星とか日々とか

ブログはじめました/2011/12/10

マルカリアンの鎖、春の星空 2019年4月7日

2019-04-07 13:25:39 | 星空

北信濃は、雪が殆ど消えて冬から一気に早春となりました。3月31日、なんとツバメが1羽飛んでいました。早い。その2日後にも1羽が電線に留まっていました。 けれどその日の夜は雪! あの子たち大丈夫だったろうか。。。  高気圧と低気圧が次々と流れる春先、晴天を狙って久しぶりにR200SSとiPotron45を引っ張り出して春の天体を撮影してみました。 まず最初は、おとめ座銀河団で美しい曲線を描く、マルカリアンの鎖( Markarian's Chain、マルカリアンの銀河鎖)です。 以前は長焦点の写真鏡もそれを搭載できる赤道儀も無かったので撮影することは出来なかったのですが、やっとその日が訪れました。

DATA   2019.04.04 24h36m(28時間制)  Vixen R200SS + コマコレクタ-PH (760mm F3.8)  SONY α7s(無改造) 30sec  ISO 5000   35pic  total 1050sec  iOptron45  M-GEN

晴れているとはいえ春霞でパッとしないのと、α7sに使用しているマウントアダプタのケラレがあり、その補正が上手くいっていませんが、まあ何とか撮れました。 おとめ座の銀河はいずれも数千万光年の距離にあり、今日見たこれらの銀河の姿は、地球に巨大隕石が衝突して恐竜が絶滅したころに近い時代のものですね。気が遠くなるほどの長い時間を掛けて太陽系までたどり着いた光をカメラで捉える、考えてみると凄いことです。  この写真の視界だけでも、説明図に示した以外に幾つか銀河らしきものが見えていますが、上空大気が澄んで、かつシーイングが安定した日に巡り逢えれば、驚くほど の数の銀河が写ることでしょう。  あっ、撮影の時に失敗が。。 赤道儀へのコマンドの一つ、子午線超えの際に望遠鏡反転を「しない」の入力を忘れてしまいました。お蔭で撮影開始後、赤道儀に任せて自動撮影を行い、別の場所で星空を撮影してから戻ってみると、なんと望遠鏡がくるりと反対側にいて撮影はやり直しに。クラッシュを避ける意味では 必要な機能なのですが、ドイツ式赤道儀で天頂付近を境に撮影する時の要注意「子午線越え」、久しぶりの撮影ですっかり頭から抜けていました。

下の写真は撮影中の様子です。向こう側南西の空にからす座が見えています。この星座を見るたびに、1986年春のハレー彗星、そしてその撮影(新潟県角田山の麓)の真っ最中、 ラジオから流れた「ソヴィエトでの重大な原発事故(チェルノブイリ)」のニュースことを思い出します。  赤道儀の下にある青い箱は、自作の乾燥空気供給装置です。以前は曇り防止にヒータを使っていましたが、温度によりピントが微妙にズレるので、最近はこれを使って います。外気温は北信濃の早春としてはさほど寒くは無いマイナス3度でした。

マルカリアンチェーンを自動撮影していた最中に写した春の星空です。 北斗七星天高く、そして東の空には夏の星座、こと座のベガが昇ってきています。冬が終われば 星空は駆け足で夏に向かいます。南の空には初夏の星座、さそりの大きなカーブが見えていました。

DATA 2019.04.04 23h50m    OLYMPUS ZUIKO 8mm F1.8(1.8)   E-M10MarkⅡ  ISO 2000  15sec  固定撮影  (こんな恐ろしくシャープな魚眼レンズ見たことがない)

マルカリアンチェーンと星景が済んだあと、まだ薄明まで時間があるので、M51とM27を撮影することに。

りょうけん座の渦巻銀河M51は写りのよい天体ですが、小さいので出来るだけ焦点距離を長くしたいところです。しかしそうするとシーイングの影響を受けて像がボケるのと、赤道儀のガイド精度も怪しくなってくるので、結果として800mmくらいが丁度よいのかもしれません。 ただ欲を言えばもう少し解像力が欲しいです。 使用した カメラはソニーのα7s、バルブによる長秒撮影では、微光星の写りに影響が出るとされており私も微光星の潰れを自身のカメラで確認していますが、30秒以内であれば問題が無いのと、何よりも超高感度の動画モードを使うと、撮影対象天体が手に取るようにリアルタイムで見えるメリットがあり、最近はこれを使うことが多いです。

DATA   2019.04.04 25h19m (28時間制)    Vixen R200SS + コマコレクタ-PH (760mm F3.8)  SONY α7s(無改造) 30sec  ISO 5000     14pic  total 420sec iOptron45  M-GEN   (全視界の中心約1/3を切り出ししています)

続いてM27こぎつね座亜鈴状星雲、夏の星座なのでまだ撮影には早いのですが、オリンパスE-M10MK2の写りをテストするために向けてみました。 もともと色乗りのよい天体ですが、無改造のE-M10MK2もなかなかの性能を示してくれました。 このカメラは8mmF1.8での自動インターバル撮影を行うために昨年入手した ものですが、ノイズは少なく、振動が小さく、ライブビューもたいへん見やすく、外付けレリーズも使用出来で使いやすいです。 オリンパスのラインナップとしては 一般用・ファミリー用という位置づけのようですが、機能は天体撮影用としても十分だと感じます。

 DATA  2019.04.04 27h31m (28時間制)   Vixen R200SS + コマコレクタ-PH (760mm F3.8)  OLYMPUS E-M10MarkⅡ  120sec  ISO 1600       5pic  total 600sec iOptron45 M-GEN  (全視界の中心約1/2を切り出しています)

 

 

 

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