチンといえば、フリープランでフレキシブルで・・・。
自由にあなたのライフスタイルに合わせて・・・。
そんなキッチンスタイルにトキメキを感じて、TOYO KITCHENのキッチンでお料理すること、又は、そのキッチンを自宅に存在させることに夢を描く人も少なくはないハズ。
しかし、その一方で、自分一人ではプランニングができない、想像できない、価格の予想がつかないところなどが、一般のユーザーには踏み込みにくかったのではないでしょうか。

そんな私たちの気持ちを知ってか知らずか、新たに登場したのがPORTシリーズ。


夏に「PORT next」としてリニューアルした本商品は、充実した機能とデザインを兼ね備えて348,000円~(レンジフード別売)というお手頃価格。これなら手が届きそう。
しかも、プランが誰にでもわかりやすく、オンラインで簡単見積。これは嬉しい展開ですね。

ショールームでは、キッチンだけでなく、照明器具や家具の他、お皿やカトラリーなどオシャレなキッチン小物の購入も可能。
近くを通りがかった時には、ふらりと訪れても、とても楽しめる空間ですよ。

9月12日 黒のトイレットペーパー上陸!

2007-09-12 | イベントレポート
ポルトガルのレノヴァ社からやって来た黒のトイレットペーパーをご存知ですか。
私は、ニュースか何かで見かけて知ったのですが、なんとなく(トイレットペーパーは別に黒でなくても・・・)という思いから、差ほど気にかけることなくやり過ごしていました。ところが、この黒のトイレットペーパー、今年の6月15日に初上陸以来、その話題性から注文が殺到。一時は在庫がなくなり、販売停止にまでなっていたそうです。

さて、この黒いトイレットペーパーの概要を紹介しておきましょう。
価格はホームタイプ6ロール1,890円とギフトタイプ3ロール2,625円の2種類。
ホームタイプでも通常、私たちが利用しているものの10倍以上もする超高級品。
ブラックの他、レッド、オレンジ、ライトグリーンのカラーバリエーションがあり、トイレットペーパーを全く想像することができないオシャレなパッケージに、目を奪われます。ヨーロッパではセレブ層を中心に100万ロールを超える大ヒットを記録したそうです。
さすが、ターゲットを絞っているだけあって、ダブルロールならぬトリプルロール。3重層のトイレットペーパーなんて、これまで見たこともありません。

しかし、日本人は世界でも類を見ない純白のトイレットペーパーを好むと言われていました。私が黒のトイレットペーパーを♪受け流してしまったのも、私の典型的な日本人気質によるものだったのかも知れません。そういえば、日本の水まわり空間では「白」が愛され、便器のカラーも「アイボリー」や「オフホワイト」からより澄んだ「ピュアホワイト」に人気が移行し、特にレストランやショップ、ホテルなどでは、真っ白な便器を見ることが増えました。

ところが、先にお話しした通り、日本でも爆発的な人気を得ることができました。

その理由としてはやはりインターネットの存在が大きく影響しています。

このカラフルなトイレットペーパーは発売前からヨーロッパでの大ヒットという実績と物珍しさが手伝って、朝日新聞やフジビジネスサンケイアイ、Yahoo!など大手メディアがこぞって報道。これを受けてインターネット上でブログを中心として黒いトイレットペーパーの口コミが急速に広まっていきました。そして、こだわり型の消費が拡大する中、高くてもいいものを利用してみたいという消費者がこの商品に飛びついたのです。

(All about 2007年6月27日掲載 「セレブ専用!黒いトイレットペーパーが上陸」より引用)

と、ありました。
もちろん、インターネットにより情報のスピード化が進んだことから、ヒットまでに多くの時間を要しないのだと思います。私はこのヒットの理由の背景には、そのカラーの斬新さだけではなく、私たちの常識を超える価格設定と、その価格に見合ったデザインや品質によるものではないか。と考えます。
冬に、3,000円の超高級ティッシュが即日完売したのとも関連性があるのではないでしょうか。もしもこの黒いトイレットペーパーが100円で購入できたとすれば・・・おそらく、誰も振り向きはしなかったでしょう。

さて、私個人としては、トイレットペーパーとして使うことに、多少の抵抗はありますが、ティッシュのような感覚で部屋に存在すれば、それは立派なインテリアとして成立してくれるような気がします。

6月7日 松下電工 新商品発表会へ行ってきました。

2007-06-07 | イベントレポート
前回は、コイズミ照明の展示会のお話しをしましたが、今回は松下電工のお話し。
投稿が前後してしまいましたが、コイズミ照明は6月1日に。松下電工は5月17日に行ってきました。

