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簿記・仕訳の知識と経理責任者と学ぶ姿勢 あか~ん チン No17

2022-12-01 14:09:53 | 会計



 もう10年以上前になると思います。
 ある弁護士の方からの依頼で、ある団体の経理部署に訪問したことがありました。
 新しく経理の担当者を雇い入れたらしいのですが、分からないことがあるので訪問して相談にのってほしいというものでした。
 経理部署は、その担当者と上司である責任者の2人でした。
 責任者は、経理を長く担当しているということではないようでした。
 質問は、給料からの源泉徴収に関するものでした。
 給料を現金で支払っていましたが、通常は、給料から源泉徴収分を控除して、残りを現金支給するという方法をとります。
 しかし、その団体は、給料を全額渡して、源泉徴収分の現金を経理に支払うという方法をとっていました。
 新しい経理担当者は、「私が勉強してきた簿記のやり方とは違う」ということで不安に思ったようです。
 私は、言いました。
「あなたの考えが正しい。ここのやり方が間違っています。ただ、結果的には、仕訳上も、現金の動きも同じになります。」
というふうに答えました。

 多分、この団体のやり方は、手間がかかると思います。
 また、厳密にいうと、源泉徴収という観点からは、間違った処理だと言えます。
 もうひとつ質問がありました。
 その団体は、新たに会計ソフトを導入して、会計処理を会計ソフトで行うように移行していましたが、いまだに、手書きの仕訳帳、総勘定元帳を作っていました。
「手書きしないといけないでしょうか。」
 新しい経理担当者からの質問に、私は答えました。
「会計ソフトに仕訳入力することで、同じものが会計ソフトの中に作成されます。それを印刷すれば、手書きは必要ないと思います。ただ、バックアップをするように気を付けてください。」
 新しい経理担当者は安心したようでしたが、そこで、経理責任者が口を挟んできました。
「私は、もうすぐ経理責任者を辞める。やり方を変えるなら新しい経理責任者が着任してからにしてくれ。」
 私が頼まれたのは、あくまでも相談にのることで、当団体の経理処理の効率化・適正化の助言ではありませんでしたので、それ以上は何も言いませんでした。
「何か分からないことがあれば、会計ソフトの会社に質問してみてください。」
と伝えて、帰りました。
 帰る前に、経理責任者が私に依頼をしてきた弁護士に電話で報告しているようでした。
 「お手上げです。」
という声だけは聞こえました。
 私が、当団体のやり方が間違っていると指摘したことに腹を立てたのかもしれませんが、私がまったく相談に乗れなかったかのように報告したようでした。
 でも、そんなことは、どうでもいいことで、かわいそうなのは、新しい経理担当者の方です。
 せっかく、簿記の勉強をして、その知識を生かせる仕事についたのに、その上司である方が、まったく簿記の知識がない人で、非効率なやり方や間違ったやり方をいつまでも続ける人だったようです。
 簿記・仕訳の知識がなくても、経理の責任者となったからには、勉強していただきたいと思います。
 いくつになってもです。
 責任者である以上、学ぶ姿勢を維持すべきだと思います。
 新しい経理担当者の方からは、その後、連絡はありませんでした。
 頑張れ。
 会計・簿記という分野は、日本では、商業高校等に通えば習うと思いますが、通常は学ぶ機会がありません。
 私も初めて勉強したのは、就職した後でした。
 (それでも、公認会計士になれました。)
 だから、日本では、会計・簿記という知識・技術を持っている人は少ないし、その考え方・正しい手続が浸透しているとは限りません。
 ときには、知識のない者が、知識のある者の上席になることもあります。
 とんちんかんな会計処理をしていることもあります。
 でも、だからこそ、会計・簿記の知識のある方が、必要とされる仕事が存在するのです。
 新しい担当者の方は、もう辞められているでしょうが、頑張れ。
 学んだ会計・簿記の知識・経験を、仕事に、家計に、人生に、活かしてみてください。
 これから、簿記・会計を学ぼうとしている方、今、学ばれている方、このようなことは、よくあることだと思います。

 でも、そんなことより、自らが学んでいる簿記・会計を活かして、歩んで行くという強い思いを持ってください。
 圧倒的な知識と圧倒的な善念と知恵・工夫・反省で人生の荒波を乗り切っていってください。

 会計に関連した私の考えについて、書こうと思います。
 できるだけ分かり易く書きたいのですが、難しくなるときもあるかもしれません。
 会計は分からないけど興味がある方、会計を勉強したいと思っている方、会計に携わっている方、何かのご縁で私のブログを読んでいただいた皆様のお役に立てれば幸いです。
 皆様に、神さま仏さまのご加護がありますように。
 61歳のオッサン公認会計士でした。
 では、また。



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