きつねの戯言

銀狐です。不定期で趣味の小説・楽描きイラストなど描いています。日常垢「次郎丸かなみの有味湿潤な日常生活」ではエッセイも。

5月27日(日)のつぶやき その1

2012-05-28 01:28:09 | 日記
02:18 from Keitai Web
もう寝そうなので布団に移動。アクセルワールドは無理。黒子の時はいつもはPCしてるが今日はかげ様のターン。

02:28 from Keitai Web
寝落ちしかけた(-_-;)素直に寝るか(-.-)Zzz・・・・

09:49 from Keitai Web
寝過ぎて頭痛い 肩凝り半端ないかも

11:23 from Keitai Web
今日はしんどい 週末だから? でもまた明日から始まる 月火の深夜もあるけど心弾まない

11:26 from Keitai Web
久しぶりに性格改造マニュアル読み返した 病んでたなぁ あの頃 今は大丈夫か?

11:26 from Keitai Web
ネタはまだ上空でもやもやしてる

11:28 from Keitai Web
たかが毎週土曜働いてるだけで何故こんなに疲れるんだ?しかも平日もフルじゃないのに?

11:29 from Keitai Web
毎日料理する元気ないからってこんなことしてたらまたお金なくなる

11:31 from Keitai Web
したいことせなあかんことした方がいいこといっぱいあるけどできんのが情けない

11:32 from Keitai Web
いつまで病み上がり? あ、まだ闘病中か?

11:34 from Keitai Web
また眠くなってきた ねぇねがPCで勉強してるし ひめ寝てるし かげ様スタジオやし

11:36 from Keitai Web
無理やり動くのも1つの方法やし 開きなおって気が済むまで休みまくるのもまた1つの方法やし

11:38 from Keitai Web
私は何がしたいんやろ…

11:44 from Keitai Web
寝落ちしかけた(-_-;)

12:40 RT from yubitter  [ 149 RT ]
大事な人が哀しんだり、苦しんだり、笑えないでいるなら、誰が元気出させるんだって、そりゃ、俺しかいねえだろって気持ちで世にはばかるB型。
血液型botさんのツイート

16:00 from Keitai Web
4時だ ふて寝もいい加減にしないと

16:06 RT from Keitai Web  [ 3 RT ]
男性のアルツハイマー患者はどんなに重症でも妻の事は最後まで覚えているらしい。  女性のアルツハイマー患者は一番最初に夫の名前を忘れるらしい・・・。
月の雫さんのツイート

16:08 from Keitai Web (Re: @lunartemiselene
@lunartemiselene ウチのオヤジならきっと「お母さん、あんたの名前は何やったかな?」って言う気がする

16:11 RT from Keitai Web  [ 2 RT ]
☆持つ者から持たざる者へのお言葉イケメン「人生顔じゃないよ!」高学歴「学歴?関係ないでしょ!」大手社員「選ばなければ仕事はいくらでもある!」金持ち「お金より大切なものがある!」彼女持ち「彼女とかいてもめんどくさいだけだよ!」(^ω^ )…
月の雫さんのツイート

16:15 from Keitai Web (Re: @lunartemiselene
@lunartemiselene お母さんとしか呼ばないから本名は忘れちゃうでしょうね。意外と元カノと間違えたりして。(笑)兄妹仲いいと妹と間違うらしいけどそれもないし。(笑)

16:22 from Keitai Web (Re: @lunartemiselene
@lunartemiselene いや~子供もどうだかね~(((^^;)

18:09 from Keitai Web
さあ炊飯器セットしてシャワー行って来るかな~

19:40 from Keitai Web (Re: @otonen_0
@otonen_0 偉かったね…(;o;)

