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さいたま市の「不登校等児童生徒支援センターGrowth」を視察しました

2022年11月28日 | 子育て・教育

11月17日に、さいたま市の「不登校等児童生徒支援センターGrowth」を視察しました。不登校支援としてタブレット端末を活用したオンライン授業をおこなっている先進的な取り組みを伺ってきました。

 

Growthは令和4年度からスタートした新たな取り組みで、不登校や病気等で長期欠席している児童生徒(令和2年度対象2451人)に対してオンライン授業などを配信しています。対象となる児童生徒は申込後、タブレット端末などを使って自宅からGrowthのオンライン授業に参加します。

Growthの設置目的は、「オンライン授業を含めたICTを活用した学習支援や体験活動等を通して、学ぶ喜びや人とのつながりを実感し、社会的に自立していくことを目指す」としています。そのため「学校復帰」を目標に置かず、社会的自立を目指しているとのことです。

また、教育相談室・教育支援センターやフリースクールなどの支援を受けていない児童生徒の受け皿としてGrowthができたとのことです。増加傾向にある不登校等への支援策に加えて、国のGIGAスクール構想によりタブレット端末が児童生徒1人1台配備されたことから、これを有効活用できないかといった議論も誕生の背景にあったようです。

 

■児童生徒の参加状況

児童生徒の参加状況などについて、会場説明会を4月(3回)と9月(1回)に4回開催し合計101人が参加、オンライン説明会の視聴回数は2千件を超えているとのことです。実際の申込者数は11月1日時点で合計170人です。12月にはオンラインで2学期の保護者会を行うとしています。

 

■運営方法と体制

さいたま市職員研修センター内(写真)にグロウスの事務所があります。そこからオンライン授業が配信されています。

運営体制は、県費の教員4人体制で運営していました。中学生の授業担当が2人、小学生担当が1人、電話応対などの運営担当が1人とのことです。中学生のクラスは教員1人が授業を進行し、もう1人の教員が生徒とのオンラインのチャットなどを担当し、2人で声を掛け合いながら授業を進行していました。小学生は、授業の進行からチャット対応まで1人で対応しているとのことです。(1人で授業運営はかなり大変なようで、2人体制の方が良さそう…)

なお、組織的には総合教育相談室のなかに「不登校等児童生徒支援係」として位置づけられています。

(写真)Growthの事務所があるさいたま市職員研修センター

 

■授業の内容や工夫

オンライン授業は小学校・中学校の別に月・水・金曜日に実施しています。それ以外の曜日も、分からなかった点などをオンラインで質問できる「なぜなぜタイム(小学)」や「アスキングタイム(中学)」などの時間も設けられています。また、オンライン授業だけでなく対面によるオフライン授業(プラネタリウムや日帰り体験など)も実施しています。

どのような授業に心がけているのか伺ったところ、「学校の授業の提供ではなく学びを目的に置いている」とのことで、小学生のクラスではクイズや絵を描くなどの授業をメインにしつつも教科に触れながら進めているとのことでした。中学生のクラスでは、五教科を中心にしながら基礎的な学習や防災、道徳なども取り入れて工夫し、一方的に教えるのではなく生徒それぞれが調べる授業などを実施し、パソコン操作やコミュニケーションも高める授業にしているとのことでした。担当の先生が、すべての授業を苦労されながら組み立てている様子を伺うことができました。

なお、オンライン学習の運用方法で草加市との違いを感じた点としてIDの取り扱いがありました。さいたま市では、生徒一人一人に専用のIDが振り分けられているため、学校から渡されたタブレット端末だけでなく、自宅のパソコンやスマホなどからログインしてオンライン授業に参加している児童生徒もいます。

(写真)Growthの授業配信を行っている部屋。後ろの席でオンライン授業を行っています。

 

■Growthに参加することで「出席扱い」も可に

また、各学校長の判断によりGrowthの授業に参加することで指導要録上の「出席扱い」とすることも可能としているとのことです。校長が判断してくれれば登校したことになるようです!

※さいたま市教育委員会の許可を頂き【不登校児童生徒の「指導要録上の出席扱い」に係るガイドラインについて】の抜粋を添付しました。

 

■Growthの予算

令和4年度予算は410万円程度とのことでした。主に専用パソコンやネット環境、水光熱費などの維持費がほとんどとのことで、あとは日帰り体験のバス代などです。

 

最後に…

不登校になった背景も状況やニーズも子ども一人ひとりによって全く異なり、その子にあった支援のあり方を子どもたちが選択できる幅広い網の目のような支援体系を構築できないだろうか…不登校に係わるご相談などをいただくなかで感じる思いです。草加市でも教職員の尽力により支援策が一歩ずつ進められてきましたが、現状の支援体系ではどこにも行く先がない子たちをフォローしきれていない状況にあります。

そうしたなか、タブレット端末を活用したさいたま市の新たな取り組みをウオッチしていました!そして、選挙が終わり、ようやく視察することができました。お忙しいなか、長時間にわたり丁寧にご対応くださった職員のみなさん、本当にありがとうございました。

これからも、他市の先進的な取り組みに学び、草加の教育を推進していきます。

 

※記載した内容は視察をおこなった2022年11月17日時点の聞き取り内容であり、現状とは異なっている場合があります。


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