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信州岩波講座2012・講座Ⅱ池澤夏樹氏の熱演「文明の渚」を語る

2012年09月04日 | 信州岩波講座




肌を突き刺すような強い日差しが照りつける8月26日、池澤夏樹氏を迎えて講座Ⅱが開催されました。聴講者は約400人、講座Ⅰとほぼ同数でした。

まずメセナジュニアオーケストラによるウエルカム演奏。さわやかな響きとなって聴講者の心をほぐしてくれました。そして池澤氏が登壇、『文明の渚』と題して講演。終始一貫たんたんと落ち着きのある声で、3.11後の被災地での体験と考えを述べられました。決して力むことなく、途中で声を荒らげることもない――それがかえって聴いている者の集中度を高め、まるで一つの楽器の音色に集中するかのようにホール内は静まりかえっていました。

後半は、聴講者からの質問に池澤氏が答えるというかたちで進められました。進行役は、信濃毎日新聞社文化部記者の畑谷史代さん。池澤氏の〈見方・考え方〉をより深く知ることができました。

〈アンケートより〉

池澤さんの講演、とても良かったです。テーマ、3.11のとらえ方、日本の姿、日本とは…を考えさせられました。とてもわかりやすい口調で聞きやすかった。3.11の状況は、どの場面でも涙が込み上げてきます。特に原発は反対です。(中野市60代女性)

スタッフをされている皆様、とても感謝しています。震災後、何ができるかと考えながら暮らしてきましたが、改めて見直して、できることをしたいと思いました。(小諸市50代女性)

3.11というと、とかく原発のことで頭が一杯になりがちだけれど、あの震災の大部分である地震・津波への言及がたくさんあり、改めて考えさせられた。ところどころ日本の戦争、オキナワetc…のことも引き合いに出され、様々な問題の多面性と共にそれぞれがつながった問題を抱えていることが良く伝わってきて、レジュメにある「国家論」の部分、もう少し聞きたかった。先日の田中氏の講演とも重なる点が多い講演だったと思う。(須坂市40代以上女性)

最終の講座Ⅲは9月8日、「経済社会のビジョンを描く」をテーマに浜矩子氏、中野剛志氏による講演と対談です。
「TPPへの参加で日本は良くなるのか」「デフレ下における国の政策に誤りはないか」「増税しなければ本当にギリシャのようになってしまうのか」等々。『グローバル恐慌』(浜氏)、『グローバル恐慌の真相』(中野氏)の著者お二人による熱い講演と対談が期待されます。

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