19:43 from Keitai Web
また風呂入る入る詐偽

20:29 from Keitai Web
抹茶ラテ飲んで時間待ち中

by NonChromatic on Twitter

きつねのひとりごと

2012-05-27 23:51:54 | 日記
どうも(^-^)/
中の人、銀狐です。
いつも閲覧頂きありがとうございます。m(_ _)m
銀狐稲荷シリーズ始め、いくつもの物語を語ってきましたが、これからも更なる物語をつむぎ出すべく日々精進して参りますのでよろしくお願い致します。
銀狐稲荷シリーズの根底には心理療法、カウンセリング、コーチング関連の知識もありますが、自分や身近な誰かをヒントにテーマが決まると、まさに三狐神様の口寄せよろしくどんどんと言葉が出てきます。それを葛の葉が語り出すので、私はペンやキーボードでそれを書き表すお手伝いをしている感じです。
サイドストーリーも漠然とした設定しかない中、次々と情景や台詞が出て来るので、ひたすらそれを書きとめるのみです。
その他の物語も、何らかのヒントを元にどんどんと湧き上がってきたものばかりです。
アニメや小説、あるシーンの映像やキャラクターのイメージ、名台詞、キーワード…何かをきっかけにワーッっとこみあげてくるものなのです。
言い訳ではないのですが、そういう物語達ばかりなので、中の人の生活や体調などにある程度左右される所があるのは否めません。
自己管理にも気を付けて常に万全を期して創作活動に邁進できるよう努力して参ります。
今後ともよろしくお願い致します。
by 銀狐(^-^)v

5月26日(土)のつぶやき その2

2012-05-27 01:25:58 | 日記
20:11 RT from web  [ 11 RT ]
恋をすると女性は綺麗になる、これは本当。 女性は恋をするとエストロゲンていうホルモンが分泌されて、これがお肌や髪をツヤツヤにする。 ちなみに大事なのは「ときめき」なので、相手は二次元でも問題ない。   #有益なことをつぶやこう
月の雫さんのツイート

20:12 from web
書いてきたぜ~まだ下書きで誤字脱字チェックしてないけど、5058文字だぜ~大作だろ~

21:00 from web
投稿終了。めっちゃ疲れたわ~。でも何か、これで何となく雰囲気だけの番外編の裏取れた感がある。でもやっぱ後半畳みかけた感は否めない。

21:05 RT from web  [ 20 RT ]
かわいい子見すぎて立ち直れない。かわいいの過剰摂取はよくない。
エヒタさんのツイート

21:18 from web
過去に投稿したブログの再編集が出来ることを今日初めて知った…

21:19 from web
閲覧数で一喜一憂してるけど、まだ1回もコメントもらったことない。内容によっては落ち込むからない方がいいっちゃいい。勝手に好きなこと書いてるだけだもんね。

21:25 from web
ブログ書いてて8時半になったが、ひめがお出かけ中ピザ食べたいと言ってたってねぇねが言うから、かげ様に注文してくれるようにメールしてってひめに頼んだ。かげ様バイトやけどしてくれるんかな。お金ならあるのよ~

21:50 RT from web  [ 2578 RT ]
俺「thatって10回言って」友「おう、that,that...」俺「これはペンですって言って」友「誰がハマるか!This is...」友「って、あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」俺「馬鹿だろ、」 #意味が分かったらrt
タケノコ推進派さんのツイート

21:54 from web
身内で隣り合わせでツイッターで会話ってことがたまにある。直接言えってかwwwwww

22:02 from web
かげ様仕事速いわ~もう既に注文してるやん。請求金額のみひめにメールしてる(笑)

22:04 from web
ブログも書けたし、コミック読もうかな~ツイッターにコミック表紙画像上げたらFBにも反映するからUPしたつもりやったけど、アドレス間違ってFBに上げてた。疲れて眠いからぼけてんな~

22:08 from web
FBで自作ポエム書くのハズいな~もう既に本性バレバレやけどな~

22:10 from web
あんだけブログで独自のワールド展開しててもさすがにFBはリア友とか同期いっぱいいるからな~

22:11 from web
っても小・中の文集みたらまんまやけどな~

22:11 from web
きっと生まれつきの廚ニやねんな。うん。

22:11 from web
テイストいっこも変わってへんもん。

22:12 from web
もうすぐピザ来るやろ。それとも自分の帰る時間に合わせて予約したんやろか、かげ様?