松下電工の展示会は、大阪ビジネスパーク内の円形ホールで行われましたが、ご存知の通り、周辺はツイン21など松下グループが勢ぞろいした場所。照明器具を見ることは、もちろん一番の目的でしたが、ついでにキッチンなどの住宅設備の他、パナソニックのプラズマテレビやデジタルカメラ、それから携帯電話まで・・・松下漬けの一日を過ごしました。

さて、早速円形ホールの中に入ると最初に出迎えられるのは、直径800mmの大きな照明。プリーツ加工された布セードは、アイボリー色の他、ブラック、レッド、ブラウン、ホワイトのカラーバリエーションが楽しめるそうです。

この照明、2006年のミラノサローネで展示のあった商品ととても良く似た商品。
まだ、2007年のミラノサローネについて検証はできていませんが、いろいろな人の話を参考にさせて頂いたところ、昨年に続き今年もラージプロポーションと布セードは世界的に大流行しているようです。
本来、ヨーロッパではこの大きな照明を目線の高さに設置して、その器具のフォルムを楽しむようですが、果たして日本の住宅と生活様式に合うのかどうかは疑問なところ。

何事においてもそうですが、見慣れてしまうと、なんだかとても愛着がわいてしまうもの。
展示会に訪れたコーディネーターさんをはじめとする様々な住宅会社の関係者の反響は概ね高かったのではないでしょうか。

これが、一般の住宅にも広がるのか、このまま影をひそめていくのか・・・。
私は、もう少し様子を見たいところです。

この他、ラージプロポーションのペンダントはこのようなデザインのものもありました。

さて、次に注目したいのが、照明の明るさ感の新しい手法「Feu(フー)」という考え方。
今回展示会は、これを体感することを一番の目的としていました。
ところで、「Feu(フー)」とは、最近の間接照明での空間に対応した考え方です。
これまでの1室1灯の計画の場合、明るさの基準は水平面照度を参考に計画します。
ところが、間接照明の場合、水平面照度は高くないけれど、実際には必要な「明るさ感」を得ることができています。しかし、その「明るさ感」は、感覚的なもので、数値で証明することができませんでした。

そこで、今回松下電工が注目したのが、この明るさ感を数値化する方法。
立命館大学開発の「色モード境界輝度法」に基づき開発された「明るさ感」の新しい手法なのです。

詳しくは、こちらをご覧ください。
http://biz.national.jp/Ebox/smartarchi/concept/feu/index.html

展示会では、水平面照度が得られるダウンライトを用いた場合と、コーブ照明による間接照明を用いた場合の比較、また、ブラケットを用いた場合の比較をシュミレーション頂きました。
答えはもちろん、わかっていますが、その確認をしたいと、最前列で興味深く拝見させて頂きました。

すると・・・どうも納得がいかないのです。

なんとなく、直下に配光のあるダウンライトの照明空間の方が明るく感じられます。

もやもやした気持ちを抱えながら、その他の照明ブースに歩みをすすめ・・・、その後もう一度、「Fue(フー)」のシュミレーションブースに戻ってきました。
そこであることに気付きました。
人がたくさん集まったブースのかなり後ろの方からそのシュミレーションを眺めると、水平面照度は高くない、間接照明を利用した照明空間がとても広がりのある明るい空間を演出できていることがわかりました。
要するに、あまり近くで見ると、空間全体の明るさ感に気付けなかったのですが、一歩引いたところから見ると、その違いは明らかでした。

最近、ハチセの物件でも多灯使いの照明計画をすることが増えているという話をしましたが、そのような時、現場から「ちょっと暗いんじゃない?!」という声を聞きます。
こういった計画は私の感覚的なものや、これまでの経験を頼りに計画するので、照度計算では、その明るさ感を証明できません。光のまわり込みを考えると「暗いハズはないのだけれど・・・」実際に見た人が暗いと言うのですから、大問題です。
ところが大抵の場合、日が沈みまわりが暗くなると、その空間は十分な明るさが確保できていることを確認できます。

今回のこの展示会で私が感じた「明るさ感」の差は、どうもこれと似た現象ではないだろうか。と思いました。

つまり、周りが明るい時や、照明の直下に居る場合では、やはり空間を柔らかく照らす間接照明ではなく、直下照度の得られる照明空間に「明るさ」を感じるのだと思います。
そして、近頃認められつつある間接照明による空間は、天井面や壁面を明るくすることで、全体の灯数やワット数を減らしながら、「より明るさ感があり、より省エネルギー」な空間をつくることができます。これらは、同じ照明でありながら、その特性は全く異なるものですので、同じ基準で測ることはできませんでした。

