新しいチャンネル
昔々あるところに四姉妹が暮らしておりました。
長女の名前は【みどり】。何かにつけて仕切りたがるので妹達は煩がっていました。
次女の名前は【わかな】。マイペースですが陽気な性格なので皆に好かれていました。
三女の名前は【ふたば】。緻密な性格で冷静沈着。ただ何を考えているのかよくわからないので、いつも皆振り回されていました。
四女の名前は【もえ】。いつも皆のことを思いやり、場の雰囲気を盛り上げる縁の下の力持ち。
性格もバラバラですが、見た目も姉妹とは思えないほど違っていました。
みどりはいつも長いまっすぐな黒髪をお下げにして、眼鏡をかけ、色白で線が細く、服装も地味そのもの。
わかなはとても個性的。髪型も服装もコロコロ変わり、どちらかというと面倒臭がり屋。服も普段は適当だが、実はとてもおしゃれ。
ふたばはシンプルイズベスト。髪型も服装も洗練された感じ。髪は茶色っぽい癖毛。やはり色白で華奢そうで、意外と頑丈。
もえは自分の好みにこだわる。少しぽっちゃりしていて肌は黄色味を帯び髪はセミロングで前髪と裾が中途半端な癖毛。
四姉妹の母、小枝(さえ)は
「どうしてこんなに違うのかしらね?」
と呟いた。思春期ともなるといつも誰かと誰かがもめていて、仲裁にも骨が折れる。出来るだけ一人一人を尊重しようと別々に話を聴くが、ただ聴くだけではダメだ。それぞれの個性に合った対応をしてやらなくては。同じ様に悩んでいてもアプローチの仕方を間違うとこじれてしまう。
「みどりちゃん、ご機嫌斜めのようね?またわかなちゃんと喧嘩したんでしょ?」
「お母さん、聴いて頂戴。わかなったらねぇ…」
みどりの話を聴く時にはうまく話の腰を揉んでやらなければならない。仕切り屋でプライドの高いみどりはお説教臭くなっても話を聴かないし、耳の痛いことを言っても落ち込んでしまってもうそれ以上何も耳に入らなくなる。何よりも自分の思い通りに物事が運ばないと気に入らない。しかも、答えを求めているのではなくて、ただ同意を求めているだけなので、答えてやろうとしてはいけない。方向を修正する時はあくまでさりげなく誘導するのがコツだ。自分が確信しない限り、みどりは絶対に納得しない石頭だからだ。
「ねぇ~ちょ~お母さん、聴いてよ~。もう~」
わかなの場合は順応性が高いのでそれほど細かいことは気にしない。ただしゃべりたいだけで、話してしまえば大抵それで気が済むし、時にはもう途中から明後日の方向に話が脱線していることさえある。どこまでも脱線していかないように微妙に軌道修正してやりさえすればいい。アグレッシブなので自由にやりたいようにさせてやるとやる気が出るが、ネガティブなアプローチは逆効果にしかならない。
「ね、ね、ね、お母さん、それってさぁどういう意味?何でそんな風になるの?」」
ふたばはデータを収集し、分析し、計画を立て、その上で答えを出す。物事を客観視できて冷静沈着だが、変化や混乱に弱くて、プレッシャーで潰れてしまうし、失敗することも怖れる。
「もえちゃん、何か言いたいことがあるんじゃないの?」
「え、いや、あの、その、…実は…たいしたことじゃないけど…」
もえは基本自分からは何も言い出さない。場の空気を乱すのが嫌なので誰かに「どうしたの?」って言ってもらえるのを待っている。自分の希望は口に出さないし、NOと言えないが、内心「認めて欲しい」「受け入れて欲しい」「好かれたい」と思っていることを汲みとってやらなければいけない。
小枝も最初からそれがわかっていた訳ではない。それでも何度も失敗を繰り返しながら、身につけて来たスキルだった。今ではある程度それぞれに何とか対応できるようになって来たが、それでもまだ時々うまくいかない時がある。
同じDNAを持って生まれた兄弟姉妹と言えどそれぞれに性格ー個性ーがある。長所も短所もそれぞれ違う。
頭ごなしに物を言われるのを嫌う人。他人の言うことを聞かずひたすらしゃべる人。いろいろと尋ねる人。とにかく認められたい人。
その人がどんなタイプの人間なのかを見極めて初めてスムーズに話が運ぶようになる。
もし周囲に苦手だけれど付き合わなければならない人がいたら、一度その人がどんな人なのか考えてみるといい。
それがわかればおのずと対応の仕方も見えて来るだろう…