22:14 from web
来ましたっ\(^o^)/

22:15 from web
さあ、食べたらコミック読むので離脱するよ~

by NonChromatic on Twitter

5月26日(土)のつぶやき その1

2012-05-27 01:25:57 | 日記
00:18 from web (Re: @otonen_0
@otonen_0 ちょー多忙(^_^;)

00:19 RT from web  [ 3 RT ]
明日の自分に謝りながら辛いラーメン食べた
エヒタさんのツイート

00:33 from web
さあ、寝る方向でシュクシュクと片付けんゾ。おーーーーっ!

01:38 from Keitai Web
もう時間押してるけど…寝ます!髪乾かしてから。

08:31 from Keitai Web
おはようございます

08:32 from Keitai Web
出勤中。バス来た。

08:33 from Keitai Web
何でいつも5分前くらいにうとうとしちゃうんだ

08:34 from Keitai Web
眠い

09:12 from Keitai Web
ホームででっかいパンにかぶりつく女の子。頑張れよp(^-^)q

09:13 from Keitai Web
朝から飛ばしとったらまた充電切れんで?

09:20 from Keitai Web
若い格好したオバサン見るとえーっと思うが私もそう見られてんのかなと思うと…(いや誰も見てへんから)…それともこの人はめっちゃ老けてるけど実はめっちゃ若かったりすんのかな?すげぇ年下やったら超笑える

09:21 from Keitai Web
着いた 朝ごはん♪

09:31 from Keitai Web
本日の食料。朝食&昼食用。おにぎりとお茶で朝食食べた。Let's 出勤! photozou.jp/photo/show/258…

14:36 from Keitai Web
退勤中。2時に終わったけど本屋に寄り道してた。なぜしろくまカフェ4巻しかないの?

14:37 from Keitai Web
電車行っちゃった(^^; 昨日忘れた傘邪魔や

14:39 from Keitai Web
昨日書きかけのネタが物凄い展開を見せている!単に以前の番外編を別の登場人物の観点から見直したら、くらいの発送だったのに!

14:41 from Keitai Web
もしかしたらこれで単に謎めいた雰囲気を釀しだすだけだったものが命を得て輝き出すかもしれない!

14:44 from Keitai Web
…ていつも思うけど長くなってしんどくなって最後が尻すぼみになることが旺々にしてある。てか、大抵そうなる。

14:48 RT from Keitai Web  [ 100 RT ]
A型「友達はいい。優しくて、厳しくて、不完全で、いい。 恋人はいい。優しくて、厳しくて、不完全で、いい。 家族はいい。優しくて、厳しくて、不完全で、いい。 僕は、優しくて、厳しくて、不完全だろうか。」
血液型botさんのツイート

17:44 from web
さて、ブログネタ下書き終了。メモ帳で25ページの超対策だぜ~ワイルドだろ~

17:45 from web
でも、題材自体は依然書いた番外編のさらに番外編(?)なので挿絵はカブるから描かないんだぜ~

17:46 from web
では書いてくるぜ~

17:59 from web
先に閲覧数確認したらちょっと回復。るん♪

20:09 RT from web  [ 2 RT ]
どうせ君たち、絵に描いたようなイケメンより絵に描いたイケメンの方が好きなんだろ!
月の雫さんのツイート

20:09 RT from web  [ 196 RT ]
ストレッチマン「どうだ~、筋肉痛になってきただろう~」
笑ってはいけないさんのツイート

by NonChromatic on Twitter

妖狐奇譚・三狐神様伝説

2012-05-26 20:56:56 | 日記
(この物語はフィクションであり、特定の個人及び団体とは一切関係ありません)

 古の都に妖狐ありけり。見目麗しく柔らかき物腰にて、涼やかなる声の芳しく匂ひたる男(おのこ)の姿に身をやつし人を誑かせり。妖狐の狙ひしは人の心、魂なり。甘き言の葉にて人を誘ひて弄び、終には心を奪ひたると云ふ…

