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哲学カフェ2013

2013年02月13日 | ミッション
3/2哲学カフェ2013ワークショップ「中上健次論」への期待
 今年初の「哲学カフェ」が、いよいよ20日後に開かれます。

◎長田洋一文学ゼミ「中上健次さんの小説と人となり」
 日時:3月2日(土)開場/14・00 お話し/14・10~15・10 ティータイム/15・10~15・20 談話会/15・20~16・00
 会場:長野市若里「お茶ぐら・ゆいまある」(信大工学部正門前)
 
  
※講師の長田洋一氏の解説(松本平タウン情報2012/12.4掲載コラム「本の楽しみ」より)
 中上健次さんと『千年の愉楽』-
小説家、中上健次氏の作品が若者に読まれているという。没後20年となった今年、そんな話を耳にした。実際、私自身も「今、中上さんの小説を読んでいます」と話す若者たちに何度か遭遇した。氏は1976年、故郷・紀州を舞台にした短編小説『岬』で芥川賞を受賞。翌年書いた長編小説『枯木灘』で文壇的地位を確立した。紀州の被差別を「路地」と表現し、血縁、地縁に基づく独特の物語を展開した。生き急ぐかのように80年代を駆け抜けた氏を、やがて腎臓癌という病魔が襲う。それが肺に転移し、92年の夏、46歳の若さで永眠してしまった。表現者特有の苦悩と焦燥感が漂っていた氏に、私が併走しだしたのは70年代の終わり。漠然とながらも「永く生きられないのでは」と不安を感じたためか、矢継ぎ早の執筆と未刊行作品の出版を慫慂した記憶がある。中でも濃密な時間を共有した忘れ難い作品は、連作小説『千年の愉楽』。取材・執筆のため、紀州から北海道にも同行し、生みの苦労を肌で感じた。80-82年、当時私がかかわっていた雑誌『文藝』で6回にわたり発表。「神話的世界を通して描いた新たな文学」と評された。その『千年の愉楽』は、10月に亡くなった映画監督の若松孝二さんが95年ごろから映画化を考えていた。今秋完成し、来年3月、全国公開の運びだ。映画と共に、中上作品が読み継がれていくことを楽しみにしている。(編集者・安曇野市在住)



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