昔々あるところに四姉妹が暮らしておりました。
長女の名前は【みどり】。何かにつけて仕切りたがるので妹達は煩がっていました。
次女の名前は【わかな】。マイペースですが陽気な性格なので皆に好かれていました。
三女の名前は【ふたば】。緻密な性格で冷静沈着。ただ何を考えているのかよくわからないので、いつも皆振り回されていました。
四女の名前は【もえ】。いつも皆のことを思いやり、場の雰囲気を盛り上げる縁の下の力持ち。
性格もバラバラですが、見た目も姉妹とは思えないほど違っていました。
みどりはいつも長いまっすぐな黒髪をお下げにして、眼鏡をかけ、色白で線が細く、服装も地味そのもの。
わかなはとても個性的。髪型も服装もコロコロ変わり、どちらかというと面倒臭がり屋。服も普段は適当だが、実はとてもおしゃれ。
ふたばはシンプルイズベスト。髪型も服装も洗練された感じ。髪は茶色っぽい癖毛。やはり色白で華奢そうで、意外と頑丈。
もえは自分の好みにこだわる。少しぽっちゃりしていて肌は黄色味を帯び髪はセミロングで前髪と裾が中途半端な癖毛。
四姉妹の母、小枝(さえ)は
「どうしてこんなに違うのかしらね?」
と呟いた。思春期ともなるといつも誰かと誰かがもめていて、仲裁にも骨が折れる。出来るだけ一人一人を尊重しようと別々に話を聴くが、ただ聴くだけではダメだ。それぞれの個性に合った対応をしてやらなくては。同じ様に悩んでいてもアプローチの仕方を間違うとこじれてしまう。
「みどりちゃん、ご機嫌斜めのようね?またわかなちゃんと喧嘩したんでしょ?」
「お母さん、聴いて頂戴。わかなったらねぇ…」
みどりの話を聴く時にはうまく話の腰を揉んでやらなければならない。仕切り屋でプライドの高いみどりはお説教臭くなっても話を聴かないし、耳の痛いことを言っても落ち込んでしまってもうそれ以上何も耳に入らなくなる。何よりも自分の思い通りに物事が運ばないと気に入らない。しかも、答えを求めているのではなくて、ただ同意を求めているだけなので、答えてやろうとしてはいけない。方向を修正する時はあくまでさりげなく誘導するのがコツだ。自分が確信しない限り、みどりは絶対に納得しない石頭だからだ。
「ねぇ~ちょ~お母さん、聴いてよ~。もう~」
わかなの場合は順応性が高いのでそれほど細かいことは気にしない。ただしゃべりたいだけで、話してしまえば大抵それで気が済むし、時にはもう途中から明後日の方向に話が脱線していることさえある。どこまでも脱線していかないように微妙に軌道修正してやりさえすればいい。アグレッシブなので自由にやりたいようにさせてやるとやる気が出るが、ネガティブなアプローチは逆効果にしかならない。
「ね、ね、ね、お母さん、それってさぁどういう意味?何でそんな風になるの?」」
ふたばはデータを収集し、分析し、計画を立て、その上で答えを出す。物事を客観視できて冷静沈着だが、変化や混乱に弱くて、プレッシャーで潰れてしまうし、失敗することも怖れる。
「もえちゃん、何か言いたいことがあるんじゃないの?」
「え、いや、あの、その、…実は…たいしたことじゃないけど…」
もえは基本自分からは何も言い出さない。場の空気を乱すのが嫌なので誰かに「どうしたの?」って言ってもらえるのを待っている。自分の希望は口に出さないし、NOと言えないが、内心「認めて欲しい」「受け入れて欲しい」「好かれたい」と思っていることを汲みとってやらなければいけない。
小枝も最初からそれがわかっていた訳ではない。それでも何度も失敗を繰り返しながら、身につけて来たスキルだった。今ではある程度それぞれに何とか対応できるようになって来たが、それでもまだ時々うまくいかない時がある。
同じDNAを持って生まれた兄弟姉妹と言えどそれぞれに性格ー個性ーがある。長所も短所もそれぞれ違う。
頭ごなしに物を言われるのを嫌う人。他人の言うことを聞かずひたすらしゃべる人。いろいろと尋ねる人。とにかく認められたい人。
その人がどんなタイプの人間なのかを見極めて初めてスムーズに話が運ぶようになる。
もし周囲に苦手だけれど付き合わなければならない人がいたら、一度その人がどんな人なのか考えてみるといい。
それがわかればおのずと対応の仕方も見えて来るだろう…