これから「Feu(フー)」という基準が、ますます日本の住宅の照明環境に変化を与えるのではないでしょうか。

さて、円形ホールを満喫した後は、周辺の松下関連施設へ向かいました。
そこで特設されていたのが、3口ともIHヒーターという加熱機器の新商品

体験ができるということで、もちろん、参加してきました。
実はIHヒーターで調理するのは初めての経験で、ガス派の私も今回の経験でIHの地位が少しだけ向上しました。
強火でいためる場合に感じるもち手や菜箸を通じて感じる熱さが全くなく、とても快適です。それでも、パネル面に接触していなければ、熱がまわらないIHヒーターでは鍋振り等ができないため、私が自宅に選ぶなら、やはりガスコンロなのですが、お年寄りや小さなお子様のいる家庭にはオススメだと思います。

これまではIHヒーターといっても、3口の場合、真ん中上部の小さな部分は、ラジエントヒーターであったり、1口だけがIHヒーターであったりしましたので、その安全性は疑問でした。
しかし、今回3口共IHヒーターという商品が発表され、安全面を重視する場合には積極的に採用したい商品だと感じています。

(体験で調理した焼きそば)

ナショナルリビングショールーム 京都
では、IHヒーターやお掃除の負担を軽減する便器「アラウーノ」などの体験が可能です。
検討中のお客様は、こういった設備を利用されてから、実際の採用を決められた方が、自分にあった暮らしを手に入れることができると思います。

6月4日 KOIZUMI新商品展示会へ行ってきました

2007-06-04 | イベントレポート
コイズミ照明に訪れるのは、とても久しぶりでした。
ショールームが大規模な改装を行われたのもいつのことだったか、思い出そうにも思い出せません。大規模な改装というのは、リビング空間からホームシアター、吹き抜け空間など住まいの多彩なあかり演出をリアルに体感できるシミュレーション施設で、今回の訪問では、こちらを見学させて頂くことも目的の一つでした。

さて、今回の展示会を通して、私が一番ご紹介したいのが、「グレアレスダンライト」の素晴らしさです。照明計画についてある程度の知識のある方が読めば(何を今更・・・)と思われるかも知れません。コイズミ照明のスタッフの方がご覧になれば、(もっと他に紹介すべき商品、新作はたくさんあったでしょ?!)と思われるかも知れません。

でも、私はこれまで、様々なインテリアの商材の中でも、照明については特に積極的に勉強してきたつもりですが、グレアレスダウンライトがこんなに印象的な演出ができることに気付いていませんでした。

なんとなく良いこともわかっているし、学生時代も、特に店舗設計に関わる先生方からはしつこく「グレアレス」の話をされていたような気もします。
それでもイマイチ“ピン”と来なかったのです。

今回は、そうですねぇ。
頭の中に点在するそれぞれの知識が線でつながった感じです。

ところで、「グレアレスダウンライト」とは一体どのような性質のものかといいますと、カタログをそのまま引用するなら、「視線方向へのまぶしさを抑えたダウンライト」です。と、いうことになります。

そう。視線方向にまぶしさがないのです。つまり、ランプを見上げた時に光が目に入らない。


・・・今、ちょっと(だから???)って思いませんでした?!


私が今回感動したのは、まさしくこの部分なのです。
グレアレスダウンライトの定義は、照明について学ぶ時も、インテリア計画について学ぶ時にも触れてきました。『見上げた時にまぶしくない。』それは確かに快適かも知れないけれど、それがそれ程重要なことだとは思いませんでした。

「グレアレスダウンライト」とは、確かにその定義を文章にすると「視線方向へのまぶしさを抑えたダウンライト」だということに間違いはありませんが、私が実際にその器具による空間から定義するならば、

「対象物がなければ光の存在を感じないダウンライト」
と、いったところに落ち着くのではないでしょうか?

照明の点灯の確認をされる時、多くの方は照明器具をご覧になると思います。
グレアレスダウンライトは、そんな風に器具を見上げてもその点灯を確認することができません。その照明が狙っている方向、その照明の先にある物や空間に落ちている光を見て、初めてその点灯を確認することができます。

書いていて、なかなかうまく伝えられていないようにも思いますが、とにかく一度見て欲しい、そんな照明です。
だからといって全ての照明をグレアレスにしてしまうことは、あまりオススメできませんが、例えばキッチン前のカウンターや、飾り棚など、この器具の使い方次第でその空間の魅力を高められるに違いありません。今後、ハチセの現場では積極的に計画していくつもりですので、また、その様子をご紹介したいと思います。

照明計画中のお客様には、是非、ショールームで様々な器具の光のまわり方をご確認頂きたいものです。そういえば、コイズミ照明の大阪ショールームでは、一般のお客様を対象とした、光をデザインする照明セミナー「あかり教室」が開催されます。
ご興味のある方は、直接ショールームにお問い合わせ頂くか、私までご相談ください。