 『お女中、如何なされました?』
時刻(とき)は黄昏時、都の大通りを一本外れた細い路(みち)にはほとんど人通りもない。商家の使用人らしき若い娘が一人灯りも持たずに歩いていた。気配を消して背後から近づいたと見えて、娘はその声に驚いた。しかしあまりにも耳触り良く、心地良い響きだったので、つい先程まで人の気配もなく灯りも見えなかったというのに不思議と疑うこともなかった。
 『失礼致しました。驚かせるつもりはなかったのですが、このような時刻に若い娘御がお一人で、灯りすらお持ちでないご様子でしたので…この辺りは物騒なのですよ。西へ向かわれるのでしたら、私でよろしければご一緒致しますが、如何?』
背の高い美しい青年が優しく囁き、にっこりと微笑んでいる。娘が視線を外した瞬間、青年の瞳が鋭い光を放ったのだが、娘は全くそれには気付かなかった。
 青年はすらりとした長身で、銀色の長い髪を背中で束ねている。肌の色は透き通るように白く、下ろした長い前髪の間から碧翠と黄金の瞳(オッドアイ)が覗いている。常に微笑みを絶やさず言葉遣いも丁寧でとても優しそうだった。娘は親切な青年の言葉に頬を赤らめて頷いた。
 この美しい青年が都を震撼させている悪名高き九尾の妖狐だなどとは想像だにできなかったに違いない。

 娘と青年は小さな灯りの下、手を携えて闇の中へ消えてしまった。その後娘は行方知れずとなり、数日後魂を抜かれた屍となって発見された。都では何年も前から同じような事件が続いていて、噂になっているにも関わらず、被害は後を絶たなかった。それは実際に九尾の妖狐に出会って生きて戻った者が一人もなかったので、人に化けて主に女を狙うらしいということぐらいしかわかっていなかったからだった。それにたまたま運悪く彼と出会ってしまったとしても、まさか妖(あやかし)と思えるはずもなく、やすやすと彼の手に落ちてしまったからに違いない。

 今日もまた夕暮れ近く都の細路に小柄で華奢な若い娘が一人歩いている。長い黒髪を結わずに垂らしていて、色は白く、大きなつり上がった目がいかにも気が強そうに見える。
 『こんな時刻にお一人ですか?』
背後からの声に娘は振り向いた。そこには美しい青年姿の妖狐が微笑んでいた。
 娘は顔を伏せたが、妖狐の死角で彼女は不敵な笑みを浮かべていた。顔を上げると娘の表情は心細げな少女のそれに変わっていた。妖狐は
『ご一緒致しましょうか?』
と尋ね、娘は
「ご親切に、ありがとうございます。」
と答え、二人は並んで歩きだした。

 『貴女はとてもお美しい。このような物騒な所をお一人でいらしては危のうございますよ?』
と青年は言った。ちらりと娘を振り返るその瞳には邪悪な光が見て取れた。娘はさっと飛び退き、お札のようなものを懐から取り出すと青年の方に向けて突き付けた。妖狐が
『うっ…』
と小さく呻いた。
「我は陰陽師が血族なり。貴様の正体は九尾の妖狐と見た。観念せい。」
娘がそう言うと、妖力を吸い取られたように妖狐は項垂れ、がっくりと肩を落とし、崩れ折れるように跪いた。
 顔を上げ、きっと口惜しそうに娘を見たが、すぐに悲しげな表情ではらはらと涙を流した。
「!?」
娘は驚いたように目を見開いた。
 娘は忘れていたが、妖狐は覚えていた。
十年ほど前、子狐姿の妖狐は幼い頃の彼女に出会っていた。彼女は陰陽師の血をひく家系の娘だったので、他の子供のような自由がなかった。他の子供達も陰陽師という不気味な存在を怖れて彼女には近づかなかったので、彼女はいつも一人だった。独りの寂しさが身に沁みていた妖狐は幼い彼女に懐いた。彼女も唯一の友達として銀毛に碧翠と黄金の瞳の子狐を可愛がった。時が流れ、いつしか家人たちの知るところとなり、子狐は追い払われて彼女の姿は屋敷の奥深くに消えた。そして二人は引き離され、今日まで遭うことはなかった。
 幼い頃可愛がった子狐が今、見上げるような長身の美青年になっているとは夢にも思わない娘はお札をかざし妖力を封じる呪文のようなものを唱え続けている。妖狐は半ば自らの命を諦めかけていた。愛しい娘の手で葬られるなら自分の命など消えてしまっていい。

