ノーブル・ノーズの花の穴

麗しき本音のつぶや記
~月に1度ブログ~

レゲエ青年に話しかける

2005-08-31 10:44:50 | ファッション


白いタンクトップに、ポケットがたくさんついている、ダブダブの黒パンツ。
銀地に緑文字の箱を、その黒ポケットにしまう。
それだけで、おしゃれに見える。

左腕には、わざとゆるくしている、ダイヤで囲まれたステンレスの時計。
腕を動かすたびにずれる。
大きめでも、ドレスウォッチ風にする事で、いやらしく見えない。

デニムキャップを深めにかぶって、音楽の準備をする伏せ目がちな彼を、ジロジロ見てしまった。

それは、色黒な胸元に下がっている、円柱のカプセルの中身が気になったから。
上から、赤、黄、緑。何が入ってるんだろう。

マーブルは時々、気になる物を持っている人がいると、知らない人でも平気で話しかけるが、
この雰囲気、無愛想な感じで恐い。
それでも気になる、カプセルの中身。

各駅停車はガラガラのまま、待ち合わせをしている。
横のBOX席に、彼は1人でいる。

「すみませ~ん。そのネックレスの中には、何が入ってるんですか?」
とうとう話しかけた。
予想とはうらはらに、
「砂が入ってるんです。」と、ニコニコして彼は答えた。

「その帽子にも同じ色が入ってますけど、同じブランドなんですか?」
「これは、レゲエの…色なんです。」
「この砂、濡れると混ざっちゃうらしくて、今はギチギチに入ってるんで、平気なんですけど。」
と、そんな事まで教えてくれた。

「その時計も、わざとゆるくしてるんでしょ?それもレゲエなんですか?」
「いや、これは違います。(笑)」
「いろいろこだわってて、おしゃれですよね。気になってジロジロ見ちゃって、すみませんでした。」
「ありがとうございます!」

あんまりしつこいと、面倒だろうから、それからは、だまって目を閉じた。
人がたくさん乗ってきて、降りる時も、振り返らなかったが、
ホームから窓越しに目を向けると、レゲエ青年は、こっちを見ていた。

「こだわっている」と言われて、嬉しかったのかもしれない。
軽く会釈されたので、マーブルも返した。

後日、レゲエ好きの知人に聞いたら、赤、黄、緑は、ラスタカラーと言って、
ジャマイカの神様を表す色らしい。
レゲエ=ジャマイカのイメージだからか。

ラスタカラーのネックレスは、彼の笑顔に、とても似合っていた。

小物って気になる。
そう言えば、穴が出来あがる前に、すでにピアスを、4つも買ってしまって思ったんだけど、
いろいろぶら下がってるタイプの物より、シンプルにワンポイントの方が、
「ピアスならでは」って感じで、綺麗なんだよね。

こうやって、身につけている物を見るように、心の中まで観察される事を、蓮音は嫌う。
ごめんね。

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