 その時何処からともなく武器を手にした人々が集まってきて、妖力を失い、弱り切った妖狐に襲いかかってきた。妖狐は縋るような瞳で娘を見たが、娘はやはり彼のことがわからない様子で一心に呪文を唱え続けていた。
 妖狐は人の姿のまま、獣の声で一声哭いた。心が引き裂かれるような悲しげな声だった。はっとした顔で娘は沈黙した。
「この声…何処かで…昔…」
娘は妖狐の瞳を見つめた。碧翠と黄金のオッドアイ。
「えっ…?」
彼女の脳裏に幼い日友と呼んだ子狐の姿がよぎった。
「貴方は、あの…狐…!?」
彼女の呪文が途絶えた隙に妖狐は今まで抑えつけられていた力をはねのけるようにぴょーんと高く飛び、樹々の梢をかすめて、都のはずれへと逃れた。
『貴女が気付いてしまった以上、私はここで命を落とす訳には参りません。私の命を奪ったことを貴女のせいにする訳には…それだけは…』
愛しい娘に殺されるならと一度は諦めかけた命ではあったが、娘が子狐の正体に気付いてしまった以上、その命を奪ったという罪の意識を一生涯彼女に背負わせる訳にはいかない。生き延びて何処か彼女の知らない所で一人で逝こう…

 妖狐は命からがら都を出て、草深い藪の中の一軒家に辿り着いた。辺りには他に民家も無く、荒れた小さな家には薬草のような匂いが立ち込めていた。こっそり中を窺うと、女が一人こちらに背を向けて座っている。

 「血の匂い…それも人ではない…獣の…」
女は静かに呟くとゆっくりと振り返った。
「貴方は人ではないのですね。とても美しいけれど、人の姿をした、人ではないもの。妖(あやかし)。噂に聞く九尾の妖狐なのでしょう?」
女は伏し目がちに、落ち着き払った声でそう言い、ちらりと彼の眼を見た。
「やはりそうなのですね。だから獣の血の匂いがしたのですね。こちらへいらっしゃい?酷い怪我をしていますね。手当てを致しましょう。」
全く表情を崩すことなく、女は淡々とそう言った。

 『私が怖ろしくないのか…?』
妖狐は震える声で小さく呟いた。
「何故?怪我や病気を治すのが私の務め。人であろうとなかろうとそんなことはどうでもよいことなのです。さ、早く。命にかかわります。いくら貴方が妖でも。」
妖狐は女の言葉に素直に従った。女は手際良く手当てをし終えると言った。
「これで心配ありません。でもまだ動くのは無理です。しばらくはここで養生なさってください。」
『命を救ってくれてありがとう。でも私は追われている。ゆっくりとここに留まることは出来ないし、君にだって迷惑がかかる。』
女は初めて表情を崩して微笑んだ。
「優しいことをおっしゃいますね。多くの人の魂を奪う世にも怖ろしい九尾の妖狐だなんてとても思えません。私なら大丈夫です。ここは滅多に他人が尋ねて来ることはないし、私は他人から避けられていますから、心配は要りません。」
女はまた先程の硬い表情に戻った。この女もまた寂しい女性(ひと)なのだろうと彼は思った。

 女の名は葛の葉。代々薬師(くすし)の家系で、自ら体内に毒を取り入れることで解毒薬を作る技を身につけている一族の末裔だった。一族の他の者たちは皆毒に負けて命を落とし、自らもまたいつ死んでもおかしくない状況で、誤って毒に触れた者や獣に襲われて大怪我をした者のための薬を作っている。その薬で命が助かった者だけは感謝してくれるものの、大多数の人間は「人に非ざる者」であるかのように彼女ら一族を疎んじたので、この地でひっそりと一人暮らしてきたのだ。

 都では瀕死の重傷を負いながらも逃げ遂せた九尾の妖狐を狩るために武装した一団があちこち捜索を続けていた。そしてとうとうこの人里離れた薬師の家の方へと追手が迫って来つつあった。しかし妖狐の傷はこの先逃げ続けられるまでには癒えてはいなかった。

 『葛の葉、私はここを出る。君はとても良くしてくれて本当に嬉しかった。でも私は今命を落とす訳にはいかないんだ。』
妖狐は陰陽師の娘と自分とのいきさつを手短に話した。
『君なら私の気持ちをわかってくれるだろう?君と出会った時、君と私は似ていると思った。君も私が自分とどこか似ていると思ったから、これほど私に手を尽くしてくれたのだと、私は勝手にそう思っている。君の治療を無にして申し訳ないとは思うが、どうか私を許してくれ。』
妖狐は眉根をよせ、苦悩の表情で目を伏せた。
 葛の葉はすっと立ち上がると戸棚の中から何やら薬を取り出し、妖狐の目の前で2つの器に半分ずつ注ぎ分けていった。
「これは人の世に言うある種の毒薬です。でも妖の貴方には、暫しの仮死状態の後全ての傷を癒す薬となるはずです。貴方が死んだように見せれば、追手も納得するでしょう。私が毒を飲ませて貴方を殺したと言えば、彼女が貴方を死なせたことにはなりません。私は貴方と一緒にこの毒薬を飲みます。私は死ぬことはありませんから、どうぞ後のことは全て私にお任せ下さい。」
 妖狐は驚いたように目を見張った。葛の葉の決心は固いようだった。これだけは絶対に譲れないとその瞳が訴えていた。
『葛の葉、ありがとう。それほどまでに私を思ってくれているのなら、私は君に従おう。せめてもの私の感謝の気持ちを受け取って欲しい。人間には決して告げてはならない私の真(まこと)の名を君には伝えよう。一度(ひとたび)私の真の名を聞いてしまえば、君と私の時間(とき)は止まってしまう。君には永遠の時間を君と私の二人だけで耐え抜く覚悟があるか?どこまでも果てしなく続く時間の中で、この世の終わりまで私を支えることができるか?』
葛の葉は視線を外さずじっと妖狐の瞳を見つめたまま力強く頷いた。
 妖狐は葛の葉の手を取りぐっと身体を引き寄せた。そしてその耳元にそっと
『私の真の名は…』
と囁いたのだった。

 二人は共に毒を呷り、妖狐はゆっくりとその場に倒れた。丁度追手が到着し家に押し入ったのと同時だった。
「今しがた妖狐に毒を盛って殺めました。油断させるために私も飲んだふりをしたので、まんまと引っ掛かりました。私は半妖だと嘘をついたので気を許したのか、人間への恨み事を散々語っていましたから、このままでは祟るかもしれません。丁重に祀る必要があるでしょう。」
と葛の葉が言った。
追手達は色を失い、祟りを怖れてざわめいた。遅れてやってきた陰陽師の娘がちらりと葛の葉を見ると言った。
「そうですね。その女(ひと)の言う通りです。私達陰陽師が強い結界の奥に封印することにします。神社を建て、三狐神として末長くお祀りすれば祟ることもないでしょう。」
娘はそう言って目を伏せた。
「毒で絶命したというのなら、亡骸はあなたにお任せしましょう。私達はあくまでも妖力を封じることしかできませんから。」
「承知致しました。」
言葉少なに葛の葉は請け負った。

 その後葛の葉は陰陽師の建てた祠に妖狐を安置し、強い結界が張り巡らされて封印された祠の前で静かに眠りについた。

 それからしばらくは妖狐の祟りを怖れて皆近づくのも怖がっていたが、時が流れ、三狐神様を祀った銀狐稲荷の存在は次第に忘れ去られて行った。
 
 遥かなる時空を超え、ある時から銀狐稲荷の存在が再び人に知られるようになってきた。
そこには長い眠りから目覚めた三狐神様と呼ばれるかつての九尾の妖狐と、彼に魂を捧げた巫女の葛の葉が居る。
かつて妖狐が奪った多くの魂に贖いつつ、この世の終わりまで、永い永い時間を二人きりで…